イエレン米FRB議長、月内利上げの見送り示唆

米連邦準備制度理事会FRB)のイエレン議長は6日、
ペンシルベニア州で講演し、先週末発表された統計で
5月の雇用の伸びが大きく鈍化したことに「失望した」
と述べた。

その上で、雇用の推移を見極める姿勢を強調し、
今月14、15両日の連邦公開市場委員会FOMC)での
利上げ見送りを示唆した。

一方、景気の先行きには楽観的な見通しを示し、
「緩やかに利上げしていくのがおそらく適切だ」
と改めて表明した。

同議長は5月下旬「数カ月以内の利上げが適切」と述べ、
6月か7月の実施に前向きだった。

今回そうした言及はなく、慎重な姿勢に
転じたことをうかがわせた。

同議長は講演で、米国の消費は力強いなどとして
「経済は回復が続く」と予想。

物価上昇率も、原油安やドル高の一服などに伴い
2、3年以内に2%目標に向かうとの見通しを維持した。

一方で、5月の雇用統計は「景気見通しに
新たな疑問を投げ掛けた」と認めた。

物価上昇ペースや生産性に関する不確実性は
大きいと述べたほか、英国の欧州連合EU)離脱を
問う今月23日の国民投票が「経済的に多大な影響を
及ぼす恐れがある」と懸念を示した。