オレンジデイズ - 旅立ち -

沙絵は、櫂と無理やり別れてドイツに旅立ちました。


   ”ふざけんな…ふざけんな、萩尾沙絵。”


櫂の気持ちはすごくよくわかります。
沙絵はあまりに身勝手です。
母親の愛情に報いるためだとわかっていても納得しきれません。


ただ、よくわかるのは噛み合っていた歯車が外れてしまったら
どんなにあがいても元通りにならない事です。
おじさんも過去にそういった経験がありました。


ふたりが出逢うタイミングが悪くなる。
しなくてもいい誤解が生まれる。
ふたりの間がどんどん離れていく。
気持ちばかりが空回りして何も変わらない。
あの時はマジつらかったっす。


必死に沙絵を忘れようとする櫂に彼女からエアメールが届いた時、
おじさんは彼女がどういう性格だったかを思い出しました。
彼女は自分だけを見ていてくれる他人を渇望するひとなのです。


   ”彼女は、ボクが忘れる事なんて絶対許さないんだ…”


彼の心が泣いていました。
それは沙絵に傾倒し離れられない自分に対しての言葉でもあったから。


いよいよ結末です。
ずっと彼らを観てきた手前、最後を見届けるつもりです。