小便器にハエの絵
シルバーウィークも終わった。とたんに台風の接近と雨だ。これが天の配剤というものか。働く人たちの休みの間好天にしてくれた。
大型連休があるたびに思うことだが、短期間に大量の観光客をさばいて、年間の売り上げの多くを稼ぎ出すと云ったような観光事業。長い目で見て、このような制度がほんとうにいいものか、いささか疑問だ。
旅行記もこの辺で「こぼれ話」としよう。アムステルダムの現地ガイドは先に紹介したとおり現地在住歴30年ガイド歴20年のひょうきんな日本人おばさんガイドだ。ツアー最終日アムステルダムのスキポール空港へ我々を送るバスの中で、真面目な顔をしてこんな話を始めた。
スキポール空港の、男子トイレの小便器にハエの絵を描いたところ、トイレの汚れがかなり減ったそうでそれまで年間7億円かかっていた清掃費が20%(1億4千万)削減されたということだった。
このハエを見ると、ほとんどの男性がこのハエをめがけて小水をかけようとする。便器の真ん中にハエがあることで小水をそこに誘導し、飛び散りを最小限にしてトイレの清掃コストを下げるための工夫だということだ。
また、同空港には女性用の”立ちション便器”があるそうだ。後ろ向きの中腰で使用するイラストの解説までついているそうだ。好奇心旺盛なクマさん、男子トイレは試射してこのような写真も撮って来たが、さすがに女性用の便器の見物までは遠慮した。
北のベネチァとも呼ばれる水の都アムステルダムの運河クルーズ。主な運河とアムステルダム港を1周する。運河に沿って並ぶ古いレンガ造りの家、次々に現れる水上生活者のハウスボート。見る者を飽きさせない。港に近い地域になると古いレンガ造りとは対照的な超モダンなデザインの建物に目を奪われる。
このガイドからオランダの学校は、学校ごとに教育方針があって教科書は学校ごとに異なっている。前日に話を聞いていた。便器に対する発想といい、奇抜なデザインの発想といい画一的な優等生づくりの教育からはなかなか生まれて来るものではないだろう。