一箱古本市と新刊書籍のご紹介




岡崎京子さんによる挿絵(夏目雅子


10月も半ばとなりました。先週末の3連休は、私は谷根千での一箱古本市や、横浜でのラテン・ビート映画祭に行ったりなどして過ごしました。一箱古本市はあいにくの雨でしたが、どのブースもずいぶんにぎわっていたようです。みちくさ市でお会いした岡崎武志さんも、千駄木往来堂の前に出店されていました。そんな岡崎さんの箱で見つけたのは、四方田犬彦の『ドルズ・ハウスの映画館』(悠思社)。この本は、四方田さんが1988年から92年まで新聞の折り込み冊子に連載していた短い映画コラムを収めたもの。表紙と本文中には岡崎京子さんによる挿絵が入っていて、真っ赤な正方形をした、とてもかわいらしい本です。


他にもいろいろとおもしろそうな本を見つけましたが、今回は家を出るのが遅くなってしまい、すべての会場を回りきることができませんでした。前回のみちくさ市で『川崎長太郎抄』を出品していたという〈つん堂〉にも、残念ながらうかがえず。……次回こそ、早めに行きたいと思います。


さて、そんな3連休も終わり、港の人では新刊の刊行が控えています。10月15日には写真評論家の飯沢耕太郎さんによるアフリカ紀行『石都奇譚集』(サウダージ・ブックス編集)、11月上旬には鎌倉の歴史と地理を考察する郷土本『『とはずがたり』の鎌倉』(鈴木良昭著)、11月中旬にはこれまた飯沢耕太郎さん編による『きのこ文学名作選』を刊行します。


なかでも目玉は、『きのこ文学名作選』。本書は、きのこ文学研究家としても活躍する飯沢耕太郎さんが、数多の日本文学のなかから、珠玉の「きのこ文学」16作品を集めたきのこアンソロジーです。今昔物語集などの古典から、詩、小説、童話まで、きのこを描いた文学作品を堪能できる一冊です。そしてブックデザインを手がけるのは、デザイナーの祖父江慎(コズフィッシュ)さん。実は祖父江さんも大のきのこ好きということで、快く本書のデザインを引き受けてくださいました。私はまだ見本を見せていただいていないのですが、きのこの絵もたくさん収めた、あやしげで摩訶不思議な本ができあがる予定です。


また、10月21日(木)にはジュンク堂池袋本店で飯沢耕太郎さんときのこライターの堀博美さんによるトークイベント「メタ・メタ・キノコトークサブカルチャー編)キノコが世界を変えてゆく!」が開催されます。会場では、新刊の『石都奇譚集』も販売しますので、ぜひお越しください。



****

メタ・メタ・キノコトーク サブカルチャー編 
―キノコが世界を変えてゆく!


飯沢耕太郎(写真評論家)×堀博美(きのこライター)
■日時  2010年10月21日(木)19:00〜
■会場  ジュンク堂書店池袋本店 4階喫茶
■入場料 1000円(ドリンク付き)
■定員  40名
■受付  1階サービスカウンターにて。電話予約可(03-5956-6111)
http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20101021ikebukuro




ドルズ・ハウスの映画館

ドルズ・ハウスの映画館