映画「寝ても覚めても」を見る

寝ても覚めても
2018年 日本 ビターズ・エンド=エレファントハウス 119分
監督:濱口竜介
原作:「寝ても覚めても柴崎友香
出演:丸子亮平/鳥居麦(東出昌大)、泉谷朝子(唐田えりか)、串橋耕介(瀬戸康史)、鈴木マヤ(山下リオ)、島春代(伊藤沙莉)、岡崎伸行(渡辺大知)、平川(仲本工事)、岡崎栄子(田中美佐子

★どんな話か、あらすじ書いてます★

大阪で学生時代を送っていた泉谷朝子は、写真展で出会った鳥居麦(ばく)と恋に落ちる。
が、麦はある日突然いなくなり、朝子はその痛手を負ったまま東京に出てきてカフェで働く。
コーヒーの出前先の酒造会社で、朝子は麦に瓜二つの青年丸子亮平と知り合う。
自分を見て不自然な反応をする朝子に、亮平はどんどん惹かれていく。朝子は亮平から離れようとするが、やがて二人はつきあうことに。
5年後、麦のことは忘れて、今は亮平が好き!と言っていた朝子だが、そこに売れっ子モデルとなった麦が姿を見せるや、彼女はあっさり亮平を捨てて麦についていく。のだが、結局、麦はやっぱ違うと思って、亮平の許に帰ってくるのだった。という話。
麦と亮平は、東出の二役である。
麦は風来坊であまり周りのことは考えない自由人だが、それと対照的に、亮平は気さくな関西人で真面目なサラリーマンで気配りの利く人で、ひょろっと背の高い体つきも含め、かなり感じのいい青年である。
ヒロインの魅力がよくわからなかった。ある種こういう女性が好みの男性にはたまらないタイプなんだろうかと想像するしかない。でも、朝子が、麦と再会するや否やなんのためらいもなく彼についていくのは、そういうものかもしれないと思ってしまった。
撮り方がすぐれているということで、映画を作る人が見るといろいろ面白いらしい。
麦が朝子の住むアパートにやってくるちょっとホラーなとことか、麦と別れて東北の防潮堤の上に立つ朝子とか、走る亮平と追う朝子の延々と続く超ロングショットとか、人によってはだいぶよいらしいのだが、わたしとしては悪くはないけどそんなでもなかった。
ちょっとの間はぐらかしてじらすようなところや、思っていたのとちょっとだけ違う展開に持っていくようなところがあって、それが通り一遍でなく新鮮なのかもしれない。
震災直後の人が路上にあふれている様子はああ、あのときはこうだったと瞬時に当時を思い出させるものがあるし、終りの方、亮平を追ってきた朝子が家の玄関の扉を叩いて待っていると、ドアが開いて捨てたはずの猫がぬっと差し出されるところも、猫好きではないが、とても気が利いていると思った。そういうところがいいのだろうなと思うのだが、だからといって、「ここ、すごくいい!」というところはなかった。

寝ても覚めても [DVD]

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