鍛錬句会

mf-fagott2008-12-01昨日、『街』の句会に参加しました。
9月以来2回目の参加ですが、前回同様、いや、前回以上に中身のぎっしり詰まった有意義な時間を過ごすことができました。
「鍛錬句会」という名の通り、その場で出された題で20分ほどで句を作って提出という句会を立て続けに三回行うというハードな会で、緊張感の持続を強いられますが、真剣さの中に和やかな雰囲気もあって、実に楽しいのです。
不思議なもので、「俳句界」に投句しようとするときは何時間かけてもいつもロクなのができないのに、こういういい意味での緊張感の中に置かれると、何かに押されるようにポンと思いがけない作品が出てくるものなんですね。やはり、自分を追い込むっていうことは時には必要なんだなあ。
提出される句は、こんな句会を何度も経験している方たちの句なのですから、さすがにレベルが高く、しかもその数が多いのです。それを短時間のうちに全部読んで選句するというのは、句を作るのと同じくらい集中力が要求されます。息継ぐ間もないくらい…
今井主宰の選は、よくまとまっているけれど平凡な句より、荒削りでも可能性や魅力を持った句を拾い上げます。ですから入選句に対するコメントには、その句のどこが良かったかだけでなく、こうしたら良くなるというアドバイスが多く含まれていて、なるほどと教えられます。「完成品を出すのが句会ではない」という言葉が印象的でした。


『街』No.73より、部外者の僕に今回もまた温かい声を掛けて下さったお二人の句。


母歌ふ金魚の水を替ふる時    松野苑子
片蔭のところどころの昔かな    石田義風


主宰の、「青」と「海程」を論じた文章(「個性」から「方法」へ 二誌の意義)も興味深く読みました。
そして次の句。


プール監視の太股見ゆる息継ぐ間   今井聖