4通目 沈む身体

ルアアと生活して3ヶ月 時間とは早いものだな
今まで軍の中では友達と呼べるものがなく寂しかったが
ルアアがいてくれて本当にうれしい

デッキブラシの扱いも だいぶ上手くなってきた
戦闘での実践もそこそこだが教えることは大体教えた

すべてが実感できる 生きると言う事はまさにこのことだ

この時間が永久に続けられたら 私はどれだけ幸せなのか

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でも、そう簡単には物事は上手くいかない

ある日 私たちの乗っている船に一通の電報が届いた
急な内容なので電報なのだろう 

私はそんなに偉くはないので電報までは手が出せない

でもその日はやけに上司や船長が慌てている様子だった
私はいつも通りデッキブラシを構え見張りをしていた

船長
「ちょっと皆、集まってくれ」

「何だろう?」など口に言いながら船員全員船長室に集まった
うちの船隊はだいたい10名なのでそんなに多くない
船長室には多少のスペースの余裕がある

元々、この船長 かなり昔は海の暴れ者(ギャング)だったらしい
目元のには沢山の傷がある 私は女なのでそんなに傷はつけたくない
性格は大らかの人でとても頼りになる 今でもこの船では3割この人のお陰でランクが少し上なのだ
それに、優しい この人は私の御父さんみたいだった
実際、『御父さん』って昔間違えて読んでしまったが彼は笑っていた

船長
「皆、集まったか。 ケロン軍海軍本部から連絡が入った 皆心して聞くように。」

読むのはこの船で船長の次に偉い海軍少佐だった このケロン人少佐、実は私の本当の父だったらしい 死んでからようやくわかった

ミムムの父
「では、読み上げるぞ。 ・・・ケロン軍海軍346番船、他の船にも緊急でこの電報を打った内容は他者とは異ならない では本文に入る先日ケロン軍の戦場データによりB−46番ででは激戦が続いている。 至急、其方の海戦力を求む。」

また戦争か・・・ 一気にその場の空気はは沈没した

船長
「・・・・またか。軍にも呆れたものだ、本当に・・・昔と全く変わらんじゃないか」

船長がそんなこと言って良いのだろうか? はじめは思ったが同感である
ため息をつきながら船長は船員に命令を下した

船長
「至急、B−46番地に、舵をとれ いいか?これは戦争だ、一刻も早くこの戦争を終わらせる、我らの力がどんなにひ弱でも・・・な」


船員全員 船長室を出た

出るとき船長は
「我々は軍の玩具『おもちゃ』、か」と呟いていた

ルアアは不安そうな顔をしていた 実際、実戦は初めてであり経験も浅い

ルアア
「先輩、これからどうすればいいんですか?」

ミムム
「どうすればいいかは、船長にまかせな。あの人がこの船全員の命を預かってくれるくれるから 私たちはその命令に従う手駒だから、ね?」

正直、私も怖かった 内容が余りにも酷いというか
昔・・・そう海軍は海を守るのが本来の役目なのに
戦争の手駒になるなんて思っても考えてもいなかった

憧れた存在が今こういう形で何かが崩れ始める、そんな気がした





それなのに、私は・・・何故?

戦場にいるはずなのに・・・・どうして?



また暗く冷たい海の底・・・・どんどん沈んでいく

さよなら・・・私 体という形を持った私

ここでお別れだね・・・・ 楽しかった?

この人生、胸はって『楽しかった』って言える?


???
「ツマンナイ・・・ツマンナイよね?」

ミムム
「だ・・れ?」

???
「今は良いじゃない、そんな事。 ここで死ぬなんてつまらないよね?」

ミムム
「し・・・死んだ? 一体・・・誰が」

???
「あれ〜気づいてないの? あんただよ、あ・ん・た」

嘘だ・・・・嘘だ!!
そんなの嘘に決まっている

夢だ・・・夢なら・・・

ミムム
「覚めて!!」

???
「あはは、無理無理 覚めないよ〜、ね?ドロシェール」

赤い女は愛用の武器を撫でながらくすくす笑っていた

???
「あんたはもう人では無くなったの、分かるぅ〜?」

ミムム
「ば、馬鹿なこと・・・言わないで、私は わたしはまだ・・」

死にたくない


でもそれは二度と叶わなかった

一体 私を殺したのは  だれ?

嗚呼解った 人ね 愚かな人ね・・・

ミムム
「怨んでやる・・・わたしを殺した奴を・・・」

その時から私の身体と精神は段々と黒く染まっていった

                              続く・・・