幸福度とは




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1位は福井、47位は大阪 都道府県別幸福度調査 - はてなブックマークニュース 2011年11月10日


法政大学大学院が調べた都道府県の幸福度で、福井県が第一位となった。
東洋経済社やダイヤモンド社等の出版社による調査とあまり変化なく、北陸は軒並み高水準となっている。
同ランクは40のデータを「生活・家族部門」「労働・企業部門」「安全・安心部門」「医療・健康部門」 に分けて調べたとのことだが、人口密度や原発の多さから考察しても、持ち家率の高さや福祉、労働環境の充実は当然の結果といえる。


原発の多さで福井県は日本一であり、助成金による恩恵は計り知れない。原発のある市町村へ行くと分かるが、道路の整備状況でも境界線がはっきり分かる。東日本大震災後、原発を不安視する声も多いがその分、福利厚生が充実していたのだから、福井県にとって脱原発は簡単ではない。


総務省・統計局による2010年の福井県の失業率は3.3%と全国平均の5.1%よりも低く、島根に続いて2位の低失業率となっている。単純に低失業率が幸福に結びつくのであれば、7.6%と日本で一番失業率の高い沖縄県は不幸な人が多いことになる。沖縄の女性の平均寿命日本一だけで、マイナスを相殺するのは難しい。


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福井県には世界に通用する企業が多いとのことだが、技術立国日本において世界に通用する企業が殆ど無い都道府県を探すほうが難しい。
例えば、昨今ではオリンパスが世間を騒がしているが、問題は役員の一部であり一般社員は被害者に過ぎなく、これで終わる程度の企業でもない。オリンパス内視鏡で世界市場の7割超を独占しており、技術力は他社の追従を許さない。単なるカメラ屋と思っている人も多いかもしれないが、大々的に喧伝していない世界的企業は数多く日本に存在する。


福井県定住促進総合サイト | 福井県の住みやすさ・魅力―福井県は住みやすさ日本一

県内市町も住みやすさが上位


大手出版社などがまとめる「全都市住みよさランキング」などの統計で、県内の市町は上位にランクインするケースが多々見受けられます。
大手出版社の全都市住みよさランキング(平成21年)で、県内では坂井市6位、福井市11位、敦賀市26位、鯖江市39位と上位にランクイン(指標:「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」)


北欧諸国も北陸三県と同様に、似たような調査で常にトップクラスだが、北欧も北陸も冬はどんよりした天気が続き、雪かきが大変な場所なだけに個人的には長く住みたいとは思わない。
福井県は夫婦世帯における共働き世帯の割合が58.2%で全国1位とのことだが、子育てが心配になる。育児施設の充実や求人の多さも要因と思われるが、共稼ぎしないと生活できないとの判断も出来る。
全国チェーンの展開によって画一化されたとはいえ、大都市にしか存在しない店も多い。流行を先取りしたい若者には、地方が物足りなく感じることも多い。
車が無ければ移動できない環境は、老人や子供にとっては不便といえる。
原発の不安だけではなく、こういった諸々の現実をみると福井県の幸福度1位は、どうかと思う。


※日本と海外諸国の幸福度


大坂が最下位なのは犯罪率の多さが最大の要因とのことだが、日本の犯罪率は世界各国と比べるとかなり低いから、同統計で世界が舞台になると、大坂でさえトップレベルの幸福度指数の高い街となる。
失業率も、日本は世界的にも低い。福祉においては北欧諸国まではいかなくとも、先進諸国の中でも日本は恵まれており、個人負担の重いアメリカからすれば天国といえる。


日本の居住空間は、先進諸国と比べても殊更劣悪でもない。


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人口密度に関しては単純に比較できない。ドイツは他欧州諸国と同じく、都市人口が過密だ。全人口における都市人口の割合は主要30か国中でドイツは6位だが日本は22位(United Nations 2005 World Population Prospects: The 2004 Revision :Wall Chart)。持ち家率に関しては日本の60%以上に対し、ドイツは30%台となっている。ドイツの都市部は集合住宅ばかりであり、人の密集度は日本以上といえる。


本当は広い日本の住宅 : gooリサーチ

1人当たりの住宅床面積は、アメリカ(65平方メートル)、イギリス(44平方メートル)に対して、日本(36平方メートル)と、最下位ではあるが、それでも大きな差があるわけではない。


一人あたりの住宅面積はアメリカ・イギリス・フランスの先進三カ国と比べると最下位だが、途上国やお隣の中韓よりも広く、別段狭いわけではない。日本の借家は狭いというが、人口過密の首都圏や土地のない沖縄の借家が狭いと言ったほうが良い。


「棺おけ部屋」に120万人が暮らす香港 華やかな発展の陰で2011.08.03 CNN


だから、これら事実を有耶無耶にして反日な人々のように、潜在失業率は高いだの東京の借家は世界的にも狭いだのと嘯き、日本は不幸な国家と標榜するのは間違っている。


これらのデータだけで世界各国を調査をすれば、日本が幸福度や住みやすさで1位になっても不思議ではない。日本国内にしか判断基準を置かない反日な人々とは視点が違うが、それでも日本が上位になれない理由がある。


◆一人あたりの公園面積


日本の全国平均8.4%に対し、ドイツは首都ベルリンでさえ27.4%もある。
私が今住んでいる町もドイツでは都会だが、徒歩圏内に広大な森林公園がある。土日は人が多くなるが、平日はだだっ広い芝生を貸切とのこともあり、日本では味わえない贅沢な気分になる。
最近の日本でもBBQが流行っている様子だが、ドイツではBBQ可能な公園も多い。散歩やジョギング、サイクリング、日光浴、球技、読書と公園は様々なレクリエーションの場となっている。


平成14年度末都市公園等整備の現況について 国土交通相



平日貸切のような公園


◆自殺率


諸外国と比べても多く、10万人に対する日本の自殺率は101カ国中8位、先進国では第一位となる。
自殺率と相反するするように日本の精神病患者は先進諸国の中でも少ないが、精神科に対する抵抗感、日本人本来の辛抱強さも加味されるべきで、他国と比較できるものではない。
むしろ、日本の自殺率の多さは日本人特有の責任感、更には仕事に対する捉え方の違いから生じているように思う。実際に、会社人間になっている中年男性の自殺率が日本は高い。


図録▽自殺率の国際比較


◆労働時間


中年男性が自殺する要因は仕事関連だが、労働時間からも家族より仕事中心になっていることが分かる。
先進諸国の中でも日本の労働時間は長い。更に、表に出ないサービス残業も含めた労働時間は比較にならないほど高くなる。本来は日本でもサービス残業は違法だが、ドイツは明確に違法としている。ドイツでは、残業代を払えない企業は振替休日で調整しているから、日本人より遥かに労働時間が少なくなる。


◆休日数


日本は、労働時間だけではなく休日も少ない。週休日や祝日数は先進諸国と大差ないが、有給は年平均8.5日とドイツの31.2日と比べても格段に少なく、更に男性社員は冠婚葬祭くらいでしか利用できない会社も多く、実質ゼロといえる。


厚生労働省:日本及び諸外国の労働時間等に関するデータ

年間総労働時間の国際比較(製造業生産労働者、2003年)


年間休日数の国際比較


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数値だけで分かる日本の問題点として以上が挙げられるが、それ以外でもドイツと比べて無計画で統一感のない都市景観、乱雑な室内環境は精神衛生上問題に思える。もっとも、これは個人的な見解であり、タイや中国のような混沌とした場所が好きな人には落ち着く環境だろうか。
とはいえ、歩道もなく道幅の狭い道路は危険過ぎる。乱立する電柱は、大地震に耐えられない。景観はどうでも良いとしても、日本の無秩序な都市開発は安全面の観点からみると問題に思える。



数値で分り辛い部分は個人的見解に陥りやすいが、労働環境や居住環境を除けば、それでも日本は世界屈指の幸福で住みやすい国であるし、仮にこれらを含めたとしても、途上国や中韓等の周辺諸国に比べれば遥かに良い環境といえる。


日本が幸福で住みやすいと感じる部分は人それぞれとして、多くの人々が共感できることは何だろう。


◆食


例えば、食がメインの人生だったなら、日本しかないように思える。
食のランク付けでもっとも信頼のあるミシュランガイドが、日本で星を乱発したことからも分かるが、日本は世界一の美食国家といえる。評価基準は全世界で統一されているというから、日本人の食への拘りが尋常でないことが分かる。
確かに、ドイツに長いこと住んでいても、美味しい料理店を見つけるのに一苦労する。無論、食にコダワリがなさ過ぎるドイツ故かもしれないが、日本では田舎の食堂でも画一化チェーン店でも、安い値段でドイツの高級料理店以上の味に出会えるから、ミシュランガイドの評価も当然といえる。


◆便利度


便利さにおいて、日本以上の国はない。日本の労働効率、生産性は諸外国に比べ悪いと言う人も多いが、内実を知らない主張にすぎない。


当日記内関連記事:日本のサービス業における生産性の高さ

日本のサービス業における生産性の低さ*1が指摘されているが、そもそも日本のサービス産業と海外のサービス産業を同じ土俵に立たせるのは意味が無い。
サービスとは“奉仕”であるが、その語源は“スレーブ(奴隷)”に由来する。日本のサービス産業はその名の通り“奉仕”の部分が多い。理髪店が良い例だが、海外の理髪店は髪しか切らないが、日本の理髪店は洗髪、洗顔、髭剃り、整髪、マッサージと至れり尽くせりだ。
外食産業も分かりやすい。日本と海外のレストラン比較だけでも以下の差異がある。


日本――――――――――――――――――→海外
お絞りが出る――――――――――――――→何も出ない。手はトイレで洗うしかない
飲料水は無料で飲み放題―――――――――→飲料水も有料でソフトドリンクと同程度の価格
店によってはお替り無料―――――――――→無し
和食に多い小皿―――――――――――――→ 一皿の盛り付けが殆ど
ソース等の調味料を豊富に取り揃える―――→基本的にテーブルには塩と胡椒のみ
チップは無し――――――――――――――→チップが必要
客待ちの時は立って待たなければならない―→奥の控え室か客の席で座って待機
トイレは無料――――――――――――――→デパート内のレストランの場合、有料
ほぼ毎日営業――――――――――――――→日曜が休みとの場合が多い
来客数が多い――――――――――――――→来客数が少ない


以上から何が分かるだろうか。日本のサービス産業は見えない部分が多い。海外と日本のサービス産業生産性比較は、単に海外の価値観で概算しているに過ぎない。
即ち、メニューに載っている商品の客単価と従業員の給料から算出しているだけだ。この場合、日本の生産性は著しく低いと判断される。しかし、上記の様なサービスを金に換算した場合、日本サービス産業の生産性はかなり高いものとなる。
理髪店は髪を切れば良いだけなのだろうか。レストランは食事を出しさえすれば良いのか。車はただ走れば良いのか。
全てに言える事だが、経済にしても短絡に結論を導くと本質が分からなくなる。


とはいっても、便利さの代償によってサービス提供者の仕事は増え、労働時間も長くなり休日も少なくなるのだから、現状では顧客とサービス提供者は WIN LOSE の関係でしかない。モンスタークレーマーは、サービス過剰に陥った日本が生んだ弊害であり、他国には存在しない。
もし、サービスに対する日本人の価値観が別方向に行けば、どうだろう。例えば、サービスの充実=マンパワーとの考えから脱却するのもよい。
確かに、人手によるサービスは顧客に対して満足感を与えるが、ハイテク化された社会では人だけがサービスを行えるわけではない。工場がオートメーション化されたように、サービス業や営業職もできないだろうか。日本は自動販売機のハイテク化という世界でも希なサービス業のオートメーション化を構築した。ASIMOに代表されるように、ハイテクロボットを量産する日本人なら、少し意識を変えれば出来ないことはない。


新型ASIMO、3人同時の注文も認識


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サブカルチャー


日本のアニメ、ゲームは世界的でもある。アニメは言うに及ばず、ゲーム市場は任天堂セガソニーと日本勢が独占している。
日本の大型ショッピングモールのゲームセンターでは、小さな女の子までもがトレーディングカードを片手にアーケードゲームに興じている。情操教育上どうかとは思うが、このような国は他にない。そもそも、アーケードゲーム自体が殆ど存在せず、有っても日本のゲームセンターから仕入れた何年も前の中古しかない。


◆若者の独創力


昨今、草食系だのゆとり世代だのと言われている若者だが、他国の若者と比べると、日本の若者はエネルギーに満ち溢れている。


最近では車に興味を持たない日本の若者が増えてきているようだが、日本の若者による改造車は今でも世界の若者の憧れでもある。ハリウッド映画「ワイルド・スピード3」の舞台が東京だったり、最近では、ディズニー映画「カーズ2」でも東京が扱われた。


日本人の中には日本は斜陽国とさも知ったように言う輩がいるが、秋葉原だけではなく、日本の若者文化が栄え活気に満ちている町は他国には殆どない。渋谷のような危険な雰囲気の若者が集う町はあっても、原宿のような若者ファッションの町もない。
趣味も個性も多彩な日本の若者の創造力、エネルギーは非常に大きい。若者文化が好きな人には、日本は最高の国に思える。


オタクは今や世界語となったが、日本のサブカルチャーだけではなく、中韓とは異なる独特の伝統文化は今でも世界の人々を魅了している。韓流と違い国策やイカサマではなく世界に通用する日本の文化力を、日本人はもっと評価するべきか。



今後の日本が世界最高に幸福で住みやすい国になるのは、そう難しいことではない。インターネットの力による反日思想の除去、労働環境の改善、公共投資と都市計画。少なくとも、この三点さえ改善さえすれば可能だ。
日韓通貨スワップ協定による五兆円もの韓国支援からも分かるが、その為の資金は豊富にある。


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