仏大統領選挙。マクロン、ルペン氏が決選へ

フランス大統領選は23日、第1回投票が行われ、内務省が発表した
開票結果によると、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン
前経済相(39)と極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首(48)が
5月7日に実施される決選投票への進出を決めました。

得票率はマクロン氏がルペン氏をやや上回った。

極右候補の決選投票進出は、マリーヌ氏の父、ジャンマリ・ルペン
前FN党首が決選に進んだ2002年大統領選以来15年ぶりとなる。

欧州連合EU)離脱や「反イスラム」など過激な主張を唱える
ルペン氏が当選した場合、フランスや欧州の政治が大混乱に
陥る事態が予想されています。

一方、EU残留を掲げるマクロン氏が大統領になれば、
外交方針が大きく変わることはないとみられています。

歴代政権を担ってきた左派与党・社会党と右派野党・共和党
2大政党の候補はいずれも敗退し、1958年に始まった現行の
第5共和制では初の事態で、既存政治に対する有権者の失望を
印象付けました。

内務省の開票率96%時点の集計によると、主要5候補の得票率は
マクロン氏が23.9%、ルペン氏が21.4%でした。

3位以下は共和党のフィヨン元首相(63)20%、急進左派・左翼党の
メランション元共同党首(65)19.5%、社会党のアモン前教育相(49)
6.4%で、ルペン氏は事前の世論調査で首位をうかがう勢いでしたが、
最終盤で伸び悩みました。

マクロン氏は結果を受けて、決選投票に向けて「課題に対応できない
古い体制を断ち切る」として、政治を抜本的に刷新すると強調し、
ルペン氏は「決選投票では野蛮なグローバル化の是非が問われている」
とさらなる支援を訴えました。