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2012-07-01 日経ビジネスオンラインとKDDI R&Aに記事掲載

[][] 日経ビジネスオンラインとKDDI R&Aに記事掲載 14:16

もう7月ですね。日経ビジネスオンラインに「ほぼ月例コラム」が掲載されました。

シリコンバレーが見た日本のベンチャーは実は“元気”:日経ビジネスオンライン

それと、KDDI R&Aに寄稿したレポートもちょうど掲載されましたので、こちらもどうぞ。

「米国のパーソナル・コミュニケーションの今」

キャピタリストキャピタリスト 2012/07/01 18:51 NBオンラインのコラムを読ませて頂きました。ご指摘ごもっともで、全くそのとおりだと感じます。
一つだけ付け加えさせていただきたかったのですが、日本のベンチャーが「ゾンビ」のような状態になってしまう理由の一つは、起業家個人による個人保証もあるのではないかと考えています。成長資金を間接金融に頼ることの負の側面あるように思います。直接投資を増やさないと、やめるにやめられないゾンビが増える、ということではないでしょうか。

2012-05-11 「コンプガチャ問題」に見る新興勢力の危機管理と矜持

[][] 「コンプガチャ問題」に見る新興勢力の危機管理と矜持 14:12

今週は出張していたので、例のソーシャルゲームおよびコンプガチャに関する件はROMしていただけだったが、遅ればせながら私の考えを一応まとめておきたい。

ソーシャルゲーム各社を叩く論調が多いが、ベンチャーの芽を次々と摘み取る役所への不満の話なども聞こえてくる。

私個人としては、グリーやDeNAを「人格攻撃」ならぬ「社格攻撃」をする気はない。せっかくベンチャーからここまで頑張ってきたのだし、世界で戦おうとやり始めているところで、ここで踏ん張ってほしいと思っている。遅きに失したが、それでもbetter late than neverで、かろうじて事前に自主規制したことはよかったと思う。

ベンチャーが出発するときには、既存のシステムに挑戦するがために、法律的にはグレーだったり網の目だったりするところを通るのもある程度仕方ない。グーグルだってフェースブックだって、今でもプライバシー問題などで、年がら年中戦っている。私が昔いたベンチャーも、結局潰れてしまったが、まーいろいろあったので、今でも外部の人は悪名の部分しか覚えていないだろう。

そして、そういう新興勢力をけしからんから潰そうという人たちがたくさんいるのは所与である。過去のリクルートやライブドアの件を見てもわかる。「だって、役所がー」と泣き言を言っても始まらない。過去から教訓を学ばなければいけない。

そして、一方では儲けなければいけない、という点もこれまた仕方ない。

何が正しいとか正義とかは相対的なものだ。線の引き方は人によりけりだし、なんとでも言える。ただ、この一連の事件を通して、ベンチャーが陥りがちな穴と、その危機管理対策というのも見える。

ぶっちゃけた言い方をすれば、そういった敵に負けないぐらいの「味方」勢力を作っておけばよい。やり方はいろいろあるが、王道は「お客さん」を味方につけることで、このお客さんがメインストリームに十分な数存在し、その人達が「このプロダクトがなくなったら困る」と心から支持してくれるようになれば、メディアもサポートするようになり、そう簡単には潰されなくなる。

以前のエントリーで、フェースブックに関する本の書評を書いたが、その中でザッカーバーグがマイスペースを評して言った引用がある。

「そこがシリコンバレーの会社とロサンゼルスの会社の違いだ。われわれはずっと長く使われるサービスをつくる。この(マイスペースの)連中は何ひとつわかっちゃいない」

理念がなければ成功できない - 「フェースブック 若き天才の野望」 - Tech Mom from Silicon Valley

マイスペースは、早くから広告による換金化を目指して、この頃にはかなり「ユーザー優先よりも金儲け指向」に陥っていた。フェースブックだって、いろいろ叩かれる材料もありながら、一方では「アラブの春はフェースブックが起こした」と言われるほど、(少なくともアメリカの世論やメディアから見て)社会的役割を果たしている。「高値どまりしているものをもっと安く広い範囲の人々に」だったり、「言論の透明化」だったりなど、多くのメインストリームの人の共感を得られる理念を新興勢力側が提供することができれば、その見えない力を援軍として戦うことができる。

日本のソーシャルゲーム各社が、メディアで問題が出だした頃から早めに自主規制する一方、「自分たちはこれだけ世の中の役に立っている」ということを胸を張って言えたらよかったのに、と思う。しかし、「法律に違反してない」だけでは言い訳に聞こえるし、たとえ議論でねじ伏せても、それを聞いている人たちが感情面でも納得しなければ味方にはなってくれない。現在のお客さんはどうやら、いわゆる「メインストリーム」ではなく、かなり大きいながら「ニッチ」な存在。結局は役所や古いマスコミだけでなく、ネット世論でも支持されず、援軍はどこからも来なかった。「味方」のアセスメントを見誤ったといえるだろう。

「役所やマスコミの圧力に対する危機管理」というと功利的に聞こえるが、みんなはバカじゃないので付け焼刃ではダメ。儲かったお金を震災対策に寄付するとかいう一時的な話ではなく、本業における自分たちの強みを活かして、どうやって社会に役立てていくか、ということを本気でやらないと、短期的には儲かるかもしれないが、長期的に生き残ることは難しい。

シリコンバレーはそういう文化があり、日本ではそんなキレイゴトをバカにする傾向がある。でも、日本でもホンダやソニーやソフトバンクは、それなりのキレイゴトを本気で心に持ってやってきている(かつ、うまくそれを外に対してもアピールしている)と思う。薬品ネット販売の件も、必ずしも直接のお客さんではないメインストリームの人々が、「理念」の部分で新興勢力の味方になった例だと思う。

日本のモバイルゲームのリーダー各社は、世界の同業者からお手本として見られる存在でもあり、もうベンチャーではなく立派な大企業である。日本のモバイル通信業界の将来のためにも、矜持をもって、長期的な発展のできる方向に行ってほしいと思う。

タッチペン店長タッチペン店長 2012/05/29 04:01 問題があるとすれば、株価の低下が定番化している点。
東証1部へ行ったklabでさえ最安値に行きました。
コナミなどの旧大手も難しい状態。回復まで待たなければいけないと思う。

2009-09-15 厳しいぬるま湯 あるいは ベンチャー・スター誕生 TechCrunch50雑

[][] 厳しいぬるま湯 あるいは ベンチャー・スター誕生 TechCrunch50雑感 23:51

昨日・今日はTechCrunch50に行ってきた。今年で3回目の開催だが、私は実際見るのは初めて。AMNのWISHについて書いたりしたので、本家ともいえるTechCrunchに行ってみようか、とふと思い立ったからだ。日本からも、Ustreamで見ていた方もおられることと思う。

見慣れている商業コンファレンスと比べ、強烈な「コミュニティ」感が圧倒的に会場を支配している。どのコンファレンスでも、多かれ少なかれ、そういった「専門家集団」のコミュニティ感が漂っているし、またTechCrunchだって、いいベンチャーを見つけて大もうけしようと思っている人たちがわんさか来ている「商売」なのだけれど。

なにしろ、私が「パラダイス鎖国」でも書いた、シリコンバレーの「厳しいぬるま湯」の正真正銘正統派本家本元なのである。

世界中から膨大な数の応募者(よく聞き取れなかったのだが、応募は1200社と言っていたような?)があり、そこからここにたどりつくまでの「ベンチャー・スター誕生」予選は厳しい。最後まで残っても、壇上でこき下ろされることもある。見ている人もTwitterでこきおろす。

しかし、例えば昨日、「Eye of the Tiger」の音楽とともに派手に衣装を着て登場したゲーム関連ソフト会社iMOのおにいちゃんが、iPhoneがネットにつながらずデモが失敗していったんひっこんだときには、「これは彼らが悪いんじゃない、(WiFiが提供できない)ボクらのほうが悪いんだ。もう一回チャンスをやってくれ。」とJasonが言い、その日の午後に再度挑戦。再登壇時には、会場中が熱狂的な手拍子と歓声で迎えた。また、このiMOはインド、他にも韓国、南米、フランスなど、英語が母国語でない人たちも多かったが、「英語が下手だと悪口をTwitterで書かないでほしい。逆に、もし自分が英語圏以外のところでプレゼンをやったら、どうなるか、考えてみてくれ」とJasonから会場へのお願いもあった。

あまたのベンチャー企業応募者の中から、最終予選を勝ち抜いたファイナリスト50社が壇上で一社6分のプレゼンテーションを行い、それをベンチャーキャピタルやすでに成功したアントレプレナーなどの有名人が「エキスパート・パネル」となってその場で批評する。

前日に収録されたポッドキャスト「TWiT」に出演したJason本人によると、ファイナリスト50社に対し、Jasonが数週間かけて事前にプレゼンテーションのコーチをするそうだ。普通、ベンチャーキャピタルに対するプレゼンでは、ビジネスモデル、現在までの資金調達状況、創業者のプロファイルなどといったことをこまごま言うのだが、ここではそうでなく、「プロダクト」を紹介することに徹することにしており、ついつい「VC向け」のプレゼンをしてしまう各社に、ひとつひとつJasonがダメ出しをしていくのだそうだ。

「アメリカンアイドル」式に厳しいことも言うが、全体的には割りとやさしいな、と私は思った。

その一つ手前の一次予選を勝ち抜いたセミファイナリスト100社は、会場に場所を与えられて展示を行う。ここでも、エキスパートの人たちが親しく話をしている。

日本からは、今回は残念ながらファイナリストはいなかったが、セミファイナル参加者としては3社ほど見つけることができた。

ちなみに、日本企業のセミファイナリストは

  1. LIFEmee
  2. SpySee
  3. TC-3 Group

の3社。1と2はそれでも一応ちゃんと会社になっているが、3の人は「2人でやっていて、ここに来るのに飛行機代は親に出してもらった」という。(内容詳細はTechCrunchのSerkan Totoの記事ふみさんの記事などを参照してほしい)他のベンチャーでも、似たり寄ったりのところがいっぱいある。

なんともいえない、ベンチャーの匂いが強烈に漂う。主催者であるJason CalacanisとMike Arringtonのスタイルといっていいかもしれない。世界のどこからでも参加できるし、オープンだし、でも、この同じ体臭を持つ人たちしかなじめない、はいっていけない、一種独特の「自己閉鎖」的なコミュニティなのである。

今年初めて参加したので、私は昨年などと比べてどうかとは言えないのだが、Jasonやエキスパートによると、昨年までと比べ、今年のベンチャーはレベルがより高く、また無駄遣いなどせずにしっかりやってきているところが多い、との感想だった。個人的には、世間で「Web2.0」の典型と思われており、本来ならばより「華やかでスケーラブルでベンチャー的」であるはずの、エンタメ系、メディア・広告、お友達SNS的なものの「発展形」のものが「古臭く」見え、一方ローカルビジネス向けやヘルスケア関連などといった、スケーラビリティにはやや欠けるけれど「地に足の着いた」ものが面白く感じられた。結局、大賞を受賞したRedBeacon社も、そうした「ローカルビジネス向け」の地味ながら地に足の着いたビジネスである。消費者向けに無料でまずユーザーをたくさん獲得、という風潮から、「地に足」系へと流行が移っている。特に、「中小企業」がキーワードのように感じた。

プレゼンテーションの中でも質疑応答の中でも、また展示会場のほうでも、「不況だからどーの」という話がそういえばひとかけらも出なかった。ちょうど、リーマンショックからまる1年。淡々と、いつものように、今日もベンチャーが創業し日々を戦っている。

f:id:michikaifu:20090913211257j:imageJasonとMike

f:id:michikaifu:20090914213611j:imageKevin RoseとTim O'Reilly(エキスパート・パネル)

f:id:michikaifu:20090914044517j:imageiMO