*「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」

あまりに長いタイトルに舌をかみそうだ。冒頭にタイトルが出なくて(見つけられなくて)、何の映画観ているんだろ?(5本一気借り)、そもそもどんな映画? 観ていても主人公が死に(これは珍しいがたまにある)、主人公バトンタッチ。そして15年後。おぉー主人公の赤ちゃんが高校生、3部作かぁ−!?。しかし長いなこれ・・・などと観ながら悩むことしきり。
 ようやくのエンドマークにタイトルが「THE PLACE BEYOND THE PINES」。何このタイトル・・・もしかして聖書などに宗教的意味? しかしググれば全く違った。舞台となる(つまらないクソのような町)の名がニューヨーク州スケネクタディ(Schenectady)。このネイティブを英語に訳すと「THE PLACE BEYOND THE PINES」なのだそうだ。
 ラスト、親元を離れる決心をしたジェーソン少年が父親同様、バイクにのって「松に囲まれた街」を出ていって、「松の向こうの土地」に行ってしまうシーンは印象的。確かに松の木、いっぱい生えてた。
 そもそもこの映画を借りる気になったのは夕刊の映画評だった。サーカス一座のバイク乗りが、去年訪れたこの町でたまたま自分に子どもがいることを知るや、その子のためにサーカス一座を止め、その子のために生きていこうとする・・・
 監督のシアンフランスとゴズリングは、観ていて死にたくなる『ブルーバレンタイン』に次ぐコラボ作なのだが、この二人意外に「家族」とか「親子愛」という一貫したテーマで作っているのかも知れない。
 考えさせられる1作でお薦めする。