菜食・菌食中心の食文化革命で、日本は肉食文化から卒業を (PJニュース)


PJニュース 2010年05月28日 (PJ: 田中  聡)
http://www.pjnews.net/news/698/20100528_2
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食文化を卒業する食文化革命を日本の国家戦略として考える。日本の漁業で起きている捕鯨・マグロ問題や現在酪農で起きている口蹄疫問題は、肉食文化の今後を考える絶好のチャンスだと思います。


欧米ではBSE鳥インフルエンザ口蹄疫などをきっかけに、若者を中心に魚介類を多く食べるようになり、ベジタリアンが増加したと聞きます。現代の地球環境保護二酸化炭素削減による温暖化対策を提唱してきた欧米先進諸国は世界を間違った方向へと誘導していると感じます。


現代の環境問題や温暖化・砂漠化・食糧不足の最大の原因は、二酸化炭素というよりも、欧米が世界中に牛豚羊の肉食文化を習慣づけたことであるからです。そして、中国や途上国での肉食文化の人口が急拡大することと水資源・食糧不足や海洋汚染やウイルス感染によって、近い将来には食べたくても食べられない時代が到来することは間違いありません。


そこで、この悪循環を断ち切るには、過剰な肉食文化から菜食・菌食中心の伝統的食文化へと回帰する食文化革命が急務であり、この人類的大事業の旗手として日本民族が最適であると私は考えます。


インドのように戒律遵守の禁欲的節制で肉魚を断つのではなく、肉や魚よりも手間がかからず、罪悪感も無く、美味しい「肉感コピー食品」を開発製造することで、肉食文化から卒業することが望ましいといえるでしょう。


その観点で世界の民族の中で適任を捜すなら、日本のように伝統的菜食・菌食文化でありながら世界の味を知り尽くし、<道>にまで極められる食文化精神を持つ民族こそが最適だと思います。


実際に現在でも、グルテン・おから・コンニャクなどを使った「肉感コピー食品」を様々に開発しています。日本の産業界が結集して遺伝子工学や最先端技術を駆使すれば、癌や難病の治療薬や宇宙開発に比べれば、簡単に実現できる国家プロジェクトだと思いませんか?


日本の若者が世界に羽ばたかなないとか、野心や挑戦意欲に欠けるのは、日本民族として世界のために貢献できる国家ビジョンやミッションが明確でないからだと思います。


今こそ、欧米先進国では対処不可能な分野において、日本国家が世界救済大事業である食文化革命を<旗印>に高く掲げて世界を誘導するリーダーになることを国家戦略とすることが有効であると考えます。【了】