皆さんこんにちは。
まず最初に言わせてください
よしゃあああああついにやったあああ
・・というわけでついにJCS本戦で上位64位に残ってJCSライブ大会とWCSの権利を手に入れることができました。
いや2009年から始まって2020年何故か届いたのに届いてなくてここまで届くのに15年と本当に長かったですが自分としては結果を出すのは半分で構築の理論の提出を持って
全てが完了するものだと思っているので今回もしっかり構築記事を紹介していこうと思います。
今回の構築は実は2月頭のがにゅオフの段階ですでに8割ぐらいは完成していて、この時のがにゅオフでは3位入賞、3月のJCS予選でも86位で2月とは別にボーダーまで届いていたりと自分が作った構築の中でも屈指の平均成績の高さを誇ります。
逆を言うと2回目で抜けた瞑想ライコ軸の構築を何の躊躇もなく公開したのは、この構築が裏に控えていたからという背景もあります。
1.概要
一言で言えば何でもできる構築です。
自分は剣盾時代にダイマックスの選択肢を残したポケモンを多数採用して幅広いプランを持つ構築を好んで使っていましたが、今回の構築はその考え方をSVに落とし込んだものとなります。
今回はテツノコウベの追い風を起点として追い風を軸にしたアグロプランと瞑想タケルライコを中心としたコントロール系の動きを中心に大きく二つのプランがあり、そこからさらに派生した様々なプランを持つ構築となっています。
1-1.ハイブリッドな性質を持つポケモン達
この構築最大の特徴はアグロ用のポケモンとコントロール用のポケモンを別々に採用せず、両方をこなすことができるポケモンが多数採用されていることです。
その最たる例が拘り鉢巻を持ちながら鬼火を採用したヒスイウインディと考察記事でも基本性能からしてハイブリッドな性能であると紹介したゴリランダーの2匹であり、その他にも追い風の起点であるテツノコウベも攻めのプランだけではなくバークアウトによって眼鏡ハバタクカミやブリジュラスを始めとしたライコが瞑想を積む前に重たい特殊打点を入れてくる相手に対しての支援を実現していたりと、プランの切り替えに出すポケモンそのものを変えるのではなく、順番や使う技の方針を切り替えるようにできています。
これにより、レギュレーションFの環境に存在する数多の構築に対する何かしらの立ち回りの回答を手に入れています。
1-2.正解の選出を選ぶ精度要求
レギュレーションFの多数の構築に耐えられるレベルの柔軟性を構築に求めた結果ある程度の代償も存在して、正直言って自分が作ったこれまでの構築の中で一番選出ルールが難しいです。
理論上絶対無理という構築はほとんど存在せず何かしらの答えは持っているのですが、ポケモン1匹あたりに多方面の仕事を与えていて対面に対してどの仕事を採用するのが正解なのかという組み合わせのパズルを間違えたら簡単に負けてしまいます。
正直調整している時も、一部ポケモンの型を変更して細かいプランを変えただけで選出の正解が部分的に変わってしまい再調整が大変だったり、違う構築を使って間を開けて再度使ったら選出の間違いで負けが込むみたいなこともありました。
大枠としては追い風アグロプラン、中速アグロプラン、コントロールプランの3つに分かれてそこから派生するわけですが、詳しくは3.選出モデルで話をしようと思います。
1-3.対瞑想ライコの考え方
今回の構築は鋼打点も毒打点も用意していない為、フェアリーテラスを切ったライコを分かりやすく処理できるポケモンがおらず、構築単位の細々とした部分にライコやその取り巻きを崩す要素を採用して結果的に勝てるように構成されています。
自分も瞑想ライコを採用しているので、同じ土俵で勝負するのかと言われるとそんなこともなく、同じことを仕掛けるとガオガエンとウインディの差がモロに出て不利になりやすいです。
というのも、ガエン側が一方的に猫騙しでライコの行動を止めに行けるので瞑想を積む速度で負けやすかったり、ウインディは基本的にガエンライコに対して攻撃以外の行動がとれないのに対してガエンは捨て台詞があるのでこちらだけ一方的に鈍ります。また、回数サイクルを回す上でもウインディの方が特殊耐久が低い関係でお互いのライコの竜波動が被弾した時にガオガエンよりウインディが先に疲弊することからも隣を消耗してしまうのはどうしてもこちら側になってしまいます。
拘りトリックをどこかしらに採用出来たら少なくとも一方的に蹂躙されることはなくなるので瞑想ライコで勝負ができましたが、その他のバランスを歪めずに採用することができませんでした。
となると他の手段で瞑想ライコを崩さないといけないのですが、逆に瞑想ライコが露骨に弱点を突かれる以外で倒されるパターンには何があるのでしょうか?
大きく大別すると二つ存在します。
1.早期に威嚇役が倒されてその後に出てきたゴリランダーに上からウッドハンマーを打たれる。(ゴリラはチョッキも持っているし迅雷も抵抗なのでライコ側が瞑想1~2回積んだ程度では流石に勝てない)
2.パオジアンorハバタクカミと水ウーラオスに集中されてテラスを切っても切らなくても致命傷を受ける殴られ方をする。
以上から、初手に出てくるガオガエンをゴーストテラスウーラオスの水流連打で致命傷を入れてガオガエンを早期処理することでタケルライコを崩せるが威嚇に弱いポケモンを早期に動かせるようにすると十分にライコを倒すことができるわけです。
特に今回の初手でゴーストテラスウーラオス、後続のゴリランダー+パオジアンの構図を作ると1と2の崩し条件両方を採用することができます。
また、襷+礫のパオジアンや地面テラステツノコウベなど型の選択決定において細かい部分でタケルライコに強い型を採用することを意識しています。
2.個別解説
テツノコウベ
*ステータス
201-*-108-143-115-158
*調整
火力
大地の力で155-131テツノドクガを14/16で1発
大地の力で202-101ヒスイウインディを13/16で1発
物理耐久
204カイリューの災いの剣鉢巻タイプ一致神速を15/16で耐え
200ウーラオスのテラス水流連打*3耐え
183ヒスイウインデイの75%鉢巻岩雪崩耐え
特殊耐久
187ハバタクカミのムーンフォースを14/16で耐え
187ハバタクカミの75%眼鏡マジカルシャイン耐え
187ハバタクカミの眼鏡テラスムーンフォースを等倍で受けて14/16で耐え
205イーユイの災いの勾玉オーバーヒートを13/16で耐え
203サーフゴーの75%眼鏡テラスゴールドラッシュ11/16で耐え
207タケルライコのプレート迅雷を15/16で耐え
S
最速ウガツホムラ+1
*概要
一番メインの運用がアグロプランである追い風の起動役です。
アグロプランだけではなくトルネロスブリジュラスやイエカシラを始めとした耐久力が高めの高火力特殊打点が飛んでくる相手にライコが安全に瞑想を積むためにコントロールプランとして出すパターンもあります。
種族単位では一番特徴的なポケモンですが、追い風の起動役としてテツノコウベを選んだ理由が以下の二つとなります。
1.ブエナと追い風を両立したポケモンは追い風中の殴り合いで有利が取れる。
ブエナ持ちの追い風ポケモンはトルネロスなどの悪戯心追い風との対面を想定した場合、最初の追い風の打ち合いは勝てないですが、2ターン目以降は先に動いて縛り関係で有利になることができます。追い風プランの隣も耐久力が高いウインディなので相手のアタッカーにワンパンされにくく1ターン目を無理なくやり過ごすことができます。
対抗馬としてトドロクツキがいますが、ツキはフェアリーが4倍である関係でテラスなしで行動保証をとれない場合が多々あります。
特にエルフーン対面での差が顕著で、コウベはエルフーンがムンフォを被弾することを気にせずテラスを切らずに追い風→エアスラで反撃ができるのでアンコールすら受け付けず突破可能なのですが、ツキは初手ムンフォでワンパンされるしテラスを切った場合はアンコールで追い風を固定されてしまうため、初手の追い風とムンフォ択に勝たなければならなくなります。
特に、ウインディも4倍弱点持ちなので初手で水ウーラオスやランドロスを対面したら積極的にテラスを切るので、簡単にテラスを切らされないコウベがより有力になりました。
2.悪飛行+ブーストエナジーの組み合わせが強い特殊打点を鈍らせる上で都合が良い
この性質はコントロールプランで強く生きて、イエカシラ筆頭にしたワイドフォースを簡単に腐らせることができる点と、浮いていてる状態で威力の高いバークアウトを使えるので化身ランドにとても強いです。
さらにウーラオスを早期に削る能力が高く、コウベ+ウインディの広い技範囲でアグロプランとして殴れない相手がほぼいない状態にできます。
*数値解説
S→特殊耐久→物理耐久の順番で決定しています。
特殊耐久の最低ボーダーがカミのムンフォ耐え(実質的には近いラインに他の重要な火力ラインも密集している)、物理耐久がパオカイリューの神速耐えとして多少乱数を切ることになったがこれだけでほぼ使い切りました。
基本的にはコウベより速い相手に対する行動保証ベースです。
眼鏡カミなどの速度を犠牲に火力をあげている相手は上からバークアウトを打つことでテラス抜きで耐えることができ、この耐久力を持つコウベは幅広い相手に対しててテラスなしで相手の攻撃からのワンパンを防ぐことができます。
素早さの最低値が現実的にコウベが抜かせるポケモンの中で、1.5倍速補正を搭載している可能性が高いウガツホムラを抜かせるラインとしています。
ウインディの素早さもホムラに対応している為、ホムラのワイドブレイカーを被弾する前に追い風→岩雪崩を入れることができるようになります。
一時期はSブーストカミに凍える風を使われても隣の化身ランドロスやイーユイを抜かせる170以上にすることも考えました。対カミのムンフォ耐えについては現実的には187より低いカミの方が多いので妥協できるのですが、物理耐久が少し落ちてしまう点とC妥協をしない可能性が高いサーフゴーから追い風+眼鏡テラスゴールドラッシュでコウベの追い風すらできずに倒されるリスクなども考えると耐久力が優先となりました。
*技
バークアウト、エアスラッシュ、追い風まではコウベの基本セットですが、4枠目に最大の特徴である大地の力を採用しています。
具体的な仮想敵としてはキラフロル、頑丈ブリジュラス、珠orブエナ持ちのライコで、大地の力はただでさえ使用率が低いコウベというポケモンの技の中でも採用率がドラゴンエール未満と来ているので、奇襲性が高くイージーウィン製造機になっていました。
また、飛行弱点のポケモンが選ぶ耐性テラスが炎、鋼、毒あたりであることが多いのでエアスラの弱点つきを耐性テラスを回避されても大地でさらに打点を入れることができます。具体的にはウーラオスや炎オーガポンなどですね。
また、直感的にも分かりやすいですが悪+飛行に地面が加わるとシンプルに広い攻撃範囲を持つようになるので、アグロプランで打点が作れなくて暇になる局面を大幅に減らすこともできます。
*道具
Sブーストするためのブエナです。これは説明不要でしょう。
*テラスタイプ
ブリジュラスのエレクトロビームとライコの迅雷を0倍にして大地の威力を上げることができる地面テラスを採用しました。
悪飛行は毒テラスと相性が良いことが有名で、カミへ強固な耐性を得て、ゴリランダーにも水ウーラオスにも隙を見せない強みがあり実際最初は毒を使っていました。
しかし、パワフルハーブブリジュラスが増えたあたりから追い風+エレクトロビームで即時で撃たれるとダメージが毒テラスを使っても痛いこと、1-2で書いた通り型の選択肢がある場合は可能な限りライコに強い型を選定するという思想から地面テラスを採用しました。
副次的にはブリジュラスだけではなくキラフロルのメテオビームも抵抗で抑えることができるようになります。
また、大地が強くなることでブエナ(珠)ライコを2パンで倒して打ち合いで勝ちやすくなったり、イーユイを大地+ゴリラのグラスラで縛れるようになります。
ヒスイウインディ
*ステータス
193-183-100-*-100-120
*調整
火力
75%災いの剣鉢巻岩雪崩で198-116カイリュー1発
鉢巻神速で155-105オーガポンを2発
75%鉢巻岩雪崩でB101パオジアンに最低170ダメージ(想定されるクリチャパオジアンを1発にできる)
物理耐久
204カイリューの一致鉢巻神速+A-1.189パオジアンの不意打ち耐え(両方災いの剣込み)
A1.205ドドゲザンのテラス不意打ち耐え
A-1.172岩オーガポンのツタこん棒耐え
189パオジアンの災いの剣聖なる剣を12/16で耐え
特殊耐久
191テツノカシラのCブースト75%Fワイドフォースを15/16で耐え
187イーユイの災いの玉眼鏡悪の波動を12/16で耐え
187ハバタクカミのシャドーボールを89%で2発耐え
S
最低値追い風込みで最速Sブーストウガツホムラ抜き(118)
→85~90族付近のS合戦を意識して残分も投入して120まで
*概要
この構築のコンセプトであるハイブリッドを最も強く意識したポケモンであり、岩雪崩の通りが良いか威嚇が機能するならアグロプラン、コントロールプランかまわず選出されます。
前回のライコの記事で書いた炎タイプの威嚇であればガオガエン1択とは限らないという思想は、すでにこのウインディの構想が出来上がっていたことからの発言であり、鉢巻という本来なら攻め一辺倒の融通が利かないアイテムを持っていながら器用な動きを実現できます。
*数値解説
一般的なヒスイウインディに比べるとSを落として耐久を確保した設定値です。
元々ヒスイウインディはSを振っても最速レベルまでもっていかないと追い風前後問わずで高火力アタッカーの上をとれないことが多く過剰に速くする旨味が薄いと考えていたので、基本的に被弾する前提で素早さを抑えて実現できる範囲で行動保証を作った方が強いと考えていました。
構築コンセプト的にもサイクル参加する為、耐久力が高い方が取り回しが良いです。
火力面が仮想敵に対してのダメージだけなら実は想定耐久力にブレがあるクリチャパオジアンへの雪崩を除くと実は180で実現できているのですが、アグロプランでも使う以上打ち漏らし防止のために振り切りまで上げてます。
素早さもゴリランダー等の種族値が近いポケモンに設置値で負けないように最低値118だけど余計に少し上げたという背景があり、理論上は乱数妥協している耐久力をもう少し上げることができるのですが、ここのリスクリターン関係は他の調査事項と比べて優先順位が低く細かい詰めを行っていない部分だったので、微細ではありますが最適化できるかもしれません。
*技
フレドラ、雪崩、神速の基本セットをそろえた上で最大の特徴が1-1でも話題に出した鬼火の採用です。
ライコのコントロールプランで使う際にホムラ系、壁ロンゲ、ディンルー採用の相手に鬼火だけばら撒いて交代する動きを行います。
少し特殊なパターンだと寿司相手に初手から合体するのが見えている時にコウベの追い風+ウインディの鬼火でヘイラッシャを早々に弱くする動きもあります。
これにより、鉢巻を持ちながらも耐久振り原種ウインディみたいな動きを実現して、ただ殴るだけのウインディとライコだとどうしようもないディンルーなどを何度も起点にしてきました。
勿論、前回のライコ構築のガオガエンで採用したドドゲザン入りのホムラ系にも積極選出して鬼火を入れてライコで瞑想を積むというプランも実現できます。
相手目線からしたら、最初鬼火をバラまいてきたウインディが出戻りで突然鉢巻火力で殴ってこられたら溜まったものではないでしょう。
*道具
アグロプランで十分なパワーで殴ってほしい為、鉢巻で採用しています。
サイクルプランでもガエンではなくウインディである以上着地するたびに高火力を1回入れるという動きが勝利に直結するので重要なので火力は大事です。
特にサイクルプラン時では炎オーガポンと戦う時にへの神速のダメージが重要になり、オーガポンを縛れる範囲が広いとそのままライコの行動制限がかかりにくくなります。
*テラスタイプ
コウベ+ウインディのアグロプラン時に水ウーラオスを引いたらほぼテラスを切るため、水の耐性テラスが条件とななりました。
水以外も草やドラゴン等大体の耐性テラスを試しましたが、パオジアンに弱点をとられる状態が展開に響きやすい為、氷に耐性を持つ水テラスを採用しました。
ゴリラやライコに弱点をとられるテラスタイプですが、こちらのゴリラに引いてお茶を濁すことができる点と出戻りでも神速を打つことで十分抗えた為、1-2の基本思想に反してここだけは対パオジアンを優先しました。
ただし、ウーラオスを選出している場合は水が2匹になってゴリラとライコにすごい勢いで行動制限が掛かってしまうため、テラスを切る時に慎重になる必要があります。
ゴリランダー
*ステータス
197-194-111-*-91-115
*調整
火力
Fウッドハンマーで164-111ランドロス10/16で1発
Fウッドハンマーで257-136ヘイラッシャ14/16で1発
F災いの剣グラススライダーで175-81ウーラオス1発
10万馬力で232-110タケルライコを2/16回復込みで2発
物理耐久
204カイリューの災いの剣一致鉢巻神速耐え
136ガオガエンのフレアドライブ15/16で耐え
200ウーラオスの鉢巻暗黒強打を13/16で耐え
特殊耐久
205イーユイの75%災いの玉ダブル熱風をチョッキ込みで耐え
S
最低112(追い風込みスカーフウーラオス抜き)
→自分のタケルライコと速度をずらす、相手のタケルライコとの同側勝負に可能限り勝ちたいことから残分を割り当て
*概要
レギュF考察記事でも取り上げた話題ですが、レギュFの主要ポケモンの中で最も基本性能がハイブリッドという思想を実現していてまさに存在そのものがこの構築のコンセプトみたいなポケモンです。
ライコ記事で書いた通り瞑想ライコにとって必須級の相方であるのに加えて、アグロプランではパオジアンの剣を載せた超火力での制圧も可能としています。
*数値解説
*技
*道具
*テラスタイプ
上記の基本思想は基本的に前回のライコ構築の記事と同じなので一括して簡単な説明だけにします。
戦術ハイブリッドというコンセプトがそもそも汎用的なチョッキゴリランダー自体の性質であること、戦術の半分であるコントロールの相方事情が炎タイプの威嚇+タケルライコという構成も同じため元のライコ構築で使った考え方がそのまま正解であると判断しました。
素早さ事情から1.5倍速の話がなくなったので本当は113まで落とすこともできますが、1-2で触れた対ライコの事情より相手の瞑想ライコの上を可能な限り取りたいことから、素早さを落とすのは明確にリスクだと判断しました。
タケルライコ
*ステータス
227-*-127-177-110-113
*調整
火力
迅雷で175-81水ウーラオス15/16で1発
C1.竜の波動で221-121モロバレルが88%で2発
物理耐久
211ガチグマの根性空元気を14/16で耐え
189パオジアンの災いの剣氷柱落としを15/16で耐え
特殊耐久
D1で207タケルライコの流星群耐え
D1.残飯回復1回で194ブリジュラスの弱点ラスターカノンを74%で2発耐え
S
追い風込み149スカーフウーラオス抜き
*概要
コントロールプランのエースとなるポケモンです。
前回のライコ構築の記事で書いた通り瞑想ライコは素早さ操作系の構築全般に強い性質を持ち、特に原種ガチグマとすら戦えてしまう対トリル性能に関しては追い風アグロプランの裏となる戦術を務めるには理想的なポケモンです。
そして何よりも今でも考察記事のSランクポケモンの考え方は今でも変わっていない為、コントロールプランのエースにするならレギュF最強のポケモンであるライコしかいないだろうと考えていました。
ハイブリッド式になったことでライコに対するサポートの手厚さが単純に減ったのかと言われるとそういうわけではなく、今回の構築は高火力特殊に対して上からバークアウトを使えるコウベが相方にいる為、眼鏡カミやブリジュラスを始めとした高火力特殊ポケモン相手にもより瞑想を積みやすくなっています。
*数値解説
基本的には前回紹介したタケルライコの数値と同じです。
ただし、1.5倍の素早さ補正が構築からなくなった為、113を維持する意味がなくなりスカーフウーラオスに対応した112まで落として本来上げたかったC178まで伸ばしました。
*技
*道具
*テラスタイプ
上記の思想は全て瞑想ライコ構築の内容と同じなので省略。
パオジアン
*ステータス
155-189-101-*-85-187
*調整
AS振り切り(200ウーラオスの水流連打の乱数が大きく動くため残り4はB)
*概要
追い風アグロプランで後続から出てくる最終防衛ラインを務めるポケモンです。
環境考察記事でSランクポケモンとして定義したぐらいの解決能力を評価しているポケモンでもあり、構築の経緯レベルで話するとこの構築はパオジアンを絶対に使いたいという所から始まったりしています。(なんなら最初の形はレギュCで使っていたドラパ軸のリメイクだったので身代わり珠ドラパも入っていた)
6匹の中で一番アグロプランに特化した性能をしていますが、元々コントロールプランがウインディライコゴリラの3匹で成り立つので、コントロールプランでも詰め役としての最後の1匹として出てくることがあります。
*数値解説
襷を選択した為、捻った耐久振りはせずにAS振り切りで、耐久面の考慮は200ウーラオスの水流連打の乱数がB実数101で動くので残り4をBに割いた程度です。
特筆する点は意地っ張りで採用したことで、氷の礫を採用したことで不意打ちより元の威力が引くことからの火力補填とライコに対するダメージを1でも上げたいという目的があります。
相手のパオジアンに同速勝負で聖剣を打ち込む動きをすることもあるので最速の有用性も高いですが、パオジアンに対して聖剣を上から打ち込むことは必須ではないことと、1-2で記載した構築に択がある場合は基本的に対ライコを優先するという原則のもとライコへの打点を優先しました。
*技
特徴的なのは襷パオジアンでの礫採用です。
フェアリーテラスライコに対して、テラス前後どちらでも不意打ちよりダメージが出ることと、不意打ちだと瞑想or迅雷で択になるのに対して礫だと一貫して打てる、対ライコに特化した結果の採用となっています。
それ以外でも対追い風構築に対して不意打ちだとトルネロスやエルフーンの処理を追い風最終ターンまでにしないといけない所、礫パオジアンがいると追い風が切れた後でも追い風の上から礫で縛りに行ける点も偉いです。
副次的にはHPが半分程度のゴリランダー等の氷技でしか縛れない相手に対して氷柱の命中不安を気にしなくていい所も嬉しいポイントです。
逆に不意打ちと比べて不便になるポイントもいくつかあります。
テラスを切る前のサーフゴーに対して圧が掛かりにくい
鋼テラスを切ったウーラオスに対して威力がでる先制攻撃を失う
単純にテラスを切る前のハバタクカミに対してダメージが低い
対サーフゴーはコウベがかなり強いので不意打ちを打つ必要が出る前に倒すかテラスを切らせることができ、対カミは大体ゴリラとも併用しているのでグラスラで縛れば解決します(むしろ不意打ちだと最近増えた電磁波で回避されることがすらある)。
鋼テラスを切ったウーラオスだけが明確に不便になるポイントですが、パオジアン着地前にテツノコウベをうまく使うことで対応可能だったり、追い風を張った状態なら聖剣で解決できたりなど抜け道も多いのでトータルは礫の方が有用性が上だと判断しました。
*道具
アグロプランで最後の壁として襷を盾にして打ち合いを行いたい為、襷を採用しています。
クリアチャームがあると、パオジアンを瞑想ライコ軸の構築に対してガオガエンを恐れずに先発から出せる都合瞑想ライコに対してかなり強くなる為、一時期はウーラオスのテラスが鋼でパオジアンをゴーストテラス+クリアチャームで使っていた時期もありました。
しかし、どうしても追い風系の構築相手に後続パオジアンを置いた際に、襷があれば勝ち確定なのに襷がなくてワンパンされる局面で行動が2択になりそれを外すと負けになる対戦が目立ち、安定させるためには襷が必要だと発覚。
結果、瞑想ライコの隣にいるガオガエンをゴーストテラスウーラオスに任せることでパオジアンは襷を維持できることに気づいて、今の形に落ち着きました。
*テラスタイプ
この構築はウインディを初手で消耗しやすい関係で後半に出てきたカイリューの神速が通りやすい向があるため、ゴーストテラス採用しました。
氷技が二つあるので攻めを意識した氷テラスも考えましたが、受け主体の構築に対しては大体ウーラオスが先に対ガオガエンでゴーストテラスを切っていてパオジアンにテラス残らない、逆にテラスが残りやすいのが切らずに戦いやすいホムラ系列の相手でそこで欲しいのは対カイリューのゴーストテラスだったので耐性テラス側が勝りました。
ウーラオス
*ステータス
182-184-121-*-97-140
*調整
火力
プレート水流連打*3で154-91トルネロスが落ちる
プレート水流連打*3で155-101パオジアンが84%で落ちる
プレート水流連打*6で212-142ウガツホムラが99%で落ちる
プレート水流連打*3で220-141ガチグマが87%で落ちる(207程度ならほぼ確定)
物理耐久
204カイリューの災いの剣一致鉢巻神速耐え
172パオジアンの災いの剣不意打ちを2倍で被弾して耐え(189は8/16)
特殊耐久
187ハバタクカミの眼鏡ムーンフォースを等倍で受けて15/16で耐え
177トルネロスの75%こがらしあらしを15/16で耐え
167ランドロスの珠力づく大地の力耐え
S
最速ドーブル+1
*概要
この構築においては瞑想ライコ系のグッドスタッフ、壁ロンゲ、ホムラ系、ガチクレセ、ディンラッシャなどの低速以下の耐久に寄った相手と戦う時にアグロプラン、コントロールプランどちらでも入ってくるポケモンです。
ウーラオスを除く5匹は攻撃が直線的なので壁や詰み技で分かりやすく止まりやすく、ライコもこれらを乗り越えるのに時間がかかるのに対して、ウーラオスはこれらを急所と今回採用した挑発を併用して返すことができる為、この構築の穴を大きく塞いでくれます。
*数値解説
S→耐久→攻撃の順番で決定しており、基本的には必要な火力を残してテラスを使えば行動保証が得られるという思想です。
ウーラオスはこの構築において壁や耐久面の積みを貫通して攻撃できる貴重なポケモンなので攻撃面もかなり重要であり、プレート水流連打で撃ち漏らしが発生しづらいラインまでは引き上げています(ここから1でもAを落とすとパオジアンの突破率が25%程度まで落ちる)。
素早さを130程度まで落とすとライコの迅雷をテラスなしで耐える調整も可能なのですが、ドーブル入りを引いた時に自分のウーラオスがドーブルより速いとゴリラの猫をドーブル+ゴーストテラスを切ったラオスの挑発を隣に打って次のターン上から水流連打でドーブルを倒すという完全回答が取れる動きが存在するのに対して遅くすると逆に胞子で動きを止められてしまうリスクがあるので140の確保を優先しました。
本戦の方がドーブルみたいなポケモンを持ってくる人が一定数いる傾向にあるのと、対ライコも大体ガエンを倒すためのゴーストテラスを用いることでそこまでの耐久がなくても対応可能であることを確認したことから、対ドーブルを妥協しない事の方が有益だと判断しました。
*技
最大の特徴はインファイトを切って挑発を採用してる事です。
オーガポン参戦以来、この構成のウーラオスは水オーガポンに一切干渉できないことから数を減らしましたが、オーガポンに干渉できないこと以上に中速の構築に入っているモロバレルの胞子を止めることの有用性が大きく、特にライコのコントロールプランを採用している際に恩恵が強いです。
ウーラオスの前にモロバレルが出てきやすいこととモロバレルと水オーガポンの併用は比較的少ないことからもウーラオス自体の性質とこの技も噛み合っています。
*道具
概要で書いた通り仮想敵が固いポケモンをしっかり殴ってもらうことが重要になるため、神秘の雫を採用しました。
前提としてこの火力がないと仮想敵としている固いポケモン全般を倒すターンが1ターン伸びてしまうことから、対猫騙しを隠密マントではなくゴーストテラスで解決した理由にもなっています。
*テラスタイプ
1-2でも書いたように対ライコの要となるゴーストテラスの採用で、対カイリューでも強いテラスなのも偉いです。
ただし相手にパオジアンがいると後半不意打ちで縛られる要素になってしまうので、後続にウインディを置いておく等の工夫が必要です。
3.選出モデル
この構築で最も重要となるのが選出パターンであり、1-3で書いた通りかなり複雑です。
しかし、故にこの選出ルールと考え方というのがある意味でこの構築の肝となってくる要素なので今回解説は必須だと言えます。。
基本的にはコウベウインディ+後続パオジアンの追い風アグロプラン、ウインディ+ライコ+ゴリラを軸にしたコントロールプランに大別されますが、派生がとても多く追い風に頼らない中速アグロプランを始めとして、方針は同じでも選出に参戦ポケモンの顔ぶれが微妙に異なっていたりとするのでいくつかの仮想敵パターンを参考に考え方を紹介していきます。
モデルケース1 追い風系アグロ構築
この構築で最もイージーウィンが狙いやすい対面で、追い風系の対面にはこちらも追い風アグロプランを選びます。
仮想敵の追い風役は必然的にエルフーンかトルネロスなので、追い風合戦をした際にお互い追い風をしたら2ターン後はコウベが一番最初に動くことができて、相手が追い風を遅らせようとするとウインディの岩雪崩が上から直撃とどう転んでもこっちが有利になり、後続にパオジアンが控えているので追い風が切れた後も素早さ面で負けることが少ないです。
相手の初手に水ウーラオスがいれば、ウインディのテラスも躊躇なく切ってトルネロスを早期に崩しに行きます。
最近イーユイやカミの地面テラスが増えて追い風→地面テラスでウインディが出落ちすることも増えましたが、実はそれをすると後続に控えているゴリラとパオジアン両方が
好きなタイミングで地面テラスを切ったポケモンが処理できるようになるので逆に勝ちやすくなるというトラップがあったりもします(少なくとも地面テラスでウインディが出落ちした対戦はほぼ負けたことがない)。
モデルケース2 対受け型のグッドスタッフ
まさに1-2で紹介した対ライコ選出の出番で、相手のガオガエンの早期処理と後半ライコに隙を見せないことに特化しています。
基本的には1-2で書いた流れで最終的にライコを崩していきます。
ただ、試合の流れ上ライコが崩れるように展開していくという考えのもと動いているだけで結局フェアリーテラスを切ったライコに対する極端な有利な駒があるわけではないので、イージーウィンという観点では比較的遠い対面かもしれません。
モデルケース3 対攻め気質の強いグッドスタッフ
一見するとモデルケース2と対面の見た目があまり変わりませんが、こっちはガオガエンがいない以上相手のプラン全体が前のめり=瞑想ライコを使う形をしていないので敵のライコはチョッキか火力補助をしている可能性が高いと考えられます。
対追い風のようなアグロプランを通すにしてもパオウーラ裏オーガポンゴリラみたいな構造だと初手でウーラの圧力によってウインディのテラスを切らされたのち、オーガポンとゴリラのグラスラの一貫を作られてしまうと結果的に押し負けてしまいます。
それならば、相手のライコにも一方的に強い自分の瞑想ライコを押し付けるのが強いので完全にライコに寄せたコントロールプランで固めるのが一番勝ちやすくなります。
これならばウインディをテラスを切らずに出し引きする戦い方になるので、後半のゴリラオーガポンとも戦うことができます。
モデルケース4 対ガチクレセ
対トリル系のプランはがっつりライコを介護する形になり、ライコ軸の構築でもラオス→ハバカミで同じような構成でプランを組んでいました。
初手にこの並びをすると大体猫をウーラオスに打ってくれるのでライコがガチグマ着地前に瞑想を通しやすくなるし、ウーラオスの行動もあえて水流ではなくガエンに対する挑発を選ぶことで次のターンガエンが捨て台詞で逃げることができなくなりトリルターンの消費効率を悪くすることができます。
後は、ガチグマが着地するより先に事前にグラスフィールドを張っておくことを意識してガチグマ着地後にウインディの威嚇をガチグマに入れられば手助け込みで空元気を耐えられる状態を作り、C1段階上がった竜の波動とゴリラの猫やグラスラの縛りを駆使して最終的にほとんど崩しに行けます。
ガチグマを詰める時のコツとして、ゴリラのグラスラを当てる時にライコの迅雷も重ねることでゴーストテラスを切られても関係なく処理できる状態を作ることができます。
モデルケース5 対トルネブリジュラス
典型的な特殊アタッカーの前でコウベがサポートしてライコを瞑想を積むパターンです。
この選出は、コントロール的な動きではありますが、交代アクションはほとんどとらず相手のトルネロスがこちらに打点を入れられないことを利用して突っ張りながら瞑想を積む運用になります。
初見殺し的ではありますが、相手目線ライコに初手流星群を使うよりコウベにエレクトロビームを使う方が明らかにリスクが低いことからも、コウベの地面テラスによる受けが成立しやすいです。
ブリジュラスではなくランドロスからスタートしてきたとしても、コウベが浮いているので地震の一貫は発生せずライコでテラスを切ることで対応できます。
ただし、ラスト枠のパオジアンに関しては相手がドータクンを出してくるかどうかで変わっていて、基本的にそれ以前の展開で勝利になることが多かったのであまり検証できていませんが選出の択によってはパオジアンよりウインディが正解かもしれません。
モデルケース6 対ホムラ系
完全な対物理特化の選出で、ウインディの鬼火が最も活躍する対面です。
この対面は実際に今回のJCS本戦でありました。
相手に負けん気ポケモンがいてもウインディは躊躇なく初手で出して、鬼火を積極的にばら撒いてその隣でライコの瞑想を積んでいきます。
基本的にホムラは威嚇が1回でも入るとライコに対するワイドブレイカーの打点がかなり低くなり、ウーラオスに対しても生きない技なので、ウインディの鬼火で荒したのちにライコとウーラオスを並べるとこちらが有利な盤面を作りやすくなります。
実はこの対戦は、相手のコノヨザルの方が速くて初手でウインディが鬼火すら撒けずに倒れていますが、それでもこの盤面有利の仕組みを使って勝利しています。
また、今回は相手側にモロバレルがいなかったのでゴリランダーを連れていますが、相手のモロバレルがいたらゴリランダーがパオジアンに差し代わる場合もあります。
4.2月段階の構成
せっかくなので、2月の頭のがにゅで3位入賞した段階の形も紹介しておきます。
基本的にはこの段階でほとんど完成していたのでほとんど変わりませんが、ウーラオスとコウベのテラスタイプ、パオジアンの構成が今との違いです(当時のパオジアンは最速)。
基本的には本当に1-2で書いた通りの構築変更を行ったわけですが、2回目のJCSで使用を見送ったのは、当時対瞑想ライコを緩和する解決策にまで行きついておらず瞑想ライコを突破できない負けが散見されるリスクがあったことが起因となっています。
といっても3回目JCSで結局これのウーラオスが鋼テラス版になった構築でボーダーには乗ったので、この段階も予選抜けするスペックは十分にあったようでした。
実は1回目のJCSとがにゅオフは間が1週間しかなく、この構築はJCSが終わった最初の月曜から5日でここまで仕上げたので、我ながらよく短期間でここまでまとめたものだなと思っています。
5.最後に
本当に今回は悲願を叶えた結果となりましたが、自分の中で結果を出すことは自分のポケモンの理論の証明のための最大手段という考え方を強く持っているのでここまで、最初に書いたけどここまでまとめてこそ一つの区切りになると思っています。
今回の構築は自分が作った構築の傾向の一つだった理論上何でもできて何とでも戦えるという特色を色濃く持っており、とても自分らしい構築が作れました。
レギュレーションFは本当に強いポケモンが多いルールであらゆるポケモンの対策を行うのがとても難しいルールなのですが、自分の中で持っていたレギュレーションFで頭一つ抜けて強い4強がずっと軸にあってここがブレなかったのが本当に大きかったのかなと思っています。
今度は初のライブ大会であるJCSライブ大会までレギュGの構築を一月で作らないといけないですが、何かしら答えを見つけて初のWCSも挑んでいきたいです。