「しあわせの法則」

         夢の雫   西嶋貴丸・作詞    白井貴子・歌 

かっこちゃんのメルマガ第1642号
宮ぷーこころの架橋ぷろじぇくと(2014年2月2日)より引用させて頂きました。

今回のきんこんの会にはたくさんの方が参加されました。
夢の雫の西嶋さんの奥様も西嶋さんと一緒に参加されました。
その模様です。

「しあわせの法則」 2014-01-25 (抜粋)

  
朝、病院につくと、妻は気合いの入った目をしていた。やっぱりな。
今週の眠り姫週間は、今日という日に照準をあわせ、しっかりと妻なりにコンディションを調整していたのだろう。

「調子はどう?きんこんの会、行けるかい?」
<うん、うん>と二回首を縦にうごかし、頷いた。
12時30分には出発したいので、今日はいつもより早くお昼の経管栄養がはじまっている。12時に処置をして、置き替えをして、ちょっと早いけど、12:20分に出発することになった。
今日の行き先は、田園都市線たまプラーザ駅そばの、国学院大学だ。
土曜日は混んでいることが多いけど、今日は予想より順調だ。
現地へむかう途中の道が、近くなるにつれて、思い出が溢れ出していることがとなりにいて、はっきりと感じた。
後部座席からフロントガラスの外の景色を見ている顔が、
明らかにそう感じさせる表情へと変化していった。

この内容は、きんこんの会の記録が後日アップされるだろうから、詳細は割愛する。
しかし、毎回おもうのだけど、この会は本当に素晴らしい。
柴田先生と、この会を支えてくださっている様々なスタッフに心からのエールとともに感謝をいたします。
この会の特徴は、みなさんご存知だと思いますが、障がい者である当事者の発言の場であるということです。
柴田先生は、一通訳として、進行内容にはいっさい言葉をはさみません。
議事進行の司会者も、障がい者である当事者が行い、
柴田先生はその指示により、あっちこっちに走り回りながら、息をあげながら、通訳だけに集中しています。

「あー、そうか!!」・・・僕は今日気づきました。
きんこんの会は、僕自身は今日で5回目の参加ですが、こんな簡単なことに今まで気がつかなかった。
障がい者というのは、いつも受け身で生きているしかないという、社会構造になっているのです。
しかしここに来ると、能動的である自分を選択できる。
この選択肢は、一般社会にはないのです。
この柴田先生がいる、きんこんの会には、その選択肢があります。
簡単に言えば、、、
誰もが自分の人生の主人公になれるのです。
自分の人生の主人公は自分・・・あたりまえです。

しかし、とてもへんな話しですが、現代社会の中で生活している障がい者たちは<自分の人生>であるにもかかわらず<主人公>になれずに<わき役>で生きていかざるを得ないという状況に直面しています。
何と言うことでしょう。
僕はこの事にまったく今まで気がつかなかった。

千葉の施設での事件についても、ぼくらより深い洞察力をもち、ぼくらよりもっと深くその状況を考えているのが、障がいをもっている当事者たちでした。
これについては、きんこんの会の今日の記録を読んでいただければ、わかると思いますので、ぜひ後日読んでみてください。

後半にさしかかって、司会者より指名があり、
妻が少しだけ話しをする番がきた。
これまでの話しの進行に聞き入っていた妻は、
まず、障がい者である当事者の立場、考えについて、
健康なときには考えたことがなかったが、自分が当事者となり、初めて様々なことを理解できるようになったという話しからはじめた。

西嶋さんの奥さん (仙台のしげちゃんが、文字起こしをしてくださいました)
・・・・・
私は男の声で大丈夫ですよ。いま一瞬代わらなくてはと思ったと思います
が、私はこれで大丈夫です。
私はこの先生に5月頃に会って、いきなりすらすらと通訳させられて驚いたというか、私は、自分は十分に幸せな人生を生きてきて、この状態になったので、
旦那が昔以上に私を愛してくれるこの状態に満足していればいいと思っていたので、別に強い思いで話したいと思っていたわけではないし、
今でも今日の話をうかがっていると、やはり私は幸せな人生を十分に生きて今があると思うので、私は発言さえしなくていいように思っていました。

なぜなら本当に十分にいい人生を生きてこれたので、
特別なこの状態になっても、まさか旦那は私を置いて逃げるとは思わなかったけれど、私のことを前以上に大事にしてくれるとは思わなかったので、
置いて行かれなければいいとぐらいに思っていたら、
最近は、うちの亭主は、私のことが生きがいみたいになっちゃって、
本当になんで他人がこんなふうにまでなれるのか不思議で、不思議でしかたないので、さきほどの司会者の方の質問にはうまく答えることができません。

でもこれが人間の不思議なところで、私がこの状態になって一番びっくりしたのは、私のような状態になってもそうとうたくさんの人が、
私のことを大事にしてくれたことです。

私もさきほど、帰られたのですか、くりはらさんが言っていたように、
元気なときには障害者のことなど、これっぽっちも理解できていなかった人間ですが、いったんこういう状態になってみると、
自分は障害に関係ないのに、障害者のことにこんなにも一生懸命になる人がいるのが分かって驚くばかりでしたし、
この先生だって、初めて私に会ったときから、こんな状態を見ても、悲しい顔ひとつせずに、にこにこと私のベッドに近づいてきたので、
私にはそれが驚きで、私の親友たちは、私がもう何もわからなくなったと思っていたから、私のベッドに来ると、みんなハンカチを握りしめて、
おいおい泣きだしてしまうのですが、
私としてみれば、私をそういうふうに愛してくれていたことにとても感謝の念が湧くのですが、
私はちゃんとここに理解できているということが伝えられなくて、
私は普通にしていると、言いたいのに、
なかなかうまく言えなくて困っていました。

ところが、この先生はそんな顔ひとつせずに、ハンカチは使っていましたが、
それは私が感動的な話をすると、この先生はぽたぽたと涙をベッドのうえに落としていましたが(笑)、
それ以外は、私のことをにこにこと、
まるで私の昔の友達であるかのように話しかけてきたので、
本当になんでこんな人たちが生きているのか、私にはよくわからなかったし、
今日も一度、この会に出てみたいと思っていたけれど、
こんなにたくさんの人が、私たちのような状態にある人間のことを、
きちんと理解しようとしているのには驚くばかりです。
そういう意味では、人の世の中の不思議さがよけいにわかるようになったし、
私のような人間でも、人はやはり、人を大切にしなくてはいけないということを、心の底からわかったので、
いま息子たちに一番教えていることは、
あなたたち、ちゃんと人を大切にしなさいということなので、
私のような人間でも、この状態で得るものがあったというのは、
本当に不思議な感覚です。

あまりしゃべりすぎても申し訳ないので、
以上で終わらせていただきたいと思いますが、
私の夫は、なんだか昔は、けっこう羽振りのよいディレクターみたいなことをし
ていたので、私のホームページを開くと、けっこう有名な歌手が私のことを歌にしているので、一度聴いてみるといいと思います。

夫がどこまで私を一生懸命愛してくれたか、そこにはあるそうなので、
みんなそれを見て、おいおい泣いていると思うので、
夢の雫というブログというのですか、そのへんで探すと有名な歌手が・・・白井
貴子という有名な歌手が歌っているので、ぜひ聴いてあげてください。

別に宣伝というよりは、こんなふうに夫は妻を愛するものなのよという、
ちょっと私の得意げな話です。

みなさん、結婚には縁遠いとおっしゃいましたが、べつに結婚だけが人生じゃないけど、
こんな状態になったときは、結婚していたのはとてもよかったけれど、
私の友達にも一人暮らしをしている人がいるし、結婚はどっちでもいいというくらいに考えておかないと、
結婚できないことが幸せじゃないみたいに考えることが大間違いで、
私の友達はみんな、
あんた不幸ね結婚しちゃってと言っている仲間も多かったので、
そのへんはご理解、よろしくお願いします。(笑)(拍手)
・・・・・・

西嶋さんの奥様はなんてユーモアのある方なのでしょう。
そして、西嶋さんのブログと合わせて読ませていただくと、
西嶋さんの奥様は、今も奥様らしく生きておられるんだなあと思うし、
なんて素敵なご夫婦だろうと思います。
                       かつこ

☆  西嶋さん、今日は28回目の結婚記念日なのですね。
   おめでとうございます。