田中哲実氏による「生産地便り―コンサイナーと生産牧場」というコラム

 http://www.netkeiba.com/breed/column/?param%5Bno%5D=6952

 いわばコンサイナーの存在は、このような生産地での根強い「需要」に支えられている。結果的に一種の分業制が成立した、と言えようか。そんなことから、生産頭数は今後おそらく減り続けることになるだろうが、コンサイナーの需要はしばらく安泰だろうと思われる。

 競走馬市場が活性化するのに伴い、(1)生産牧場、(2)調教を受け持つ育成牧場とは別に、(3)馴致を受け持つ育成牧場が馬産地では分業として成り立つようになってきたという話題です。目新しいことではないのですが、今回は詳細で専門的な内容となっています。
 田中氏も文中で触れていますが、「JBBA NEWS」2005年3月号には確かに2005年3月1日現在の「馴致を行なう育成業者」一覧が掲載されています*1。また、この告知にあった「馴致については預託開始前に馴致を行なう育成業者の登録を義務付けることを予定しております」という一文の意味がさっぱり分からなかったのですが、田中氏の解説でその背景を知ることができました。ありがとうございます。
 それから、コンサイナーのビジネスモデルに触れている下記の箇所も貴重な指摘です。興味のある方は全文を読み通してみてください。

 コンサイナーにとっては、基本預託料(だいたい1日5000円程度)だけでは「旨み」がなく、「仕上げて予定価格より高く販売できた際の歩合金」で辻褄を合わせることになる。その比率は3%〜5%程度が一般的で、例えば1000万円で市場にて落札された上場馬の生産者(所有者)から受け取るのは預託料の他に50万円となるわけである。

 今回の記事は、下記の書籍を用意できていれば、とっつきやすくなると思います。 (文責:ぴ)

競馬社会をみると、日本経済がみえてくる―国際化と馬産地の課題

競馬社会をみると、日本経済がみえてくる―国際化と馬産地の課題

*1:「JBBA NEWS」2005年3月号37-40頁