女王蜂六ヶ所単独公演「孔雀婦人」〜降臨儀式編〜

meltchoco2012-03-23

全公演共通ドレスコード
 テーマ 【 やりすぎて 少し後悔 でもめげない 】
というので、どうしたもんかと思ったんですが…結局せいぜいこんなもん程度の格好になりました。が、頑張ってやり過ぎてるお客さん達のおしゃれを見るのも楽しいですね。早めには入れたので、中で待ちつつ、後から来る人たちのファッションチェックしてしまった(笑)。頑張ってるのは女子が多いけど、たまにいるキメキメの男子を見ると、東京ガールズブラボー岡崎京子)の世界のよーだとか思ったり。女子は露出多めだったり、スカートがチュチュ風だったり。アフロのかつらや着ぐるみの人たちもいました。
ライブは砂姫様からスタート。ヴェールをまとったアヴちゃんの姿にサロメをイメージした。序盤から激しく攻める攻める。最初の衣装を脱ぎ捨てて、ミニドレスから長い脚がバーンと出る。「みんなの欲しいものが私にはわかるわ。ほんまにわかんねんで」からのデスコ!ほんとに燃え上がるような熱狂のフロア。続くバブルにかけて、大量のジュリアナ扇子が客席中でひらめき、羽毛が天井へと舞い上がる。ほんとにステージが映えますねぇ。曲のアレンジもCDとはまた違って、長くなってさらなる展開を見せたりしてます。新曲は、たぶん前にも聴いた「ジプシー」の歌。その後の告げ口は、なんかもうイントロで涙出るレベルになりつつあるのですが。毎回聴いて毎回怖い。怖くて痛いくらいに胸に迫ってくる。その後のセクションは切なく歌い上げる曲が多くて、これもまた泣けるくらいだった。痛々しいくらいの激しさを内包したその表現が好き。ひりひりするような感覚。棘の海で本編終了。あっという間に感じる。でもすごい熱量だからこそ、そう感じるのかも。あとアンコール待ちの時間はお着替えタイムかな、とか。
「アンコールありがとう」と出てきたときは、アヴちゃんは物販のTシャツ姿(袖などはアレンジされてる)。物販紹介、自分たちでデザインしているこだわりのTシャツ、スカーフ、靴下にタイツ。スカーフは、夏フェスとかでタオルかぶって暑い暑い言ってる子らを見てそら暑いわというので考えたとか、回してぶつかってもあまり痛くないし、メガネが飛んで踏まれちゃったりしない、とか。靴下はかかと?足首の後ろ側のところに目のデザインがついてるとかで、スリッパになったときに見えて、周りから注目されて会話が生まれるかも、とか。タイツは足長効果抜群、デニールも厚めにしてるから簡単には破けないとか。独自の視点のこだわり満載で面白かった。
「今自分たちは服作ったり曲作ったり、好きなことだけやる贅沢な生活をさせてもらっていて、でもそれで喜んでくれたり涙流してくれたり、救われたって言ってくれたりする人がいるから、もう絶対やめられないなって」ということを言っていたのが心に残る。北海道の氷点下の中をオシャレの薄着で出待ちしてくれてる子とか見たらもう!って。「みんなにも好きな格好して、好きなことして生きて欲しいと思ってる」とも。あと、ちょっと前までは東京でライブするのに夜行バスに乗ってきてたなんて話もあったな。アヴちゃんは今ステージの上でものすごく輝いているカリスマなんだけど、でもお客さんのみんなと同じなんだよっていう、愛情に溢れてる感じがありました。それがまたすごいなっていう。アヴちゃんだからこその重みのある真摯な言葉。
アンコールでも火の鳥、人魚姫と盛り上げ、新曲2曲も披露。演奏に関しては「今日は荒削りな気分」という言葉通りの荒い感じはあったのだけど、それが女王蜂の表現に真実味を与えているエネルギーのようにも思います。でもこれが、その爆発的な衝動はそのままに、さらに緻密さを増したら、もっと凄いことになるのかな、なんてことも少しだけ思った。最後は「心を込めて」と歌われた燃える海。毎度ながら、ステージ上のアヴちゃんの存在自体がもう圧倒的で、美しかったです。性別も年齢も国籍も超越して、「私は私だ!」という存在の表現で輝いている。ここに至るまでのことを、知りもしないけど想像してしまったり、これから先にまだ続くだろう快進撃に思いをはせたりもするけれど、何よりも「今、ここで」の輝きの強烈さに撃たれるライブでした。

女王蜂 @ 赤坂BLITZ2012.03.24 邦楽ライブレポート|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)