共喰い 感想

話題作、「共喰い」を観てきました。観客は、年齢層が結構高めでした。それもそうで、R15だからかなー。

・菅田くんの演技が思った以上によかった。綾野剛ファンの私は、菅田くんが売れ始めてることに少し嫉妬と焦りを感じてたんですが、あの演技を観て納得しました。
・円がクズ過ぎた。とにかくあんな男がいたら、ぶっ飛ばしてやりたいくらい。最低の男。現実にいたら存在も認めたくないだろうな。
・映画観る前はなんでこの映画の魅力の一つとして「女が強い」っていうところをやたらとプッシュするのか分からなかったんですが、やっとわかりました。人は一人で生きていけないし、男は結局女がいないとダメだし、女も男がいないとダメだし「さよなら渓谷」と同じようにみんな誰かを求めあってるのだと思います。
・琴子さん(篠原さん)の声が色っぽい。普通に喋ってるだけなのに、壇蜜さんみたいな魅力がありますね(*´∀`*)
・木下美咲ちゃんがいい。23才なのに覚悟決めて脱ぐとはたいした度胸を持ってるな、と雑誌のインタビューを思い返しながらじっくり観てました。あの子はきっとこれからいい女優さんになるだろうな。
・仁子さんが円を殺しに行くときの恐ろしさといったら・・・。誰も本気で止めようとしないところもすごい。
・千種は円に犯された後にもうちょっと取り乱していいと思う。いくら彼氏のオヤジでも嫌だと思う。
・結局、男ってやることしか考えてないよね。それを抑えるのが真の男だと思う。
・女をなめたらあかん。
・琴子さんに性的な魅力を感じていたまぁくんはラストで琴子さんに手を出してしまうあたりにびっくり。千種どこいったの!?って感じでした。まぁ最後はあれでしたけど。
・横移動のカメラワークが観ててわくわくした。この先何が映し出されるのか・・・!みたいな感情が湧いてきました。
・子供っぽく、尚且つ気色悪くウナギにしゃぶりつく円が本当に気持ち悪かった。
・結局、この性癖ってスリルを求めてしまう感情から生み出されてしまうのかな、と。
・自分が男だったら、性欲はもちろんあると思うけど、この性癖はまずありえないと思う。女を苦しませるのだけは、絶対に嫌。ましてや、自分だけ快楽を求めようなんて。
・クズ度としては、まぁくん<円かと。だけど、首を絞める性癖にはやっぱり理解できない。
・まぁくんはオヤジが本当に憎いのかいまいち分からなかった。家族で過ごしたがるし、最後には一人でここに住むのかと思うと違和感があるみたいなことを言い出すしそこを深く知れたらもうちょっと見方も変わるかも。

Twitterで感想を漁ってて気付いたのが、タイトルにしっかり意味があること。まさかウナギの件にもそんな意味がこめられてるなんて何にも気付かなかったので、自分の読解力のなさに嫌気がさします。田中慎弥さすがだぜ。あと、この作品はロマンスポルノっぽいと言われていて、なるほどなー、と。私はその時代に生まれていたわけではないので、そういったものがあったのは知っていたんですが、これを観てなんとなくどんな雰囲気かわかりました。でも、いやらしすぎないのであっさり観られました。高校生くらいは平気だと思うけど、R指定でこれを観られないからといって原作に手を出すとかなり性描写がストレートなので、そういったものに慣れていない中学生はまだ手を出さないほうがいいかも。私は年齢的にもOKですが、結構読み終わった後と観終わった後にずんと来るものがありました。果たして、作者は何を伝えたかったのだろうか。もう一度、読み解いてみようかな。

共喰い (集英社文庫)

共喰い (集英社文庫)