『耽美なわしら 完全版』森 奈津子 ２００４/０２ フィールドワイ上下巻各１２２０円

『新宿二丁目のほがらかな人々』に並ぶ「風邪や体調悪い時に読めて元気になる本」です。少なくとも私の周囲の女性3人は肯くのですが、男性では試したことありません。

「内容は官能シーンなしの同性愛コメディです。
　ノンセクシュアルの美青年（職業・百合小説家）に恋をしている、ゲイの学生作家が主人公。
　他に、バイセクシュアルの売れっ子漫画家、レズビアンのギャグ漫画家などが登場し、毎度毎度、妙な事件が起こります。」
とは著者の言葉で偽りなしです。

こんなハードな設定の中ギャグをかませるモリナツの客観力は凄い。

そして法律学科出身だけあっての文章もところどころに。
「読んだ作品のために時間と金を費やした者が陰で偉そうなことを言う権利は、日本国憲法第十九条、第二十一条で保障されている」

また「相手のことが好きなら何をやってもいいと思っているわけ？　迷惑をかけてもいいと思っているわけ？　志木のことが好きだからって、志木のまわりをフラフラしたり、ぼくに嫉妬して、ぼくのまわりをフラフラしたり！　」
「志木のことが好きだっていうあんたの気持ちがどれだけ尊いっていうんだよっ？　ぼくや志木に不愉快な思いをさせた時点で、あんたの気持ちは純粋なものじゃなくなったんだからねっ！」

こういう当り前をハッキリ表明してくれるところが大好き。

ノンセクシュアルの人は周りにいないのですが（他は居るのか？と言われると…）、そういう感じなのかなと想像もしました。

でも冗談通じない人は読んじゃ駄目ですよ。
そしてメールでセクシャリティを虚仮にした題材を日記に載せないように！と注意したくなる人も…。
読まなければ良いのです。
無いことにして下さい。

◆◇ ◆◇　◆◇

『ナ・バ・テア』の装丁、また美しいですねえ…。

休日出勤でかなりに先輩が落ち込んでいたので、ちょっと上の先輩の発案で「ビール一杯」ひっかけて帰ることになった。そしたら、「歌いたーーい！！」と叫ぶので先輩を立てる為にカラオケヘ。「わたしははうたいませんよー、盛り上げはいたしますが」「満ちるは飲み食べ専門で良いから」で後ろから付いていく。

そしたら、そこにはあがた森魚もフリパもかなり充実しているではないの。（一人で来よう…）でも皆は氣志團やら「ボヘミアン」やらを靴を脱いで椅子の上にスタンディングを私にも強要。先輩方は足を振り上げてパンツまでみせ、食事を運んできたお兄さんまでタンバリンでお出迎え。私は　「おかしな二人」を歌う位しかしませんでした…。たった1時間で酒精もなしで、すっかりリフレッシュして愛する旦那と子供の家に帰っていく偉大な先輩をお送りして今日の”仕事”は終了。

明日もサバトなんだろうか…。

明日に向かって牧場物語で箱庭療法でもするか『法月綸太郎の功績』で苦悩をシェアするか、どうしようかな。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

2ちゃんねる版ミステリ初心者に勧めるこの１冊

『空飛ぶ馬』→うん、読んだ読んだ。北村薫、いいよねー（以下、「スキップ」や「ターン」の話題に）
『占星術殺人事件』→うん、読んだ読んだ。島田荘司、凄いよねー（以下、金田一少年の悪口に）
『姑獲鳥の夏』→うん、読んだ読んだ。京極夏彦、ハマっちゃったよ（以下、京極キャラの話題に）
『生ける屍の死』→うん、読んだ読んだ。山口雅也、かっこいいよね（なぜか、話題が続かない）
『十角館の殺人』→うん、読んだ読んだ。館シリーズ、全部持ってる（以下、法月や有栖の話題に）
『虚無への供物』→うん、読んだ読んだ。中井英夫、最高（なぜか、話題が続かない）
『黒死館殺人事件』→うん、読んだよ。感想？うーん…（結局、他の話題に）

『空飛ぶ馬』→「きしょいぞーこの主役の女！　いや、おもしろかったけどさ」「読む前に言ったろーが」
『占星術殺人事件』→「これ金田一であったじゃん」俺「読む前に言ったろーが」
『姑獲鳥の夏』→「重いから読んでねえ、勘弁」俺「もっと重いのあるって！人殺せるくらい！」
『生ける屍の死』→「名前覚えられねええええええ」俺「同感」
『十角館の殺人』→「これ、前読んだ星降り山荘並に面白かった！他のやつ寄越せ」俺「貸してください、だろ」
『虚無への供物』→「俺は500グラム以上の本は読めないんだよ！」俺「500……判るのか？」「当たり前だ！」
『黒死館殺人事件』→「お前これ読めたの？」俺「読めるわけねえだろ」