TOHOシネマズなんばで「秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE 〜総統は二度死ぬ〜」

mike-cat2007-05-22



TOHOシネマズのマナー告知でもお馴染み、
THE FROGMAN SHOW製作の脱力系フラッシュアニメ、
「秘密結社 鷹の爪」劇場版がついに大阪上陸。
TV版と一挙放映の「なんばナイト」を見逃してしまったが、
3月の公開からずっと待ち望んだ、期待の一本だ。
ちなみに同時上映は「古墳ギャルのコフィー」


世界の私物化を目論むフェンダーミラーを打ち破った鷹の爪団だが、
世界征服を企む総統たちメンバーの前には、新たな危機が迫ろうとしていた。
大家さんからの家賃の督促に耐えきれず、夜逃げを図った鷹の爪団。
しかし、レオナルド博士(くま)の開発したマシンは、
迫りくる大家を振り切り、なぜか遙かなる宇宙へ。
広大な宇宙で進行する巨大な陰謀、そして総統の隠された過去…
そして物語は、6部作で有名なあの映画みたいな展開へ―


あの、口だけが動く、チープなヘタウマ絵と、
総統と吉田君のダメダメな掛け合い漫才(?)だけで、
70分保たせるのは至難の業かと思われたが、いやいや立派なエンタテインメント。
あの脱力系テイストはそのままに、壮大にスケールアップされた物語で、
最初から最後まで、たっぷりと笑わせ、楽しませ、ほんの少しだけグッとさせてくれる。


笑いのネタは多種多様。シニカルなギャグに、不条理・ナンセンスな自虐ネタ、
かと思えば、小学生男子なみの下ネタに、壮大な楽屋オチと、笑いが満載だ。
スクリーンの右端には、製作予算の消化具合を示すバジェット・ゲージ。
世界初の試み、と開き直って、どこでムダな予算を使ったかを正直申告する。
まずは観てのお楽しみだが、「そこだけでそれかい!」的なお約束はもちろん、である。
おまけにそこら中に広告を散りばめた「プロダクト・プレイスメント」に、
「鷹の爪団」グッズ販売のお知らせまで、まさに好き放題の極致。
それでいて、観るものを決して退屈させないのだから、たいしたものである。
ついでに、カップル向けの「告白タイム」まで用意されているのだから、サービス満点だ。


おなじみ、総統と吉田君のマヌケな会話はもちろんのこと、
えげつない正義の味方、デラックスファイターのとんでもない活躍ぶりに、
レオナルド博士の何だかマヌケなガジェットの数々、
そして、総統の意外な素顔に、思わず没頭してしまう70分間。
いまさらながら、DVDで昨年放送のテレビ版を観たくなる。
さりげない社会風刺に、思わず納得のメッセージなんかも添えられ、
なかなかのクオリティどころか、傑作という言葉でも遜色ない1本だ。
何でも第2弾も製作中との噂、どんな映画になるか想像もつかないが、嬉しい限りである。