真実の口


薄雲がかかり、ある程度乾いた風のおかげでまずは過ごしやすい週末土曜だった。あの映画『ローマの休日』で、グレゴリー・ペック扮する新聞記者がオードリー・ヘプバーン演じるアン王女を驚かそうとして、伝説に基づき悪ふざけで「真実の口」に手を入れて、抜けないという演技をしたシーンがあった。



その「真実の口」はローマの観光スポットサンタ・マリア・イン・コスメディン教会にある。手を口に入れると、偽りの心がある者は、手を抜く時にその手首を切り落とされる、手を噛み切られる、あるいは手が抜けなくなるという伝説がある。5年前、30分くらい行列して手を入れたが、難なく抜けて今がある。


今週は日大反則タックル事件や米朝首脳会談の中止や籠池夫妻の釈放で国会の働き方改革法案の強行採決も影が霞んだ感じになったほどだ。モリ・カケ問題は「真実はひとつだけ」といって、もう1年もすったもんだやっている。国会がいつのまにか法廷に様変わりしている。こうなったら、日大事件もモリカケ問題も当事者がみんな揃って、「真実の口」に手を入れて、早く白黒をつけてほしいものだ。