horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

岩井克人『資本主義を語る』

 永原孝道宇月原晴明)『死の骨董』に骨董の価値形態論みたいな感じで引かれていて、このへんを押さえてるのがバブル世代の知識人のたしなみなんだなと改めて思いもして偶々入手できたので読んでみると…。
 俊寛とか出てくるので驚く、こんな本でまで平家物語絡みなのかという(笑)。大塚久雄近代主義経済史で英のロビンソン・クルーソーに比べて、こんなに駄目な日本の例なんだが(苦笑)。ロビンソンもプロテスタンティズムで宗教的なら、俊寛と一緒に鬼界ヶ島に流された二人も現地の淫祠を熊野に見立てて積極的な建設(?)をやらないでもなかったのだが、それを俊寛はある種の仏教原理主義的に外道だと冷笑してたのが(むしろこの面でロビンソン近代的)、効験あらたかだったのか二人だけ帰国を許されるというイロニーもありぃの。
 故網野善彦との対談で出てくる時国家というのも、これは半村良『平家伝説』にも出てる平時忠ゆかりの一家なんだけど。さらに出てくる秋田藩佐竹家の院内銀山、頼朝が富士川平維盛軍を敗走させると取って返して常陸から佐竹を追って東国の地盤を固めるという話があって、このときから出羽の大名なのかと思うと佐竹氏はそうではなく(東北の中世とか疎くて…)、家康による移封は頼朝による所領没収の再現だな。銀山めっかってよかったね。