G7、自由貿易交渉の早期妥結目指す方針で一致
主要7カ国(G7)首脳会議は5日、各国・地域間で
進められている自由貿易交渉の早期妥結を目指す方針で
一致した。
世界貿易機関(WTO)指導の下の多角的貿易交渉
(ドーハ・ラウンド)が2008年に決裂して以来、
最も積極的な動きになる。
G7は、環太平洋連携協定(TPP)や米国と
欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)など
8つの協定について、締結を目指す意欲を
鮮明にした。
米国とEU間の貿易だけで、経済生産の
増加幅は1000億ドルに達する見込みだ。
G7は共同声明で「(自由貿易協定を)できる限り
早く妥結させることを目指す」と言明した。
G7は金融危機を経て、各国間の事業障壁を
なくし経済を統合することによる雇用創出が、
比較的痛みの少ない解決策だとの意見で一致している。
さらに、中国がサービス業で自由貿易に参加し、
温暖化対策製品に対しては輸入関税を撤廃する方針を
打ち出したことにも対処している。
ただ、EUとカナダの自由貿易協定交渉は
約5年にわたり続けられているものの、
決着には至っていない。
またTPPの日米協議では農産物で依然
大きな隔たりが見られ、一連の協定締結に
向けたハードルは高い。
一部の国の間で自由貿易から阻害されている
との不満が出ていることに対し、バローゾ欧州委員長は
「自由貿易のメリットを強く訴える必要がある」と表明した。