フレンズ〜月美(Mayちゃん)編〜
深夜、台湾の友だち・Mayちゃんから電話がかかってきた。
十代の時からの友人で、大阪への留学がきっかけで知り合った。
Mayちゃんの実家は台湾の高雄で、彼女は正真正銘、素朴な高雄っ子。
実はMayちゃんとわたしは同じホストファミリーのお世話になっていた。
日本語学校も同じなのに、あまり会わなかった。
わたしはホストファミリーと一緒に住んでいたが、
Mayちゃんはホストファミリーが持っているビルに住んでいたから。
お正月になると、Mayちゃんが挨拶にやって来るのだ。
その時にお互いの1年間分のことを話し合っていた。
その後、別々の大学に入ったし、
わたしが先に卒業して台湾に戻ったので、やはり会う機会が少なかった。
でも、なぜか仲がいい。
Mayちゃんは日本の大学を卒業後、台湾に戻って仕事したけど、
半年ぐらいで急にイギリスへ英語を勉強しに行った。
そして約10ヶ月後、また台湾に戻って仕事をした。
今度はイギリスのある大学の教授から手紙をもらって、
大学院に入学させてくれるというので、彼女は再びイギリスへ。
もちろん頑張ってマスターを取って卒業した。
Mayちゃんは年に1回か2回ぐらい電話くれる。
わたしは台湾に戻った時も、彼女はイギリスに行った時も。
Mayちゃんは現在、台湾の新竹(筑波みたいなところ)で仕事をしている。
時々、出張で日本にくる。
10年たってもMayちゃんのおとぼけ振りは健在。
前回、出張の前日にうちの留守電のこんなメッセージを残した。
「明日から東京へ出張するので、
土日はmiaomiaoん家泊めてね。じゃね!」
わたしはすぐ折り返しの電話をしたけど、彼女と連絡が取れなかった。
Mayちゃんから再び電話をもらったのは、うちに来る2時間前だった。
「今から行くね」って。
わたしが留守だったらどうするつもりって聞く気にもなれなかった。
そして仕事を終了したMayちゃんは買物を楽しんだ。
彼氏のために無印でズボンを買ったけど、
穿けるかどうか心配なので、うちから彼氏に電話した。
電話を終えたMayちゃんは怒っていたから、
どうしたの?と聞いたら、
彼氏に「お前が穿けるなら俺も穿ける。」と言われたらしい。
Mayちゃんは「ひどいでしょ!信じられない!」といいながら、
彼氏のために買ったズボンを穿いてみた。
「おぉ、大丈夫よ。わたしも穿けた。」
だって。
わたしは絶句だった。
これだけじゃなく、台北のわたしの実家へうちのママを訪ねに行った時、
うちの住所を忘れて、どのアパートか分からず、
1軒1軒ベルを鳴らしたとか、
わたしと会うときに、服が裏返しになったとか、
とにかく爆笑させられ、呆れさせられることが多い。
こんな親友のMayちゃんだけど、彼女のおかげで色々癒された。