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2012-03-05

安藤忠雄氏講演会「近つ飛鳥を梅いっぱいに」

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独学で建築を学んだ安藤忠雄さんの講演会が近つ飛鳥博物館であったので行ってきました。

全体的に一定のまとまりがあるような気はしなかったんですが、面白いエピソードがたくさんちりばめられていました。

安藤忠雄さんはこの近つ飛鳥博物館の設計・建築も手がけています。行ってみるとわかりますが、この博物館の周辺はまあ特になにもありません。この講演会の寄付金から、梅の苗を買って植樹してこの近辺を梅いっぱいにしようという企画です。平成16年にスタートしたらしく、いまでは阪急梅田駅なんかでも梅の名所として紹介されるようになってきているようで、成功しているのでしょう。

この企画を始めた理由として、建築したものをそのままほっておくのではなくって建築し終わったその後もサポートしていきたいというようなことを語っていました。OSSコミュニティ育成としても似ているところがあるのかな、と。

さて、最初にも書いた通り、いろんなエピソードが講演の中で語られていました。いろいろあったのですが、一番多かったのは安藤忠雄さんがどういう設計を進めてきたか、どういう企画を進めてきたか、という話だったように思います。私にとってその中でも特に印象に残ったのは「境界を超える」「自分たちで作り上げる」という二つのキーワードでした。

まずは「境界を超える」エピソードについて。

兵庫県立美術館 - Wikipedia

兵庫県立美術館は、「前面の海に接するなぎさ公園と一体化」して建てられていますが、設計案で、土地としては国土交通省(ちがうかも)の土地と運輸省の土地に出ていてその部分をまあなんとかしなければいけなかった…という話

アサヒビール大山崎山荘美術館

アサヒビールのこの美術館は、中央の大山崎山荘(本館)と、それに隣接した円柱状のギャラリー(新館)からなっています。この一部が京都府の土地にはみでるような設計になっていて、その部分の土地を京都府から借りて建築が進んだそうです。

エラー 404: ページが見つかりません。 | OSAKA-INFO

大阪に緑が少ない、ということで、中之島一帯に桜を植えようというプロジェクト。当初、この中之島一帯は国の土地・府の土地・市の土地というように境界があって無理だと思われていたようだ。だが、一本目の植樹を2005年1月8日に当時の小泉純一郎首相にお願いし、その後7年で3000本の植樹を完了したそうだ。この話で面白かったのは、一本目の植樹を府知事・市長・経済界トップにもお願いしたが、正月は忙しいから…ということで断れた……ところが、いざ小泉さんが来てみるとその場にいて「いやまあ予定は変えられるので…」とか。小泉さんが正月忙しいのに行った理由が「おれの誕生日だから」だとか…。

まあ、少し話がそれたけれども、いろんな建物や企画で「土地」といういまある境界にぶつかって、そこで計画を変えてしまうのではなく、境界をまたいで交渉を行って実現させていったという点が面白く思えた。

つぎに「自分たちで作り上げる」エピソード

さきほどの平成桜の通りぬけも、寄付で成り立っているプロジェクトで寄付すると、その分で植えられた樹に名前が書いたプレートがつくらしい。こうして寄付で植樹し、また育てていくためのお金も寄付でまかない、自分たちで新たな桜の名所を作っていったという話。近つ飛鳥の梅いっぱいの場合も同様で、寄付によって植樹し、新たな梅の名所が生まれている。

大阪府立狭山池博物館 - Wikipedia

また、狭山博物館のまわりでも同じように桜いっぱいにする、というプロジェクトを行なっている。もちろんこの狭山博物館安藤忠雄さんの設計・建築になっている。この周辺では、蝶の森という蝶がたくさん戸外で生息しているところもあるそうだ。そこの管理も有志のおばさん達がやっているらしい。

こういった一人一人の活動で、その地域の新たな名所を作り上げることができるのだということを具体的に実感することができた。

さて、講演会で自分としてなにを思ったのかなのだけれど、やはりOSSやそのコミュニティの育成として学べるところが多かったと感じている。

たとえば「境界を超える」であれば、現状いろんなフレームワークやシステムがあるが、それぞれでやはり(思考にしろ技術的にしろ)境界というところもある。その時にその境界を超えた発想や、新たなフレームワークを作っていけるようになりたい、と感じた。また「自分たちで作り上げる」はそのままコミュニティ育成へとつながっていると思う。実際のところ、どのプロジェクトも土地の境界があったりして面倒なところは多かったのだと思う。その一方で面倒であれば、なかなか人は簡単には集まりはしないだろう。そこを「いくらの寄付で一本植樹します」と簡単にし、さらに「寄付された方の名前がプレートにのります」としたことで人を集めることができたのではなかろうか。そして、その行動がやがては自分たちで積極的に街づくりをしていく蝶の森の有志の人たちのようになっていくのだと思う。自分が関わっているコミュニティではどうしたらいいだろうか…。

もう一つOSSとはあまり関係ないけれど、面白かったのは「ゼロリスク主義」のエピソードだろうか…。いろいろな企画をやるにあたって、文句を言う人はやっぱり出てくるみたいで。大阪の人ならわかるかもしれないが、中之島のあたりにアヒルが昔浮かんでいたけれど、あれに「船がアヒルにぶつかる」とかいう反対もあったんだとか。あの大きさのにぶつかる船なんて……と思ってしまう。他にも川で子供に船こがせれば転覆したらどうする、とか、まあいろいろと…。

そういうリスクを考えていくこと自体は悪くないのだけれど、あまりにいきすぎてなにも動けなかったり、なにもなせなくなったりそもそも必要なことを壊してしまったりしている。というか、すでにネット上で多くのゼロリスク揶揄するような発言は多い……ただ、それをどうしていけばいいのかの答は見つけきれてないように思う。そんな中で、安藤忠雄さんもそういった文句の話にふれて、それでも進めていったということに感銘をうけた。



…んでも、ほんとそういうゼロリスクのに自分たちがぶつかった時にほんとどうしたらいいんだろーねー。行政レベルでそういうのがはびこってるけれど、誰か自分の政治生命を犠牲にしてでも、「ゼロリスクばかじゃねーの」とかぶち上げて一度議論をTVでおこる土壌を作ってあげないといけないのかしらん。ネットで揶揄されていても所詮多くはまだまだ新聞・TVで議論しないと進まないだろうし…


さて…結局自分の文章も全然まとまりなかったけれど、なにかを作る時におそれずに「境界を超えて」いきたいと思ったし、「境界を超える」にはそれなりに交渉も必要なんだろうな、ということも感じた。交渉に必要なコミュ力とかコネとかを身につけていきたい。そしてスピード感がない、というのも言われていたのでスピード感のある活発な活動を続けていきたいと思った。コミュニティというか人が多く集まった時の力はやはりすごい。どうすれば集めて協力してもらえるだろうか。たとえばどうすればGentoo userの力をもっとGentooにいかせるだろうか? 前につくばに行った時にも、どうすれば貢献できるのだろうか?と聞かれたことがある。Gentoo開発者の中の人としてどのようにすればいいだろう。「寄付で一本植樹します」のようにシンプルにキメないといけない。そのためにどんな仕組みを整備すればいいだろう。どんな仕組みならスピードを感じてもらうことができるだろう。面白いことをやっていきたい。