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2011-11-14

はてなブログ始めました。

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「神様と僕と毎日と。」


はてなブログを始めました。

音楽や本の紹介をしつつ、日記みたいなものをかいていこうかなと。

こっちはどうするんだって話ではありますが。

まあ、そのあたりはおいおい考えます。

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2011-07-22 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

初めて会った時のことを、実はよく覚えていない。

確か大人数の飲み会の席で、だったと思う。

挨拶を交わした程度で、あまり多く話してはいなかった。

その時は遠くに座っていたから、なかなか覚えていないけれど、

人の話によく笑って、よく相槌を打つ人だなあと思っていた。

次に会った時はもう少し話していたのだっけか。

とにかく、人の話を転がしてツッコむのが上手い人だった。

ボケるのが上手い人は結構いるけれど、ツッコむのが上手い人って、

実はそうそういるものじゃない。

こういう人と話していると、話がどんどん乗ってくるものだ。

からドラムの達人だと聞いた時、僕はとても納得した。

まり、人のリズムを作るのが抜群に上手い人ってことだ。

彼と話している時は、いつも話が面白い方向に転がっていく気がした。

今になって、もっと話していたかったと、強く思う。


その後、紆余曲折を経て、一緒に音楽をやることになった。

彼のドラムは、やはり、抜群に上手かった。音楽の知識もすごかった。

からこそ、一つ一つのコメントが厳しかった。時々、怖いほどだった。

でも、真摯だった。本当に。

そう、何にも対しても、いつでも真摯だった。

いろんなことに真剣だった。本気だった。

遊ぶ時は全力で遊んだし、やる時は全力でやった。

から中途半端で、言い訳をする人を許さなかった。

いつも一緒にいたわけではないから、わからない部分ももちろんあるけれど、

少なくとも僕が見ていたのはそういう部分だ。だから彼を信用できた。

彼の言うことに頷いていた。彼のやることに重みを感じていた。

もしかしたら彼が、僕の不甲斐ない部分を見て苦々しく思ったことも

一度や二度ではなかったかもしれない。

ただ、それを流さずに向き合ってくれる人だという、信頼があった。

そうだ、もう一つ言うとするなら、

彼は、人を褒めることや、物事を嬉しがることが得意だったし、

自分も含めて、人に対して、そうしようと働きかけていた人だった。

みんな、そう感じていたのだと思う。そこを信じていたのだと思う。

からこそ、彼の主催したイベントに多くの人が関わり、

あれだけ面白いものになったのだろう。


知らせを受けた時は、悲しいという気持ちではなかった。

驚いているかどうかもよくわからなかったし、信じられないということでもなかった。

から通夜に向かっている時も、しんみりとしていたわけでもなかった。

何というか、ただ、何にもわからなかった。

そんな気持ちで、友人たちと会場に向かった。

からこそだ、だからこそ、

あの、彼の遺影を見た時の、僕の気持ちったらなかった。

だって、そこに写っている彼の表情といったら、

僕らと笑い合っている時の優しい笑顔でもなくて、

ドラムを叩いている時の楽しそうな顔でもなくて、

あの、真面目な顔だったのだから

もちろん、遺影がおかしいとか、そういうことを言いたいわけじゃない。

僕にとって、あの顔は、僕らを楽しませる顔だったからだ。

あの顔で、真面目ぶったことをやった後に、ちょっとおどけてみせて、

僕らを笑わせたあと、したり顔をするのが彼のお決まりだった。

僕にとって、彼の真面目な顔はそういうものだった。

彼がそういうことをする時は、きまってあの顔だった。

その顔が、通夜の遺影に使われていたのだ。

あれは、僕にとっては、僕らの反応を待っている時の顔なのだ。

僕はそれを見て、胸が詰まった。目頭が熱くなった。

悲しさと驚きと寂しさが一気に胸に押し寄せてきた。

それと同時に、なんだか、いっぱいの悲しさに交じって、

どこか微笑んでしまうような気持ちが、心の中にそっと浮かんできた。

まるで遺影の中の彼が、次の瞬間、

「なーんてね……」って微笑みかけてくるんじゃないか。

僕らの神妙な顔を見て、びっくりしたような表情になるんじゃないか。

そういうふうに、僕には見えて仕方なかったからだ。

からなのだろうか、通夜の間はずっと、彼がそばにいるような気がしていた。

座ってお経を聞いている時も、焼香をしている時も、彼に手を合わせた時も、ずっと。

神妙な顔をしている僕らに、すまなそうにしていたのかもしれない。

湿っぽいのは自分には似合わないよと、苦笑いしていたのかもしれない。

一緒に行った友人が、会場のお寿司を食べようとしてぐちゃぐちゃにしてしまい、

僕が飲みかけていた烏龍茶をむせて吹きだしかけた時、

何をやっているんだ、と笑いながらあきれていたのかもしれない。

本当にそうだったかはわからない。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

もう、それを確かめるすべがないんだ、ということに、その時になって、やっと気付いた。

ただ、そこで、僕はようやく、わかった気がした。

ちょっと早かったのかもしれないけれど、確かに、彼は、向こうに行ったのだと。

そして僕はそのことに対して、「わかった」と、彼に伝えなければいけないのだと。


帰り道に、あなたの訃報が流れていたのを見た。

初めてそのことを知った人がたくさんいた。

たくさんの人が、あなたを悼んだ。

たくさんの人が、悲しんだ。

たくさんの人が、思い出を話した。

それだけ、あなたはたくさんの人と繋がって、たくさんの人に愛されていた。

あなたのことを、知っている人が生き続ける。

あなたのことを、これから知る人もいるだろう。

あなたのことを、みんなが愛していくのだろう。

ファンキーなドラムを聞く度に、

美味しい魚を食べる度に、

一緒に行ったところに行く度に、

いろんなところで、みんながあなたを思い出すだろう。

でもそれはみんなが寂しがってるってことじゃなくてさ、

あなたがまだみんなの中で生き続けてるってことでさ、

からみんなはあなたのことをずっと忘れないんだ。


そういえば、一つ、思い出話がある。

彼が、「ディナーショー」を成功させるちょっと前の話。

僕は彼と一緒にご飯を食べながら、熱心に話していた。

そこで僕は、そんな楽しそうなイベントに出れないことが正直悔しいと言った。

それは変なところで目立ちたがりな、僕の気まぐれだった。

すると、僕に対して、彼はこんなエピソードを話してくれた。

自分が出演して欲しいと声をかけた人はみんな、

「それっていつ、どこでやるの? 予定を確認してみないと……」

などとは言わず、「わかった、やれることをやる」と即答してくれたと。

それがとても嬉しかったし、みんな無茶だなあ、と思ったと。

そう言い終わったあと、僕にあの真面目な顔をして、

いつか声をかけることがあるかもよ、と言って笑ったので、

(そう、あなたはいつもその表情で僕らを笑わせてくれたのだ)

僕は、「わかった、やれることをやる」と言う準備はいつでもできているよ、

と彼に伝えたのだった。


でもまあ、最初最後のあなたからのお知らせは、

いくらなんでも、ちょっと急に過ぎたから

「わかった、やれることをやる」とあなたに伝えるのに、

ちょっとだけ時間がかかったことを、どうか許して欲しいんだ。

あなたは僕らを見て、ちょっと困ったような顔で、向こうからこっちに

申し訳なさそうに手を合わせてるような気がするから

(いや、本当は手を合わせるのはこっち側なんだろうけど)

「急なんだよな、本当に……」とは思ってるけど、

自分にやれることをやっていくよ。


なつめさん、おつかれさまでした。今度は、向こうで遊ぼう。

あなたとバンドを組めなかったことを心残りとは思わない。

それは、もっと後の、お楽しみにとっておくよ。

次に会えるまではちょっと長くなるかもしれないけど、じゃあ、また。

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