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みちの雑記帳

2011-05-30 ミステリ・マガジン7月号にはゲゲゲと西部劇が混在!

[]ミステリ・マガジン7月号にはゲゲゲと西部劇が混在!

先日飲み会で会った友人が持ってるの見てほしくなり、帰りに駅の本屋で、ミステリマガジン(7月号、ハヤカワ書房)を買いました。
この雑誌を買うのは随分ひさしぶりです。

表紙には、「ゲゲゲのミステリ」という特集タイトルと鬼太郎のカットが載ってます。
ゲゲゲの女房」に、水木しげる氏がハヤカワミステリを買い集めて愛読していたとあったということで、幻想と怪奇という視点から、水木漫画と海外ミステリの共通点を見出そうという趣旨らしいです。
特に明確なつながりがあるということではないようですが、掲載されているのは、カットナーとか(この人は知らなかったが)、マシスンとか、ウェルズとか、ホジスン(映画「マタンゴ」のおおもとの海洋怪奇小説「夜の声」の作者)とかの短編で、いかにもそれっぽい感じがあって、わたしとしてはたいへん興味深いです。

だいぶ前、水木しげるの作品集の文庫を読んだときに、ちょうど、同時期に読んだ海外の小説とほぼ同じものが立て続けに出てきて、これはこれじゃん!となかなかすごい発見をしたような気になった記憶があります。

ひとつは、H・G・ウェルズの短編で、異世界に通じる緑のドアが見える男の話。
「塀についたドア」(「ウェルズSF傑作集1」創元推理文庫所収)
もうひとつは、ロシアのゴーゴリによるもので、でっかいまぶたの怪物が出てくる怪談。
ヴィイ」(「ロシア怪談集」河出文庫所収)

どっちも19世紀の作家による作品で、奇妙な味わいのある幻想小説です。

ということで、元の方はわかるけど、肝心の水木漫画の方がいまひとつタイトルなどがはっきりしませんでした。人から借りたかなんかで読んだので、手元に物がないし、記憶も曖昧だったのですが、ちょっと検索してみたら、二つともわかりました。やはりネットはすごいですね。

「丸い輪の世界」(昭和41年):「幻想世界への旅 <妖怪ワンダーランド(3)>」(ちくま文庫)所収
「異形の者」(昭和39年):「水木しげる 奇談 貸本・短編名作選 異形の者・吸血鬼」(ホーム社漫画文庫)所収

ということで、まだ読んでないのですが、今回の特集「ゲゲゲのミステリ」に選ばれた海外の短編も、多分にそうしたテイストのものだと思われます。

<追記・6月7日>
読んだので、内容を紹介します。

★おなじみの悪魔 The Devil We Know
ヘンリイ・カットナー著(1941年) 中村融
仕事のシニア・パートナーの死を望み、結婚を間近に控えて愛人の存在も邪魔になった男カーネヴァンは、悪魔アザゼルと契約を交わす。アザゼルはカーネヴァンの望みを叶えるのにはっきりとした代償を求めなかったが、実は別の思惑があった。青白い楔形の顔の小悪魔アザゼルがなんともユニークで憎めない。真に不気味なのは彼につきまとう謎の物質。紡錘形が怖い。

★事前通告 Advance Notice
リチャード・マシスン著(1952年) 風間賢一訳
火星人襲来のSF小説を書いていた作家は、やがて、自分のフィクションが現実となっていることに気づき、それから先が書けなくなる。

★魔法の店 The Magic Shop
H・G・ウェルズ著(1903年) 宇野利泰訳
いつのまにか路地に現れた骨董品店に足を踏み入れた父と幼い息子。2人は、奇術師のような手さばきで不思議な品物を次々と出して見せる店主に魅了されていく。が、店内のあまりにもただならぬ様子に、父はやがて疑惑と嫉妬を抱き始める。

★漂流船 The Derelict
ウィリアム・ホープ・ホジスン著(1912年) 小倉多加志
中国へ向かう客船が海上で遭遇した古い漂流船。船乗りたちは、乗船を試みるが、一面ぶよぶよした白いカビで覆われた船体は、不気味にうごめいて彼らを襲う。船のまわりを取り囲むように浮かぶ茶色の灰汁のようなどろどろとした浮きかすも実に気色悪い。海で漂流しながら朽ちていき、異様な姿と化した船のぬらぬらしたイメージが強烈に伝わってくるのがすごい。

で、それとは全く無関係に、小鷹信光氏の「私のアメリカ雑記帖」という連載があって、今月号は、「西部劇広告切り抜き帖全十巻」ということで、氏が若い頃に切り抜いた西部劇の新聞広告が、写真は小さいけど、興味深い惹句の紹介などとともに解説つきで載っています。
ついでに氏が選定したエルモア・レナードの西部小説も掲載されています。

★女にはわからないこと Jugged(Original Title: The Boy from Dos Cabezas)
エルモア・レナード著(1955年) 小田川佳子訳
駅馬車用の馬を売りに町にやってきた19歳のピートは、結婚して1年になる17歳の妻メアリ=エレンがいたが、せっかく稼いだ金を酒場で使い果たした上に酔って保安官に連行される。留置場でいっしょになった男は、オビー・ウォードという悪名高い無法者で、ピートを脅して脱獄に協力させる。ピートは勇気を奮い起してある決意をする。
ベテラン保安官と浅はかな助手の対照もおもしろく読ませる。
※原題は、ミステリ・マガジンには表記無し

小鷹氏と言えば、ハードボイルドの専門家。
「ハードボイルド以前」という著書で、西部劇のヒーローであるガンマンが、フロンティア消滅後に、西海岸でハードボイルドの探偵になったということで、アメリカのヒーローの変遷を書いています。私の中ではこの説がいたく印象に残っています。

ミステリマガジン 2011年 07月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2011年 07月号 [雑誌]

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