*微妙やなあ・・・『殺しのナンバー』

 スパイ映画として頂点に立つ「007」シリーズ。その第一作が「007は殺しの番号(後に「ドクターノオ」になる)」だった。それを意識しているのだろうがいただけない。原題を調べれば「THE NUMBERS STATION」こちらもこのままではNO GOODだ。とりあえず『殺しのナンバー』としておけば、分かる人なら分かる! とでも配給会社はふんだんだろうか。それにしてもカーアクションもなければハイテク戦でアッと言わせたりもしない、地味で低予算で作られた映画である。
 だが、そこが良い! という人もいるだろう。物語は任務中に標的の娘に殺害を目撃され、仕留めることができなかったため、イングランド東部にあるCIAの乱数放送局へと飛ばされたエージェントの話である。その男に何かと政府機関役の多いジョン・キューザック、ずいぶん色男も歳をくった。送信係は暗号作成をするのでその道のエキスパートの女性が行う。こちらはマリン・アッカーマン。キューザックはその護衛役。この男女ペアがもう1ユニットいて3日間交替で勤務する。ある日謎の武装団に襲われ、秘密を知ってしまった送信係を殺せとCIA本部から命令が下される・・・。さあキューザックは・・・?
 思えば『上海』も微妙な映画だった。日米開戦前夜という設定や渡辺謙が出ていなければ完全スルーだったと思うが、ロードショーで観た。こういう方がスパイ物としては、リアリティがあるのかもしれないな。