セゾン自動車火災の自動車保険改定

4月1日始期契約からセゾン自動車火災保険株式会社自動車保険の改定を行うとのことです。
「「シンプル」「わかりやすい」をコンセプトに自動車保険の改定を実施」
http://www.ins-saison.co.jp/images/scripts/img220090330152024.pdf
セゾン自動車火災保険株式会社 News&Topics 2009.3.30)
 
ざっとリリース資料を見たところ、主たる改定点は、約款の簡素化と平明化のようです。この時期の平明化ですから、おそらく日本損害保険協会にある保険約款および募集文書等の用語に関するガイドラインに沿ったものになっていると思われます。
細かい点では、初回保険料の口座振替に関する特約および弁護士費用等担保特約の一部変更と、対面販売向けリスク細分商品であるセブン自動車総合保険に個人賠償責任危険担保特約の新設をしたそうです。この新設特約の名称を見る限りでは、先に挙げたガイドラインをあまり厳密に適用していないようです。ガイドラインでは"担保"は"「補償」など"に言い換えることになっていますから。
 
リリース資料を見ても、ちょっとこれは分かりやすさの点でどうかな?と思うところがあります。

■契約条件
・セゾン自動車総合保険・自小乗・初度登録2008年12月(新車割引あり)・12等級
・対人無制限、対物無制限(免責0)、搭傷1000万(テーブル払)、人傷5000万(車外・交傷)
・関東・12000km以下・日常レジャー・夫婦限定 ・35歳以上担保 ・ゴールド免許

具体的には↑の部分ですが、「搭傷」「人傷」で即座に意味が通じるのは損保業界の人だけでしょうし、説明もなく「12000km以下」とあったときにこれが年間走行距離だと分かるのはリスク細分型自動車保険に慣れている人くらいではないでしょうか。
ついでに付け加えるなら、契約条件として保険料算出に必要な条件である料率クラスが載ってないです。平均値ではなく、一例として挙げるのなら、再現できる条件を記述する必要があります。尤も、これは募集文書ではないので、そこまでうるさく言う必要はないのかもしれませんが。
 
セゾン自動車火災の自動車保険の商品ラインアップですが、このリリース資料を見ただけではよく分からなかったので、ちょこちょこと調べてみました。
どうやら、対面販売向けに新自動車総合保険(PAP)(従来型)とセゾン自動車総合保険(リスク細分型)、通販チャネル向けにセゾン自動車保険(リスク細分型)という整理になっているようです。ペットネーム:セゾンの自動車保険と言えば、後者のセゾン自動車保険のことのようです。
リスク細分型の自動車保険を2つ持っているのは、おそらく通販チャネル向けでは価格競争力を持たせるためでしょうね。同じ損保会社の中で、まったく同じ商品で異なる保険料という一物二価は認められませんから。補償範囲も対面販売向けの方が厚く作ってあるようです。今度新設した個人賠償責任危険担保特約も本当は両方に付帯可能にしたかったけど、違いを出すためという理由で片方にしか付帯できないようにしたのではないかと思われます。
 
変な時期に改定をしたなというのが、正直な感想です。約款が公開されていないので、断言できませんが、おそらく今回の改定では保険法対応はなされていないと思われます。そうであれば、保険法の施行までにもう一度改定を入れなければならないということです。場合によっては1年も立たないうちに2度改定するということになります。
これは対面販売では特にコスト増の要因になります。何しろ、パンフレットや約款などの募集ツールを一斉に切り替えなければならないからです。このあたりは大手社と違って、それほどの数でもないのでしょうか?