梅と梅毒


予報通り明け方からの雪がお昼前には雨に変わった。それでも、この地ではこの冬最高の積雪で数cmあっただろう。大屋根の雪がテラスの上に落ちてきてテラスから花壇を直撃しそうなので雪国並に屋根雪ならぬテラス雪下しの羽目に。人騒がせな春の雪だ。


来週の水曜19日は二十四節気の「雨水」だ。雪が雨に変わり雪解けが始まるという日で、忍び寄る春の気配に草木が蘇る頃だ。庭の梅の木もこの雪に震えながらも、昔あった(今でもあるかもしれないが)「梅ぼし仁丹」みたいな蕾が膨らんでいる。



こんなことを”ふと”思った。万葉の昔から春を告げる花としてもてはやされていたこの「梅」、よりもよって、何の因果で性病の名前「梅毒」のネーミングに貢献しているのか? いつまでも、喉に刺さった魚の骨があってはすっきりしない。ネットだ。




発症から3ヶ月後くらいに見られる赤いしこりが楊梅(ヤマモモ)の果実に似ているので楊梅瘡(ようばいそう)と呼ばれた。いつのまにか「楊」の字が取れて次第に梅瘡⇒微毒⇒梅毒と変化した。そうだ。日本の風流を代表する「梅」がコロンブスアメリカ大陸発見以来人類の敵とされてきた「梅毒」と”いっしょくた”にされることは不本意なことだろう。菅原道真さんに申し訳ない。