*『モノレールねこ』(加納朋子著)

 女流作家を読まない。まして未読で評判になってもいない本を。・・・それでも読むことになったのは、多少の自由時間があって、そこにこの本しか無かったから。
 まぁ表題は注意をひく。何だろう、モノレールねこって・・・? 背表紙で短編集と知る。この表題作は、しかし特に仕掛けがあるわけでもなく、捻ってあるわけでも無く、まるで高校の文芸誌をよんでいるように、はかなくエンディングを迎える。
 次の「パズルの中の犬」は、女性らしい温かさ・温もりを感じる作品だ。悪者は出てこない。こういう本は小中学校の図書室に目立たず置いてあって、読書好きの少女がたまに出会うべきなのだと思った。タイトルは、しかし、どうにかならんのか・・・最後の「バルタン最期の日」はタイトルは良いんじゃないか。ただし物語の展開は読めてしまうのだけれど。

モノレールねこ (文春文庫)

モノレールねこ (文春文庫)