『悩む力』

悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)


自分が学生時代(まぁ今もですが)、きらびやかな生活を謳歌するまでもなく、色々迷走しつつ云々と悩んできたことについて、今でこそ「よく悩んでくれた!」と思えるのですが、やっぱり当時はとっても苦しかったです。

そして姜さんの「過去の自分はこうだった」という回顧に、私も大共感!

孤高の「自分の城」を築いて、そこから外をひっそりと眺めていたこともあるし
他人に承認されないことを思って嘆いたり
社会のレールに従って働くことを卑しく思ってmixiでそのことを吐露して先輩とガチ議論へ進展したり… ウフフフ 色々扱いにくいヤツだったなぁ。(今もだけど)

時にはうんうんと頷き、時には今思い起こすとワァアァァアと顔を覆いたくなるくらい恥ずかしいことをしてたなぁと、まぁ色々思い出しました。

で、この本の私なりに見出した軸は

  • 信じきれるものを自分で見出すこと
  • 結局何を信じるかは自分が決めるんだから、「私」についてとことん考えてみること
  • だけどその自我を全面に押し出して「築城」するんじゃなくて、他人との相互承認が必要。人は「ひとり」では生きていけないから。

だと思います。

最後について、それは「自分を折ることじゃないの?」とよく私も思ったことがあるのですが、それについて姜さんはシンプルにわかりやすい言葉で補足をしています。
「他人を承認するということは自分を曲げることではない。自分が相手を承認して、自分も相手に承認される。そこからもらった力で、私は私として生きていけるようになったと思う。私が私であることの意味が確信できたと思います。」

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この本のレビューからは離れるのですが、私が大好きなマンガ家の羽海野チカさんもダ・ヴィンチの取材でコレに通じたことを話されてたな。

ダ・ヴィンチ 2011年 09月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2011年 09月号 [雑誌]

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

羽海野さんのマンガは本当に「ガチ」で問いかけている。悩むことが中途半端じゃない。そしてキチンと悩みながらも足を進める必要性を、しっかりと描いている。
それは何も悩んでいない人に説教する形ではなくて、同じように色々云々悩んでいる人に「それは悪いことじゃないよ、大事なことなんだよ」って手を差し伸べる感じで書かれている。

詳しくはダ・ヴィンチ9月号へ。10円刻みの違いでお昼ごはんをどれにしようか云々と悩む自分が、立ち読み5分後速攻レジへ向かうくらい、濃くてボリュームの厚い内容ですから。