dip/pharmacy

pharmacy

funmachineレコーディング中に行なわれたNYライブと
凱旋帰国ライブ+新曲を含む、ライブ盤。
前回が極悪音質としてあまりにも名高いためか(が私は結構好き)
音質は最初、ライブとは思えない出方をしてる。
一言で言えば、聴かせるライブ盤。
観客との臨場感溢れる(前回は溢れ過ぎか)云々よりは、
dipの音を聴け!というような。
曲ごとに各パートの音の粒が立っていて、
このあたりはfunmachineに通じると思う。
特にベースがでまくり。

さて、以下は長過ぎる感想になりますので
ついて来れるコアな方はどうぞ。。。ああ、スミマセン。。




■harlemnocturne
ベースの軋み歪むところまで聴き取れる、迫りくる響きに心動かされる。
NYのライブハウスの雰囲気さながらなのか、いなたい空気を醸し出す。
じわじわーっと染み行く音の流れが良い。


■emilu
元々は冷えたサイケデリックな音だったけど、
1曲目の流れを引き継いでか、泥臭いサイケデリックさに思えた。
インスト部分の展開は当然のごとく引き込まれる。真骨頂。


■sludge
ギターも次第にノッてきて、執拗に性急に流れてく様は圧巻。
痺れ転げます。のたうちます。これぞ正にヤマジギターでしょう!


13階段への荒野
イントロの重い音が鳴るだけで背筋が伸びる。
歌詞もよく聴き取れ、ドラムとベースがしっかりと支え、
そこにのるギターも重みが増している。
荒んでいるのに重厚で、絶望の向こうの光が差す、
胸を掴まられるラストの撓み、響き。
名曲との声の高さを確実に頷かせられる。


9souls
このところ凄みが高まってライブではキラーチューンである。
ハンマービートで時折だだっと締めつつ昂揚させてくれるドラム、
絶妙な位置でちょろちょろとうねうねと蠢いてくれるベースと、
キラキラとした輝きを加えてくれるキーボード。
それらが体を駆け巡り、ギターは走り出す。
後半の音の応酬はもう、たまらん!狂うこと必死。


■to here never come
ここで小休止。スタジオ録音の新曲。
ライブで聴いたときは光が差して見えた、穏やかな曲。
せつなくあたたかで端正な音。


■seed
ここからchopでのライブ。
この曲はヨシノさんのコーラスに尽きるでしょう!


■underwater
心臓の音のようなドラムとベースがドクドクと安心感を与えてくれ、
滑らかでいて硬質なギターがどこまでも続いてく。
この広がりはライブならでは。
最後、もう少し高まりをひっぱってくれたら、最強。


■bend your head
どうにもせつない。果てを感じる。曲調自体はそういうんじゃないのに、
いたたまれなくなるのだ。
そして雪崩れ込むのは、


■she cracked
頭のネジがふっとぶ。狂。ぎゃー。



■echo in,echo out
新曲。エフェクトを掛けたボーカルにまず驚いた。
静かに佇む音が、悲しく遠くへ運んでくれる。


さて。
最初に書いたけど、音がクリア。
それもまた良いのだが、ライブならではの雑味エグミまでも
消えてしまっているのが、勿体無い。
もっとも、途中に新曲挟むくらいだし敢えてそうしているのかも。
そのへんが、ひねくれてるっつーか、らしいっつーか。
そもそも1曲目あれにするロックバンドって!!


ライブでもいい状態だというのが体感できるし、
対バンのファンもついてきたりで、今年は更に!!と思っていた矢先、
しばらく活動休止だぁああと!
こんなところもらしい、のかなあ。。
個々で新たな力を貯えて、反映してほしい。
あの暗黒?の時期を思えばね。