GPファイナル2016 男子FS

GPファイナル2016 リザルト
男子FSは、現地時間2016年12月10日(土)に行われた。
後日、動画で全員の演技を生観戦した。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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1 宇野 昌磨(日本)

  • SP順位:4,得点:86.82
  • 楽曲:
    • Buenos Aires Hora Cero by Astor Piazzolla
    • Balada para un loco by Astor Piazzolla
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

今回彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4F 4T 3Lo 3A 4T+2T 3Lz 3A+1Lo+3F 3S
4FはOK。4Tはオーバーターン。4T+2Tはすばらしい。3Lzに!がついた。GOEで減点された要素は4Tと3Lzだけ。連続ジャンプがようやく2つ入ったぜ☆
スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
とっっっってもかっこよかった!! 以上!!(笑) それ以外の言葉が見つからない。試合を経るごとにどんどんかっこよさを増している。
フリー195.69、総合282.51で、フリーは自己ベスト更新! 現時点で総合1位。

2 アダム・リッポンアメリカ)

4T<<で転倒、2本目の3Aでお手つき、3Lzで転倒…等々、ジャンプのミスが目立った。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
ジャンプのミスが目立ったが、それでもこのプログラムの素晴らしさがちゃんと伝わってきた。ステップでは傷ついて、さみしそうなのが分かるし、コレオを見ていると、何とも言えない感情が湧いてくる。切なさだったり優しさだったり…。滑りでここまで魅了するスケーターに成長したんだなぁ。
フリー149.17、総合233.10。現時点で総合2位。

3 ネイサン・チェン(アメリカ)

  • SP順位:5,得点:85.30
  • 楽曲:Polovtsian Dances (from "Prince Igor") by Alexander Borodin
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

今回彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4Lz+3T 4F 4T+2T+2Lo 4T 3A 3Lo 3F+3T 3Lz
クワド4本&3A1本でノーミス!! スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
終盤のステップでしんどそうな顔をしてたけど、動きはちっとも衰えず。最後のスピン2つがいつもよりゆっくり回転だったところに、疲労の片りんは見えたけど、演技後はけろっとした顔してるもんなぁ。スタミナすごいわ〜。
プログラムの完成度は、試合を経るごとにどんどん増している。
フリー197.55、総合282.85で、自己ベスト更新! 現時点で総合1位。

4 羽生 結弦(日本)

  • SP順位:1,得点:106.53
  • 楽曲:Hope and Legacy by Joe Hisaishi
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

今回、彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4Lo 4S 3F 4S 4T 3A+3T 3A+1Lo+2S 1Lz
4Loをクリーンに着氷。4Sはすばらしい出来栄え。3Fは振付の一部みたいに軽々と。ここで「歴代最高きちゃう!? きちゃう!?」とソワソワしていたら、4Sで転倒し、連続ジャンプにならず。でも次の3A+3Tがいつも通りにすばらしかったので、「あ、大丈夫だ、持ち直した。次も得意な3Aだし!」と思ったところ、3A+1Lo<<2Sでバランスを崩した。その後のコレオは疲れが見え、最後のジャンプのルッツはシングルに。
スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル4。
前半はめっちゃよかったんだけどな〜。やっぱ後半の4Sが鬼門みたい。NHK杯でも転倒してたもんね。
フリー187.37、総合293.90。現時点で総合1位。

5 ハビエル・フェルナンデス(スペイン)

冒頭の4Tがトリプルに。2本目の4S<の着氷が乱れ、3Aで転倒するなど、ジャンプのミスが目立った。あと3Fに!がついた。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。スタミナが切れてしまったらしく、終盤のスピンではいつものキレがなかった。
ジャンプのミスはともかく、彼の魅力的なステップが(本人比で)イマイチで、悲しかった。
フリー177.01、総合268.77。現時点で総合4位。

6 パトリック・チャン(カナダ)

  • SP順位:2,得点:99.76
  • 楽曲:A Journey by Eric Radford
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

衣装変更。肩から胸にかけては紫。そこからぼやぼやんとグラデーションがかって青へ。…う〜ん、これまた何とも評しづらい衣装だな(汗)。
冒頭の4Tと3A2本で転倒し、後半の4Tがトリプルになるなど、他のビッグジャンプをことごとく失敗しておきながら、これまでずっと転倒していた4Sだけクリーンに着氷するとか、わけわからん!!(泣笑)。成功したジャンプの質はよかった。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。
ジャンプで3回転倒したけど、疲れがまったく見えなかった。毎度のことながら、コレオとステップにおける音楽との調和はおみごと。
フリー166.99、総合266.75。総合5位に決定。

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◆総合順位
男子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Yuzuru HANYU JPN 293.90 1 3
  2. Nathan CHEN USA 282.85 5 1
  3. Shoma UNO JPN 282.51 4 2
  4. Javier FERNANDEZ ESP 268.77 3 4
  5. Patrick CHAN CAN 266.75 2 5
  6. Adam RIPPON USA 233.10 6 6
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◆総評
男子FSは、後半3人が自分の納得いく演技ができなくて、わたしもガックリきた。特にハビとパトちゃんよ…(涙)。男子の3大巨星が一緒に表彰台に上がる姿が見られるかと期待してたのになぁ…(ため息)。
優勝した結弦くんは、これでGPファイナル四連覇達成☆ おめでとう! でも、彼自身は、「宇宙丸ごとのめるんじゃないかというくらい悔しい」とのこと(笑)。
見てる方としては、ファイナルでまたクリーンな演技をされたら、かえって心配になったので、これぐらいでよかったんじゃないかと。ピークはワールドに持ってこなくちゃ!
総合2位はネイサン。GPファイナル初出場で初表彰台、おめでとう☆ この超高難度ジャンプ構成プロをものにしつつありますな。あとはSPとFSを2本そろえられるかどうか。全米でそろえられたら、タイトルはまず間違いなく手中に収められるであろう。
3位は昌磨くん。時差ボケで調整に苦しむ中、FSでは良い演技ができてよかった。このフリーで、新境地が見えたそうなので、全日本ではぜひノーミスの演技を期待したい。
4位はハビ。EXの実況アナによると、試合前、ハビが「GPファイナルではまだ優勝してないから、優勝したい」と意気込んでいたらしい…嗚呼(泣)。今回はまたとないチャンスだったのになぁ。ま、狙って勝つのって難しいよね。ワールド二連覇だって、どちらかというと、無欲の勝利って感じだったし。ユーロでまた超絶かっこいい演技を披露してください☆ 目指せ、ユーロ五連覇!!
5位はパトちゃん。…まーねー、前のGP中国杯でめっちゃ良い演技してたから、今回も好演というわけにはいかんだろうとは覚悟してたけども。カナディアンアクセルの呪いが、そう簡単に解けるわけはないのだ…嗚呼!!(泣) それでいて4Sはめっちゃきれいに成功させるとか、わけわからん!!(泣笑) …なんでこんなに読めない人なんだ…ファンでいるのきつい…だからってやめられないんだけどさ…(ため息)。
6位はアダム。ジャンプは不調だったが、表現面はぐんぐん深まっており、全米への期待が高まるばかりである。全米でクリーンな演技をして、またわたしを泣かせてほしい。