『昴』曽田 正人2000/06〜小学館


昴は人生の殆ど最初からバレエ、躍ることを通してしか人と交われないのが類い稀な画力で描かれています。現在休載。
去年10月の作者のインタビューがあったのでコピペ。

Q「昴」、なぜあの終盤ですばるが恋愛に走ったのか気になったんです。

A あそこで描きたかったのは、今後の「昴」にとってはすごく重要な所なんですが、一瞬心が通じたような気がする相手に「生き方が違う」って言われたら救いがないですよね、そうすることですばるに覚悟を決めてもらいたかったんです。
あの体験によって、すばるが「私にはバレエしかない」ということをもっと考える人間、もっとドライな、冷たい人間になっていけると思ったんです。

この後、すばるにはアメリカからヨーロッパに、バレエという世界ではガチガチに厳しい、外国人、それも東洋人なんかは要らないって言われる場所に行ってもらいたいんですが、そうした世界に行く時にすばるには完全に醒めきった、覚悟を決めた状態で行って欲しいと思ったんです。
逆にそこで全く正反対の、すばるが氷だったら太陽のような性格のライバルが出るとまた面白いのかなって思うんですけど、すばるには本当に突き詰めて欲しいんです。
やっぱり彼女が向かう世界って、失うモノが何もない、つまりなんだってやる強い人間、凄味を持った人間にならないと突破できない世界だと思うんです。
逆にカペタはすばると正反対で、周りの人から様々なサポートを得ていくんですけど、守るべきモノが増えていくことでもあるので、その重圧とも戦っていくことになるんですけど、それも面白く描いていきたいです。


今度「昴」の続きを始めるとき、必ずやりますけど、そうしたライバルを作ってから始めたいんです。
すばるって、僕はジョン・レノンのつもりで描いたので、次はポールを描かなきゃいけないんですよ(笑)。そのキャラが描けたら、僕はどっちが主役でもいいと思っているんです。お互いコイツに勝てるなら死んでもいいという存在、「昴」では一生懸命そいつの事ばっかり考えていて、終わってから1年ぐらい経っちゃいましたけど、ようやくちょっとずつですけど出来てきた感じがします。