ドッグレッグス「20」

4月29日に北沢タウンホールドッグレッグス
20周年記念興行「20」を見てきた。
障害者プロレスっていうことで当然に今まで非難は多かったはず。
パラリンピックのようなキレイな感動では決してなく
「障害者を見世物にする」どころか健常者が障害者を真剣に殴って
流血することさえある興行。
しかし自力で起き上がることもできない重度障害者が勝負に
執念を燃やして連発するキック。
立ち上がる足を持たない障害者が鍛え上げられた上体で
華麗にリングコーナーから飛び降りる攻撃。
テレビでは見れない熱い試合が20年間も続いている。


今回は前回の12月の興行でデビューした若くてスラっとした
美しい女性聴覚障害レスラーがやっぱりまた驚きのパンチ力。
相手はまたやたら太っていてしかし執拗にフラフラ迫ってくる
知的障害男性レスラー三村と、美女と野獣対決。
会場の誰しもが美しい彼女をつい応援してしまう状況で
三村は執念を見せるのでやはりそれはそれでまた応援したくなる。


そして、今回は古参障害者レスラーのゴッドファーザーの息子
フジタJrハヤトがみちのくプロレスから参加。
相手のken45℃がまたワルカッコイイ。これは障害者プロレスとは
また種類の違う迫力で、格闘技超スゴイ!


それから何と言っても、当日の会場のアンケートに書くのははばかられたが
私の見たところ、会場の女性客の大半に強いインパクトを与えたのは
陽ノ道VS胸男のときの、陽ノ道の入場場面だったのではないか。
胸男は大学の相撲部でケガをして胸から下が麻痺している。
対する陽ノ道は容姿爽やか聴覚障害者カメラマン。
試合の条件を合わせるために陽ノ道はベルトで両手両足を拘束されて戦う。
それであなた、入場の場面では
その拘束ベルトを装着されたまま
ドッグレッグスで最もイケメンで長身できゃあステキな聴覚障害の高王に
抱きかかえられての入場ですよ。
ちょっと言葉に出すのははばかられるトキメキが湧き起こるのはやむを得ない。
そしてそんなひそかな萌え気分を粉砕するかのような
激しい頭突き対決。頭蓋骨の強くぶつかる音は怖い。

最後の試合は3人対3人のタッグマッチ。
そのうち3人は健常者(ひきこもりとラマンの妻を含む)で
ラクルヘビー級(最重度障害者)の女装レスラー愛人(ラマン)も参加。
拘束もなく、ルールは各自のプライドに委ねるってどうするんだと思ったら
ちゃんとミセス愛人は夫にバシバシ蹴りを入れていた。

次の10月の興行では最古参の障害者レスラーのサンボ慎太郎と
北島代表が戦って、勝ったほうが引退するという。
サンボのすごい関節技の炸裂が見たい。