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俳誌「雉」北陸地区だより

2017-12-11

12月10日(日)雉金沢句会

於:金沢彦三公民館2F

青木 和枝 選
◎小春日の光琳屏風へ牛歩かな     木谷 美奈子
 酒匂ふ伏見小路の暮早し       豊田 高子
 蓮掘りと一声かはす干拓地      辻江 恵智子
 ちり取りの塵を跳び出す冬の虫    福江 ちえり
 切り貼りの桜花の障子旧官邸     後藤 桂子
 蛇崩れに遅き冬日や襞深し      生田 章子

小林 亮文 選
◎冬晴や百の綱曳く日本丸       豊田 高子
 酒匂ふ伏見小路の暮早し       豊田 高子
 冠雪の薬師くつきりかはたれ時    大上 章子
 蓮枯れて水の余白を雲走る      辻江 恵智子
 顔撫づる猫の前脚小春かな      青木 和枝
 

次回、1月14日(日)午後1時〜4時
於:金沢彦三公民館 2F
「雉」主宰 田島和生先生がお見えになる予定です。
奮ってご参加ください。

2017-12-06

12月4日(月)雉十日会

於:おやべコミュニティセンター 1F

福江 ちえり 選
竹林冬鳥のこゑひびき合ふ     佐瀬 元子
 遠くから見ゆるマフラー茜色     志賀 理子
 白山茶花旧家の屋根に散り敷けり   山田 光子
 包丁を二本研ぎけり年用意      潟淵 恵美子
 秋蝶や木の間に翅の見えかくれ    松本 よね子

佐瀬 元子 選
◎足袋つつく猫をなだめて厨ごと    久保田 美佳
 遠くから見ゆるマフラー茜色     志賀 理子
 浅黒き漁師の肌や小春凪       福江 ちえり
 坂道に筵を敷いて冬支度       金山 多美子
 短めの娘の髪に初霰         志賀 理子
 
野澤 多美子 選
◎蒼天に山査子の実のくろぐろと    金山 多美子
 燭の火にリースの香るクリスマス   福江 ちえり
 冬夕焼音なく染まりビルの街     佐瀬 元子
 足袋つつく猫をなだめて厨ごと    久保田 美佳
 竹林冬鳥のこゑひびき合ふ     佐瀬 元子

次回は、1月12日(金)午前10時〜午後2時
新年句会・懇親会を行います。
会場は、いつもの料亭「ばんば」です。
おたのしみに…

2017-12-04

俳誌「雉」12月号から

主宰俳句
     呉の子     田島 和生
  ひややかに月下美人の一夜花
  綾子句碑木洩れ日へ散る黄葉かな
  霧晴れて朝湯に手足泳ぎけり
  海かけて夕闇せまる秋思かな
    呉4句
  水兵の名は墓地に満ち雲の秋  
  旧軍港月の港となりゐたる
  満月や夢うつつなる海の宿
  金秋の呉の子が跳ね鉦太鼓


     同人作品評(10月号)   菊田 一平

青春の思ひは越に土用餅   石黒 哲夫
 「越」とは北陸から庄内にかけての一帯を詠んだ古称。「越」はさらに「越前(福井)」「越中(富山)」「越後(新潟)」の三つに分かれるが、石黒さんの「越」はまぎれもなく米どころ「越後(新潟)」のことに違いない。一般的に、土用と言えば丑の日の「鰻」を思いがちだが、越後ではもっぱら「小豆餡で餅を包んだ土用餅」を食べたらしい。石黒さんの「思ひは越に」と言った中七の切れに「青春の日々の越」への思いの深さを感じる。


    祝・巻 頭   辻江 恵智子 さん

 峡深く秋日に透きて滝しぶき
 少年の声はソプラノ秋高し
 御詠歌の堂に昂ぶる秋夕べ
 鮠の影右往左往の水澄めり
 白山を隠す雲居や鳥渡る

おめでとうございます。
更なるご活躍をお祈り申し上げます。


     紅頬集 秀句佳句   田島 和生 主宰

白山を隠す雲居や鳥渡る   辻江 恵智子
 石川、岐阜両県にまたがる名峰、白山。地元では昔から神々の宿る山としてあがめられてきた。秋を迎え、その高峰を北方から鴨や雁、白鳥が渡って来る。今日は残念ながら白山は雲に隠れているが、雲間に渡り鳥が連なって見える。「雲居」の言葉を得て、表現に無駄がなく、妙味に溢れている。


以上、俳誌「雉」12月号より抜粋いたしました。

2017-12-01

11月28日(日)富山高志句会

於:富山県教育記念館 5F
兼題:「小春」

青木 和枝 選
◎網を結ふ小春の海のまぶしさに       福江 ちえり
 美術館葦の茂みに鴨遊ぶ          大上 章子
 小春日や楽しくしやべるリサイクル     林 喜美子
 漁火めく火電の明り冬の海         山岸 昭子
 村人の声の弾みや白鳥来          度山 紀子
 目交(まなかひ)に剱岳(つるぎ)全容小六月  度山 紀子
 転勤の息子帰り来小六月          林 喜美子

吉田 泰子
◎讃美歌の声裏返る寒さかな         福江 ちえり
 湯豆腐と置手紙あり嫁の留守        度山 紀子
 夕鴨の孤高の声を放ちけり         小林 亮文
 砂の上木の葉飛び行く寒さかな       佐瀬 元子
 目交(まなかひ)に剱岳(つるぎ)全容小六月  度山 紀子
 初雪やスキーコースの近く見ゆ       生田 章子
 色葉舞ふ神通峡の谷深し          大上 章子


★次回は、第4日曜日がクリスマスイブのため、予定が変更になります。
追ってご連絡いたしますので、ご確認ください。

2017-11-22

俳誌「雉」11月号から

主宰俳句
       男郎花    田島 和生
   ひやひやと湖へ火色の夜明雲
   ゆつくりと加賀の熟れ田を雲の影 
   木の実落つ金沢暗き隠れ道
   道尽きて海の崖なす男郎花
   蝶々は崖の空より蔦紅葉
   埼鼻に貝殻売女雁渡し
   秋鯖の生鮨(きずし)に酌める框かな
   湖引いて本を繕ふ星月夜


     同人作品評   菊田 一平

掃苔や北鎌倉へ杖を曳き   宮崎 明倫
 川本三郎さんの『今日はお墓参り』(平凡社刊)を読んで、「掃苔」には単なる墓参りの他に江戸時代から「故人のお墓を訪ねて遺徳を偲ぶ」という文化があることを知った。円覚寺や明月院をあげるまでもなく北鎌倉には古寺名刹がいくつもあり、多くの著名人が眠っている。けれども宮崎さんの「杖を曳き」には「故人の墓を訪ねて…」とはどこか違う。ことばを代えればもっと日常的だ。きっと北鎌倉のお寺には宮崎さんの縁のひとの墓があるに違いない。今は北鎌倉を遠く離れて頻繁には行けないけれど「今日は杖にすがって」でもお参りに行くという思いだ。


     第26回 雉賞受賞

   岡田 栄子   「硯の里」

次点  辻江 恵智子  「奥能登晩夏」
佳作  梅園 久夫   「牧の落日」
    水野 征男   「三河路の秋」
    児玉 明子   「島薄暑」

おめでとうございます。
これからのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。


     紅頬集   秀句 佳句   田島 和生 主宰

新聞は風に吹かれて籐寝椅子   松本 よね子
 縁側のガラス戸を開け、籐寝椅子で新聞を読む。風に吹かれる新聞を押さえながら読む様子が目に浮かび、大変面白い。この人は籐寝椅子が気に入っている。新聞が風に吹かれて読みにくいのも仕様がないのである。

利尻女や石百畳に昆布干す   後藤 かつら
 北海道利尻島で、利尻女、つまり地元の女性が百畳もある石敷きの広場に昆布を干している。利尻女、石百畳という手堅い表現で、昆布干しの光景を鮮やかに描いている。


以上、俳誌「雉」11月号より抜粋いたしました。