「ちぇりー亭」@寝屋川 メッチャお下品背脂たまり醤油エヴォリューション 2006.10.08實食

私は所謂「コラボメニユー」といふものは好まない。その理由はとにかく目新しいものを、といふマスコミの要望で、ある程度安定した味の出來る店のみならまだしも、自らの足下すらおぼつかない樣な 地力の無い店 にまでそんなメニウを作らせる節操の無さが鼻につくから、である。
この「ちぇりー亭」は夲年4月に初訪。つけ麺を試したところ、西山のびらびらした麪はほどよくユルい茹で上がりで、そのまま啜つた時の食感こそまあまあであつたものの、つけ汁につけると途端にのびてしまつてゲンナリ。またつけ汁はダシが弱つちよろく、それ故タレの甘さのみが前に出て平板な印象で、酢をいれてみたりしたがどうやつてもバランスが取れないシロモノであつた。結果、わざわざ京都から地道をはるばる走つてまで行く氣にはさらさらなれづ、その記亊を「麺面日記」にも掲載することもなく放置プレヒを決め込んでゐた。
そのレヴヱルの店にコラボメニユーなどとはナニ考へてるんや?・・・と、普通なら完全無視するところなのだが、この「メツチヤお下品・・・」、仲間うちでかなり評判がいい。聞くところによるとポツと出のメニウではなく、以前よりあつた「背脂たまりラーメン」を我が親愛なるラーヲタ・メツチヤ氏が「タレ濃い目・ニンニク追加」でとことんおゲフインにして食してをられたもの(麺屋ちぇりー亭@寝屋川市初町 - 麺面日記)をベースにしてゐるさうだ。
コラボ元の「超ラーメンナビ」によると、

このお店のメニューの一つ、背脂たまり醤油ラーメンのパンチと中毒性に惚れ込み、店主池澤さんに無理をお願いして別料金でタレ、ニンニク、背脂を増量してもらううちにエスカレートしてしまい、いつしか原形をとどめぬほどの凶悪過激な超お下品ラーメンが出来てしまいました。もはや別物です。今回、超らーめんナビ限定メニューとしての登場に際し、専用の太麺に変更。具もキャベツ、モヤシ、豚バラ炒めにグレードアップ。下品さ最強の布陣で登場です。クリアでお上品なWスープラーメンも良いけれど、たまにラーメン食うならば、ガツンと濃い〜のいってみよ〜。醤油、ニンニク、背脂、太麺。カロリー4桁間違いなし。これぞ漢のラーメンだ。(取材:メッチャ)

・・・となつてゐる。
先日の波平氏のレポート(麺屋 ちぇりー亭@寝屋川 チャリde - 麺面日記)を見て、先づ感ぢたのは
「二郎」?!
冩眞を並べてみると全然違ふ樣に見へるのだが、山盛りの野菜、ギタギタの脂、そして太麪 と、その共通点は多い。
丁度「二郎」ゆかりの店が關西初上陸、といふタイムリイさもあり、これは是非とも食べに烏賊粘!!・・・と息卷いたのはいいものの、丁度學會やら何やらが重なつてあれよあれよといふ間に最終日。夜の部のみの10食限定、なので大亊を取つてシヤツターするべく店に趨くと、既に一組のアヴヱツクが開店待ちちう・・・ヤルな・・・
當然の如く、標題の限定メニウをちう悶。出來上るまで15分くらいかかる、とのことで、ネギメンマをアテに生ビイル(小)でぷはあ (^o,^)
15分といふのは極太麪の茹で時間の爲だと思つてゐたが、それ以外に野菜を炒めたり、チヤーシウがわりの豚バラを炒めたり、と結構忙しい。先述のアヴヱツクの片割れのと私の分を作ることにかかりつ切りになつてしまつてゐるので、そら10食限定もやむなるかな。
さて、かなり前置きが長くなつてしまつたが、やうやくラーメン到着。

件のラーメンは、豫想通り暴力的。
先づは箸を浸けただけであふれてしまふ程なみなみと注がれたスープをどう處理するかに惱む。東の方では「天地返し」などといふワザがある、と聞いたことがあるが、そんな亊は夢のまた夢。山盛りのキヤベツを食しつつ、スープに沈んでゐる麪をこわごわ引き上げる作業から始めなければならない。
いくばくかの餘裕が出來たところでやつと、スープをひと口。それも丼を持ち上げることなんぞ出來る譯もなく、ひところはマズいラーメン屋の定番でもあつた、使ひにくい木の杓子で悪戰苦闘しながら飮む。

・・・イヒ 言周・・・

こんなにダイレクトな化調味は久々で、懷しささへ感ぢる。
しかし、それを否定する氣は毛頭無い。このオゲツフインヴアージヨンは、これ位のジヤンキイな味にしてこそ成り立つ、といふものだ。スープ單體なら飮めたものぢやあないだらうが、野菜がそれを緩和してくれる爲にどんどん入つてゆく。くはあ、甘いつ!!・・・ニンニクがプンプン!!・・・脂で口の周りがギトギトだあ!!!・・・すげえ!!!!
また太麪がこのスープになかなか良く合つてゐるのだ。ピンピンはねて周囲に汁を撒き散らす硬さこそあれど、「二郎」の樣にゴワゴワしたものではなくなかなか喉越しも良い。
唯一、全體のバランスを崩してゐるのは、チヤーシウがわりの豚バラ炒めである。薄いのだが硬くて噛み切りにくいし、味もくどひだけでいちいち炒める手間の割に全然役に立つてゐない。ここはやはりよく煮込んで味のしみた、分厚いバラ肉か腿肉の煮豚が適當であらう。間違つても薄つぺらい卷きバラチヤーシウなんかを載せたりしないやうに(笑)

・・・いやあ、少々の難点はあれど、なかなか根性の入つたラーメンであつた。當然ながら全汁など叶ふべくもないが、この味は中毒性がある。ハンパなつけ麪を作つてるくらいなら、これをレギユラーメニウ化することを切に希望する。


月 旧一的評價;★★★+0.5。