思ひ草 (ナンバンギセル)




道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらになど 物か思はむ


     万葉集 巻10−2270



道の辺のすすきの下でひっそりと咲く思い草のように、私はあなた一人を頼みに思っています。
今さらどうして物思いなどいたしましょう。







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万葉集の中で『思ひ草』を詠んだ歌は、この一首しかありません。
以前、小石川植物園で初めてナンバンギセルを写した時に一度投稿したのですが、この秋、もう少し(私としては)まともなのが撮れましたので再びの登場です。都合よくススキの前が芝生でしたから、腹這いになって写しました。


8月頃に、箱根の湯坂路、浅間山の辺りのススキの根元には、オオナンバンギセルが咲くそうです。ぜひ見たいものと思い初めてより幾年月。何せ暑さに弱いうえに虫刺されアレルギー。躊躇している間に今年も季節が通り過ぎてしまいました。


ハマウツボ科 ナンバンギセル属   ススキや茗荷などに寄生する。