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俳誌「雉」北陸地区だより

2019-01-12

1月12日(土)雉金沢句会 初句会

於:金沢彦三公民館 2F

田島和生「雉」主宰 俳句
   嫁が君仏の耳を齧りしと
   りんりんと辛夷の冬芽日に透けり
   畑のもの焚けば寒禽鳴き来たる
   産土の神酒を立ち呑み初笑

田島 和生 主宰
〈特選〉  立山の雪へまつすぐ修験道   度山 紀子
      赤子笑むベッドの脚に冬日差  宮崎 惠美
      遠白山ともしび色の初景色   後藤 桂子

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句会風景
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特選 度山紀子さん
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特選 宮崎恵美さん
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特選 後藤桂子さん

〈入選〉
跪く墓前の親子冬日差す       中山 ちえ
初東雲夫逝きし山ほんのりと     度山 紀子
寒紅や黒留袖に際立てり       海野 正男
冬靄の解けたる底に村一つ      豊田 高子
嫁が君豆粒ほどの糞(まり)残し    後藤 桂子
歯切れ良き錫杖の音や年男      福江 ちえり
石段に琴の音流れ初詣        福江 真里子
那谷寺の奇岩に満つる淑気かな    佐瀬 元子
妻逝つて抹香くさき冬籠       海野 正男
托鉢や窓岩越ゆる波の花       豊田 高子
警笛の一際高し初電車        小林 亮文
青空へ香り放てる寒紅梅       辻江 恵智子
初雪掻き声の弾みて手も動く     生田 章子
御神木仰ぎて触れぬ淑気かな     海野 正男
うつすらと立山連峰冬日和      度山 紀子
有明の月の残れる淑気かな      山岸 昭子
玉垣に家老の名前初詣        本多 静枝
白妙の白山かがよふ大旦       豊田 高子
山寺の杉の並木の淑気かな      小林 亮文
四股を踏む足高々と初稽古      後藤 桂子
黄門橋覆ふ筵や霜の花        辻江 恵智子
大火鉢念仏称え手をかざす      度山 紀子
翁塚句帳に来たり雪螢        佐瀬 元子
内股のくつあとつづく雪の道     小林 れい
新玉の笛鳴らし合ふ碇泊船      豊田 高子
初詣五臓六腑に太鼓の音       小林 亮文
病床に聴く流行歌年つまる      青木 和枝
読初はプラハの春の上中下      辻江 恵智子
聳え立つ白き霊峰初明り       本多 静枝
ややが泣き幼があやす松の内     宮崎 惠美
澳門(マカオ)より雑音まじりの初電話   度山 紀子
間垣村猫の跳びつく波の花      後藤 桂子
子と仰ぐ立山今し初日の出      山岸 昭子
師の句碑に寒の日差しの溢れをり   佐瀬 元子
平成の名残りの鐘や福寿草      小林 亮文



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2019-01-01

俳誌「雉」1月号から

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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主宰俳句
       蔦 紅 葉    田島 和生
   小春日の汀ささめき琵琶のうみ
   潜りては群れに近づくかいつむり
   鯉の口鳴つて楢の実吸はれけり
   杉苔は指もて掃けり落葉掃き
     悼 宮崎明倫兄
   手を挙ぐる君のまぼろし温め酒
   冬の蠅政治面もて打たれけり
   朝顔のたね採る些事をきのふ今日
   連嶺の裾へ落日蔦紅葉


     同人作品評(11月号)   倉橋 みどり

さるすべり三面鏡の隅に咲く   青木 和枝
 目のつけどころが面白い。三面鏡の鏡の隅に、庭のさるすべりが写り込んでいたというのだ。想像だが、何らかの事情で、作者は気の休まらない夏を過ごされたのではないだろうか。しかし、どれほど忙しい日々でも、お化粧する時間というのは、しばし自分と向き合うことができる時間である。そんな時間だからこそ、庭のさるすべりが咲き誇っていることに気づくことができた。「咲く」という言葉が深い。


     紅頬集 秀句佳句   田島 和生 主宰

坂多き九段の桜紅葉かな   福江 真里子
 「九段」といえば、東京千代田九段坂の上にある靖国神社が浮かび、恐らく、この坂と思われる。九段を歩き、坂が多いのに辟易しながらも、桜紅葉に心を奪われ、時々足を止める。声に出して句を読んでみれば判るが、「ア」音が多く、明るい「ア」音と、調べの柔らかさが大変いい。


以上、俳誌「雉」一月号より抜粋いたしました。

2018-12-29

田島先生、おめでとうございます

12月29日は、
「雉」主宰、田島和生先生のお誕生日です。

おめでとうございます。

ご健康を心よりお祈り申し上げます。

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北陸地区一同より

2018-12-12

俳誌「雉」12月号から

主宰俳句
      鯊  釣       田島 和生
  鯊釣や大江戸の水まんまんと
  曉雲の火色に鵙のひびきけり
  マスカット赤繪の鉢に納まらず
  葛布屋の空に天守や秋のれん
  すがれ立つ大津宮址の鶏頭花
  手を振つて皆ちりぢりに猫じやらし
     金沢兼六園 2句
  名園の藪より浮び雪蛍
  曲水の鳴りゐるところ散紅葉


     同人作品評(10月号)   倉橋 みどり

骨拾ひ一歯見つける晩夏かな   青木 和枝
 近しい人のお骨の中に歯を見つけたとき、悲しみが改めて押し寄せてきたのだろう。骨は生きている間は見えないが、歯は違う。その人が生きていたときと同じ形をしているはずなのに、いまその肉体はない。他の御句を拝見すると、見送られたのは弟さんのようだ。自分よりも年若い存在を失うのは身を切られるようにつらい。「晩夏かな」という下五が鳴咽に聞こえる。


     紅頬集の秀句佳句   田島 和生 主宰

いち早く穭田となり能登の風   福江 真里子
 加賀では金色に実る晩稲田がまだ残っているのに、能登稲刈りも終わり、切り株から芽を出す青い穭田に変わっていた。ひんやりした風に吹かれる能登の穭田を「いち早く」と畳み込むような表現で、素直に詠んでいる点が大変いい。

以上、俳誌「雉」12月号より抜粋いたしました。

2018-12-11

宮崎明倫さんを悼む

「雉」同人 宮崎明倫さんが
2018年10月5日、逝去されました。
謹んでお悔やみ申し上げます。

    鬼蜻蜓     宮崎 明倫(10月号より)

病床で聴くCDや雲の峰
白髪の姉に見舞はれ雲の峰
寮歌聴くイヤホンコード夜長かな
闘病の窓辺を飛べり鬼蜻蜓
涼新た日毎に変はる空模様


    秋うらら       (11月号より)

集ひくるやからうからや蟬時雨
短夜や口腔ケアと吸痰と
上掛けに一枚ふやす夜の秋
病む吾の手をさすりをる妻の汗
平成の卒寿を生くる白露かな
秋うららパーマをかけて妻来たる

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天国から見守っていてくださいね。
奥様を、私たちを…


            「雉」北陸地区一同