花嫁

昨日の続きです。


     「五月」
     悲しめるもののために
     みどりかがやく
     くるしみ生きむとするもののために
     ああ みどりは輝く


室生犀星の詩を紹介した時に、
「輝くみどりの中で、あなたに会えるような気がする・・・」と書いたところ、
ブログ友の雅詠さんが
「鮮やかな緑・・・輝きの中で大切な人に出会える気がします」
とコメント下さいました。


不思議なことに・・・その日の帰り道、本当に出会えたんです!


吹奏楽を聴いた後デパートへ寄り、
広坂通りを四高記念館の正面を通って帰りました。



続いての「しいのき迎賓館」、建物反対側はガラス張りになりましたが、
正面側は旧県庁舎のままです。


すると・・・花嫁姿がチラチラ見えるではありませんか。


どうやら前撮りらしく、普段着の家族が3〜4人いるだけ、他には誰もいません。
「写真撮らせてもらってもいいですか」
「どうぞ、いいですよ」
「ブログに載せさせてもらってもいいですか」
「いいですよね」と顔を見合わせる新郎新婦さん。



このあたりだと、
尾山神社金沢城、ひがし茶屋街では見かけたことがありますが、
“迎賓館の玄関”での記念撮影に出会ったのは初めてです。
私一人のために待っていてくださったような花嫁姿に感動しました。


郁代が余命を知ったのは、婚約者と結婚式の日取りを話し合っている時でした。
花嫁姿の郁代を見たい、郁代も花嫁姿になりたいだろう・・・
「ウエディングドレスを着て、簡単な披露宴をしたらどうだろうか」
という話題が出たとき、郁代はキッパリ言いました。
「お母さんが喜ぶならしてもいいけど・・・私は病気が治ってからにしたい!」。


こちらを向いてにっこりと笑ってくださった花嫁さん、
あなたは郁代だったんですね。


花嫁姿になるという母との約束、郁代は忘れていなかったんだね。


胸がいっぱいになりました。
ありがとう!  ありがとう!
「あなたにあえてよかった」


「若いお二人に幸あれ」と心からお祝い申し上げます。