イエレン米FRB議長、「米FRBは利上げ継続へ、待ち過ぎは賢明でない」

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は14日、
上院銀行委員会で半期に一度の証言を行い、
今後の連邦公開市場委員会FOMC)で利上げが
必要となる可能性が高いと述べました。

ただトランプ新政権の経済政策をめぐり
かなりの先行き不透明性が出ているとの認識も
示しました。

イエレン議長は証言で、雇用市場が一段と引き締まり
インフレ率が目標とする2%に向け上昇していくと
FRBが予想していることに言及し、「緩和措置の解除を
待ち過ぎることは賢明ではない」と指摘しました。

また、利上げを遅らせれば後手に回り、結果的に
速いペースでの利上げを余儀なくされ、リセッション
(景気後退)を招く恐れがあるとしました。

その上で「今後のFOMCで、雇用とインフレが
われわれの予想に沿って進展し続けているか
検証していく。予想通りに進展している場合、
FF金利の一段の調整が適切となる公算が
大きい」と述べました。

同議長はまたトランプ政権の政策によって米メキシコ間で
貿易戦争が起きれば、両国経済に「悪影響が広がる恐れがある」
と警告しました。

労働力を支えてきた移民の減少は「経済成長の鈍化を招く」
とも述べ、保護主義の強まりに懸念を示しています。

政権が目指す金融規制緩和については「金融機関の負担軽減は
重要だ」として、一定の見直しに賛同しましたが、規制で
金融機関の融資が制約されているとの指摘に対して、
「融資は健全に伸びている」と反論し、
金融システム安定のリスクになりかねない
緩和の行き過ぎをけん制しました。