[盛岡]第27回北上川大賞典|優勝:ウツミジョーダン|父:トロットサンダー|生産:静内町・神垣道弘牧場

 東日本交流で行われた盛岡の秋の長距離王決定戦、北上川大賞典は、単勝3番人気のウツミジョーダン(牡4歳)[小林俊彦騎手、村上佐重喜厩舎(岩手)]が、後方追走から勝負所で進出し、直線の競り合いをアタマ差製して優勝した。勝ちタイムは2:42:6。

 【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】 [MIT杯:盛岡・ダート2500m:晴・良]

 レースは、この秋岩手に転入してきた2001年の七夕賞(GIII)勝ち馬ゲイリートマホークと2000年の東京記念勝ち馬イナリコンコルドの先行争いから、ゲイリートマホークがハナを切る展開。せきれい賞勝ち馬サイレントグリーンと、昨年のこのレース2着のトニージェントが好位を追走。昨年のこのレースの勝ち馬でここは単勝1.7倍と断然の一番人気に推されたデンゲキヒーローと、JRA未勝利からこの夏岩手に転入して以来4連勝中のエイシンコンバインは中団からの競馬となる。

 勝負所で早くも先行勢が一杯となると、代わってトニージェントが早くも先頭に立ち、後方に待機していたウツミジョーダンも一気に好位に進出。デンゲキヒーロー、エイシンコンバインも徐々にスパート態勢に入る。

 直線を向くと、先に抜け出したトニージェントと、これに並んできたウツミジョーダンの完全な一騎打ちとなるが、最後はウツミジョーダンがアタマ差競り勝って優勝した。

 アタマ差の2着にトニージェント、4馬身差離された3着には中団から勝負所で一気に捲ったマツリダタロウが流れ込み、人気のデンゲキヒーローは、直線差を詰めたものの4着まで。同じく直線追い込んだエイシンコンバインは、さらに3馬身差離された5着。

 以下、1999年の新潟記念(GIII)勝ち馬ブリリアントロードは、後方から差を詰めただけの8着。先行したイナリコンコルド、ゲイリートマホークはラスト完全に一杯となり、それぞれブービー、最下位の11着、12着に沈んだ。

 勝ったウツミジョーダンは、父が1996年の安田記念(GI)勝ち馬トロットサンダー、母がチヨノカツラ(母父ミルジョージ)という血統構成。北海道・静内町の神垣道弘氏の生産で、馬主は内海政行氏。2歳の5月に岩手の村上佐重喜厩舎からデビューし、2戦目で初勝利。東北2歳チャンピオン決定戦の南部駒賞で3着に入り、3歳時は船橋の齋藤敏厩舎に移籍。しらさぎ賞で重賞初制覇となり南関東のクラシック路線に乗ったものの、羽田盃で10着と大敗してそのまま休養。秋からは再び岩手の村上佐重喜厩舎に復帰し、トパーズカップウインターカップと重賞を2連勝する。4歳となった今期は、緒戦の金盃を勝った後は一般戦、特別戦を中心に使われていたが、秋になって青藍賞2着をステップに南部杯(統一GI)に挑戦。中団追走から直線内目を衝いて伸び、見せ場を作っての5着と健闘してここに臨んでいた。

 前走の南部杯の好走を考えれば、ここはウツミジョーダンにとっては順当勝ちといったところか。長年岩手のエースとして活躍していたトニージェントを負かした以上、今後岩手のエースとして、統一重賞でもそこそこやっていけそうだ。血統面からもまだまだ成長の余地を残しているはずで、今後の活躍に期待したい。トニージェントは7さいながら相変わらずの安定ぶり。さすがにもう上積みは期待できないが、岩手の限定重賞ならまだまだ上位を賑わせそうだ。マツリダタロウは、上位に離されたものの悪くはない内容。まだ4歳だし、父がダンシングブレーヴで、1997年の阪神3歳牝馬S(GI)の半弟という血統面から、まだ潜在能力を秘めていておかしくないだけに、更なる成長に期待したい。昨年のこのレースの勝ち馬で、東京大賞典(統一GI)でも4着と健闘したデンゲキヒーローは、ここでは本来能力上位のはずだが、叩き3戦目のここでもまだ万全とはいかないようだ。使いつつの変わり身に期待したいところ。