EME RED(1) A Mission After School/瀧川武司/富士見ファンタジア文庫

EME RED〈1〉A Mission After School (富士見ファンタジア文庫)


とりあえず並行して刊行されてる3シリーズのそれぞれ1巻目はこれで読了。これはドラマガで連載されていたものを収録した短編集。が、正直なところ三つに分ける意味があまり感じられなかった。『スレイヤーズ』『オーフェン』『フルメタ』など過去に富士見のあのスタイルで成功したシリーズの作家のようには、多分瀧川武司ってシリアスもギャグも、という風にはいかないんじゃないかな。同じく『BBB』や『棄てぷり』もあの形式に馴染んでない感はあったけどここまでではなかった。

学校を出よう!(2) I-My-Me/谷川流/電撃文庫

学校を出よう!〈2〉I‐My‐Me (電撃文庫)


時間モノ。世間では1巻は読まなくていいから2巻だけでも!というのがこのシリーズを薦める時の定型になってるらしいけど……なんだろな、多分自分の中にこういうパズルめいた構成を面白がる回路がないんだろうな。『タイムリープ』もただすごいなーと思うだけだったし、『ALL YOU NEED IS KILL』は……まあそもそも作者と相性がよくないっぽいんだけど。これならむしろ1巻のが素直に褒められそう。

晩年/太宰治/新潮文庫

晩年 (新潮文庫)

彼らの議論は、お互いの思想を交換するよりは、その場の調子を居心地よくととのうるためになされる。なにひとつ真実を言わぬ。けれども、しばらく聞いているうちに、思わぬ拾いものをすることがある。彼らの気取った言葉のなかに、ときどきびっくりするほど素直なひびきの感ぜられることがある。不用意にもらす言葉こそ、ほんとうらしいものをふくんでいるのだ。

なにか気まずい思いをしたときに、それを避ける法を知らずがむしゃらにその気まずさを徹底させてしまわなければかわなぬ悲しい修正を葉蔵はもっていた。

タイトルとは逆に太宰の処女作品集。遺作となるだろうと思いこういうタイトルをつけたらしい。オナニーのことは「あんま」と表記するらしいとか、飼っていた兎を交尾させて興奮したとか、作文が褒められたことで有頂天になって黒歴史長編小説を書くけど袋叩きにされたりとか。

狙った獣/マーガレット・ミラー 雨沢泰:訳/創元推理文庫

狙った獣 (創元推理文庫)


MWA賞なるアメリカのミステリ小説に送られる章を受賞したミラーの代表作、らしい。見知らぬ女から謎めいた脅迫?イタズラ?電話を受けた主人公の喪女が、知り合いで投資関係の仕事をしている男にその調査を依頼する。相変わらず、筏で緩やかな川を下ってるかと思ったらいつの間にか滝から落ちてた、みたいな作品だった。

ヒャッコ #6「向こう三軒両側に虎」

脚本:富沢義彦。演出:高柳佳幸。絵コンテ:福田道生作画監督:黒柳トシマサ。なぜ?いまそんなことを?っていうくらいのCパートの引き伸ばし。勢いで描いた5分の嘘予告をご丁寧にアニメで5分以上再現された原作者の心境やいかに。ここまでやるんならなんでアニメオリジナルエピソードやんないんだろ。そんなに原作信者の批判が怖いのか。

のだめカンタービレ巴里編#6「LESSON6」

脚本:榎戸洋司、絵コンテ:篁蒼氓、演出:高島大輔、作画監督:粉川剛・鷲田敏弥。橋の上でのだめと千秋が喧嘩するシーンのアクションが光ってた。特にのだめの飛び蹴りは別のアニメを見ているようだった。オケより日常シーンのが印象深いのはどうかと思うけど、考えてみれば自分は原作でも特にオケのシーンに感銘を受けたわけではないんだよなー。

かんなぎ #5「発現!しょくたくまじんを愛せよ」

信者がアイドル=偶像を神!神!って祭り上げ過ぎると、逆に周囲は冷めちゃってその価値が下がるよなあ、なんてことを考えた。また、昨日までの自称信者が今日はあっさりアンチに入れ替わったりもする。その辺りを突っ込んだ話もやったりするんだろうか。やりそうだな。倉田だしな。あと、「これで入学できるんなら受験も入学金もいらねえんだよ!」って感想は、そりゃそうやんなあ。

喰霊-零- #1〜6

いもげでのお姉ちゃんの評判を聞いて観てみた。

  • 序盤2話で、公式サイト等事前に主人公扱いされていたキャラが死亡。オサレアクションから百合オサレアクションに、というサプライズ。全編これ回想、というのも「この先、どうやってあんな状況に……」という緊張感生まれるし、二人の関係の切なさも強調されるし、悪くないのかもしれない。
  • 21世紀のサイレントメビウスやー!
  • 近未来っぽい(てか実際近未来なんだけど)制服を着せる辺りが20世紀、学校の制服のまま戦う辺りが21世紀
  • ああでも百合オサレアクション、という観点からすると自分は喰霊を「2008年のNOIR」として観ているのかもしれない。