唐棣花 (はねず)




唐棣花(はねず)色の 移ろひやすき 情(こころ)なれば 年をそ来経(ふ)る 言は絶えずて



     萬葉集 巻12ー3074



(あなたは)ハネズ色のように変わりやすい心を持っておいでなので、お見えにならぬまま年を経てしまいました。
言づてだけは絶えないけれど。




 はねず(唐棣花・朱華・翼酢)は、庭梅(ニワウメ)のこと。他に木蓮、柘榴という説もあるそうです。
中国原産で、観賞用として古く日本に渡来した落葉小高木。
はねず色は、すぐに色が褪せるので、恋心の移ろう状態の比喩に使われています。






       
 二、三日前から庭梅が咲き始めました。
 この花が咲くと春が来たなぁと朗らかな気分になります。
ささやかな庭も、この花が満開に咲き乱れる頃は、如何にも「朱華」と云う名に相応しく華やぎますが、ポツリ、ポツリと咲く様も愛らしいので写してみました。
「くっきり鮮やかに」と「暖かくやさしく」で撮りましたが、如何でしょう?








梅雨の頃、1cm程の実が赤く熟して甘く、食べられます。



うかうかしている間に、庭の蕗の薹が立ってしまって・・・ この二ヵ月は、何やってんだか〜な毎日でした