漫画脚本[マルコ]第一話


教室でたむろする数人のクラスメイトのなかの一人:「マル子ー、ちょっと携帯鳴ってるよー!」


トイレから帰ってきたマル子:「いいじゃん鳴らせておけば」スーパーボールをバウンドさせつつ


数人のクラスメイトのなかの一人:「えーー、でもかけてきた人困ってるよきっと!」


視線が合い沈黙


二頭身になって足をバタバタさせ互いのほっぺをつねりながらじゃれあうマル子とクラスメイト


チャイム


下校する生徒たち


校門、バイバイとか待ち合わせについてしゃべる生徒たち


マル子とクラスメイトの一団登場


マル子:「じゃ、わたし用事あるからーバイビー」そそくさと立ち去るマル子、子鹿と歩いている


クラスメイトたち


通り、うつむいて歩くマル子


ふと、天を仰ぐマル子


太陽、じりじり、あつい


うつむく


マル子独演:「私は君たちとの軋轢に困ってるよ」



信号待ち、横断歩道、おばあちゃん、小学生たち、アクセルをふかすバイク、宅配ピザ


夕陽


階段を昇るマル子


辺りの様子を伺いフェンスによじ昇るマル子


見上げるとそこに


光沢を放つ巨大ガスタンク。


つづく

漫画脚本[マルコ]第二話


ポケットから取り出したスーパーボールをガスタンクに全力で投げる


スーパーボールがあらぬ方向に飛んでいく


少女漫画らしからぬ速度でスーパーボール追いかけるマルコ


取ったらすぐ投げる


はねかえってくる


難しいバウンド/瞬時に判断/後ろに下がりジャンプ一番


手裏剣投法


左のガスタンクと右のガスタンクをスーパーボールがジグザグにぶつかる 二頭身マルコ


スーパーボールがあらぬ方向へ闇に消えていく


すず虫


すぐさま新しいスーパーボールをポケットから取り出し投げる/遠方の図


電線とカラス


月夜とガスタンク、後ろに鉄塔、風に揺れる送電線


スーパーボールの挙動を捕らえ続けるマルコの眼光


闇に懐中電灯の光、マルコをてらす


場面変更/家


クラスメイトA子の部屋、
TVの音声
A子ベッドの上で携帯電話をつつきつつ
「ほんとあいつ携帯でねーよな・・・」


テレビのバラエティ番組、コンビのお笑い なんでやねん/ナハハハハッ/


一階から母「A子ちゃーん、A子ちゃんの大好きなデミグラスソースの○×作ったわよー、降りてらっしやーい(はあと


A子:「ちっ、糞ババアが」携帯電話のパカパカを閉じながら


A子:「はぁーい(はぁと ママーン



場面展開
警備員とマルコのアップ/警備員口をあけてる/二人共同じもの見つめてる



黒ベタに白の点、流れてる点



マルコ:「ほたるー-(星


心からうっとりして故郷の四万十川を思い出したような警備員の表情


コラー、君はここ立ち入り禁止どうのこうの と二頭身で足をバタバタさせて怒り出す警備員 と二頭身で
耳をふさいでいるマルコ


「ごめんない、私間違えちゃって 帰ります」:美女風マルコ


社会的役割をまっとうしようとする気持ちと、わくわくする楽しさが入り混じった警備員の表情


マルコそそくさと立ち去る


躊躇なく木の枝を折り


助走し


棒高跳びの要領でフェンスを越える


パンチラと----------------------------------------------満天の星空


警備員がよだれをたらして目がロンパリになっている


カラスが飛び立つ


雲が流れ月へ


クレーター


信号が変わる


意味不明な何かに愕然とする警備員/遠目


の頭にスーパーボールがぶつかる。


第二話完