水分山 (みくまりやま)

吉野水分神社




    神さぶる 磐根(いはね)こごしき み吉野の 水分山(みくまりやま)を 見ればかなしも


                      万葉集 巻7ー1130



     神々しい岩のごつごつしているみ吉野の水分山(みくまりやま)を見ると
     深い感動を覚えます。






昔、万葉人の愛した吉野とは、下市、大淀から、上流の宮滝、菜摘、川上にかけての吉野川流域を中心とした一帯のことで、今、観光地として名高い桜の吉野山は、万葉集には一首も詠まれていません。
水分山も、宮滝辺りから眺め、喜佐谷を登って行ったら、この山並みが分水嶺であることや、岩のごつごつした神々しさ、しみじみとした感慨など実感できるのでしょう。



    水分神社にあった万葉歌碑。陶器で出来ているようです→






この度の吉野山散策の途中、宮滝への分岐の道を見て、行ってみようかな、という誘惑に駆られましたが、わがツレが、ゴツゴツした山道、特に下りが苦手なもので断念しました。

宮滝に、川魚を供する宿が一軒あるらしいので、機会があれば、吉野川の鮎など味わいがてら行って、喜佐谷を途中迄でも登ってみたいと思います。









吉野水分神社界隈



蔵王堂近付近から水分神社が鎮座するあたりと思われる方向を写してみる。
上千本から蔵王堂や街並みがよく見渡せたのに、下からは花矢倉も小さな集落も
緑の中に深々と埋もれておりました。