祈りの海

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

短編集.
イーガンさんの小説は難しいというか,ハードSFっぽいのが多くて私の乏しい理系知識(物理とか数学とか生物とか化学とか…)ではついていけないことが多い.どこではらはらすれば良かったんだろう…みたいな.

ついていけないのを除けば,人間(人格)をソフトウェアとして捉える世界(あるいはその過渡期の世界)が多くえがかれていて,好き.
この短編集では「ぼくがぼくになることを」「キューティ」が特に好きだった.
人間(人格)がソフトウェアだとしたら,肉体はただの器になる.器だったら交換可能だし,中身の入っていない器は使い捨て可能なはず.でも過渡期ではそう簡単に割り切れるものではないし,万が一ソフトウェア・コピーに不備があったら? という不安もつきまとう.
生きているうちに自分のコピーをとることが可能になったら,どうする?