聖愛幼稚園からのお知らせ 

2017-11-09 迷える羊

園長 古川陽子

子育ての悩みについてアンケートをとったところ、「赤ちゃん返り」が上位にランキングしたそうです。「赤ちゃん返り」は、退行したような行動をとることで親の愛情を確かめようとするものですが、そうできるのは親を信頼し愛しているから。弱いダメな自分を出しても大丈夫と思えるからこそ、安心して「返る」ことができる。私はそう思います。

ある誌面には、そのアンケートをもとに、様々な子育ての悩みに答えるという企画がありました。でも、子育てに正解は無くひとそれぞれ。正解を求め、その通り行えばうまくいくかというと決してそうではありません。もちろん、第三者の意見に納得したり勇気づけられたりということもあるでしょう。一方で、自分には面識がない人が不特定多数に向けて話した言葉よりも、気の置けない仲間と語り合う方が力になることも多いのではないでしょうか。

 先日の「迷羊会」のテーマは“ゆとりを持つには”でした。決してゆとりがあるようには見えない(失礼!)司祭さんのお話は、気持ちが楽になり前を向けるものでした。でもそれと同等に豊かな時間となったのは、その後お茶を飲みながら、みなさんとしたおしゃべり。今回のテーマを軸に、日ごろの思いなどを話せる時間となりました。気兼ねなく、安心して自分の思いを言える場所。相手の話を自分のことのように親身に聞いてくれる人がいること。そんなことが、日々悩みながらも頑張っている私たちに力を与えてくれるのだと思います。そして、その場所に迷羊会がなってくれたら…。迷羊会でなくとも、何かに迷ったとき、誰かに話したい気持ちのときに幼稚園を選んで訪れてくださったら、なんてステキなことでしょう。

どうかそんなときは幼稚園を思い出してくださいね。司祭さんも、私たち教職員も、いつでも聖愛家族のみなさんを両手を広げてお待ちしていますから。

2017-09-28 子どもたちの観察力

主任 栗城 円

先日、行われましたバザーでは、保護者の皆様のご協力のもと、盛況のうちに終えることができました。ありがとうございました。私は、毎年、はとぐみさんがお店屋さんになる、おもちゃコーナーを担当しています。「いらっしゃいませ!」と元気に言う子、恥ずかしそうにしている子、たくさんのお客さんに緊張してしまう子など、いろいろな表情が見らます。実は、それを見るのも楽しみのひとつにしています。子どもたちの様子を保護者の方にお伝えすると、「お店屋さんごっこが好きでよくしているので、その延長でできたんですね。」「“お店屋さんになるために、名札をつけなくちゃ。お父さんもお仕事の時つけているから!″と言って準備してきました。」など、お家での姿を教えていただきました。憧れのお店屋さんや大好きなお父さんをよく観察して真似をする。なるほど。子どもって、よく見ていますよね。私たちが、思いきり楽しめば子どもたちもニコニコします。やりたくない、つまらない姿をみせると、子どもも寂しそうな姿がみられます。イライラ、怒り気味な態度になることもあります。つまらないことがあったとしても、次は楽しく!とプラスになれるように振舞ったり、お話したりできるよう心がけたいですね。

「お家に帰ってくると幼稚園ごっこしてます。先生役になりきってお人形にお話してます。」とよく聞きます。どんなお話しているのかな、私もステキなお手本になれるようにがんばります。

2017-08-24 「あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ」

チャプレン 司祭 八 木 正 言

井の中の蛙、大海を知らず」という言葉があります。小さな世界に閉じこもり広い外の世界を知らない、ということです。ところが最近ある本で、これを「井の中の蛙、天を見る」と読み替えているのを見つけました。見事な換骨奪胎=読み替えです。天は大海よりも広く、大きいものです。だから、たとえ小さな井戸にあっても、その眼差しは天に向けられていることが大事である、そんな真実を表現しているのだと思います。滋賀の老舗和菓子屋のお菓子に「一壺天」というのがあり、その説明書きに“心にとらわれがなければ、小さな壺も天のように広くなる”とあったのを思い出しました。

21世紀に生きる人間は、科学の発達=交通手段の発達によって「大海」に飛び出すことは容易になりました。しかしそれと引き替えに、天を見つめ、自らの小ささを思う謙虚な視点を失ってしまったのではないでしょうか。

どんな社会、どのような場にいても、所詮人間の住むところは狭苦しい井戸でしかありません。大海に飛び出したとしても、やがて時間の経過と共に、その大海さえ井戸であると感じるようになるのが人間なのだとも思います。

一つの果てしないもの、それを見つめて生きることこそ、今ある場所を無限に多様で豊かな世界として生きる秘訣なのだと思うのです。

 私たちも、愛と勇気をもって、そして何より天に眼差しを向けつつ生きる者でありたいと思います。地上の富に心を奪われていると、本当の「安心」はいつまで経っても訪れないのではとさえ思います。私たちの富のあるところに、私たちの心もある…心に留めていたい一言です。

2017-07-01 センス・オブ・ワンダー

園長 古川陽子

 お店の出入口の上にツバメが巣を作ろうとしていました。お客さんの出入りがあるのですがら撤去されてしまうのではと思いきや、そこには『ツバメが巣を作っています。落とし物にお気を付け下さい』の貼り紙が。どうやら人間が譲るという珍しいパターンのようです。どうして?…と思い調べてみると、ツバメが巣を作る家は「子宝に恵まれる」とか、「金運が上がる」といった言い伝えがあるとか。確かに風水的にパワーのある場所に巣を作るようなのですが、実はカラスなどの外敵から守るためにわざと人通りの多い場所に巣を作るというのが真相のようです。

 ところ変わって聖愛幼稚園。ある子が、「蜘蛛の巣に水をかけたい」というので、それでは蜘蛛さんがびっくりしてしまうんじゃない?と言うと「大丈夫。今は居ないみたいだから。」という返事。霧吹きに水を入れてわたすと、「見ててー!」と目をキラキラさせて蜘蛛の巣にシュッシュッ。みるみるうちに巣がダイヤモンドのように輝き、きれいな模様が浮かび上がりました。「うわぁ〜!きれい!」の声に、「見せて!」「私もやりたい!」「もっと蜘蛛の巣探してくる!」と子どもたちは大興奮。

 私たち大人の世界では、蜘蛛の巣は不潔で気味が悪く、家にあったらすぐに取り去ろうとします。一方でツバメの巣は大切に見守るもののそこには“幸運を運んできてね”という私欲が見え隠れ。一心不乱に(蜘蛛のいない)蜘蛛の巣探しをしている子どもたちの姿を見ながら、自分はいつから自然の頂点に人間がいるような錯覚に陥り、蜘蛛の巣の美しさも忘れてしまったのだろうと恥ずかしく思いました。

 子どもの頃にあるセンス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目を見張る感性)をいつまでも無くさずに持ち続けて欲しいと、それを邪魔する大人であってはならないと強く思います。自然に触れる機会の増えるこの季節。子どもたちの感性が大いに刺激される毎日でありますように。

2017-06-01 伝えることのむずかしさ

主任 栗城円

 保護者の皆様には、いつも温かく見守っていただきまして、ありがとうございます。

先日の親子遠足では、たくさんのお家の方にご参加いただきました。悪天候の中、予定を変更するところがありましたが、快く受け入れていただき感謝しております。また、よい思い出となりました、とのお声かけをたくさんいただき、本当に嬉しく思います。

 さて、新学期が始まって、約二ヶ月が過ぎました。子どもたちは園生活にすっかり慣れて、日々元気いっぱい過ごしています。たくさん遊んでお片付けの時間、片付けず、遊び続ける子たちが。「はやく、片付けて!」と言いますがなかなか進みません。もちろん、黙々と片付けている子もいます。そこで、「わぁー、お部屋がきれいになってきている!お片付けしてくれてうれしいな」と声をかけると、遊び続けていた子たちも、徐々に片付け始めました。「みんなで片付けると楽しいね。ありがとう!」みんなで最後まで片付けることができました。出来ている子、よいことに目を向ける。先日参加した研修で教えていただきました。どうしても、できていないことに対して、まゆげをつりあげて、やりなさい!と強く言ってしまいます。そうすると、子どもにとっては、言われたから、怒られたから、嫌々やることになってしまいます。子どもが感じて、自発的に行ったことにより、達成感もでてきます。もちろん、いけないことをしっかり叱ることも大切です。改めて伝えることの大切さ、難しさを感じています。悪いことばかりを口にするのではなく、よいこと、言われてうれしくなることを、いい表情で伝えていけるようにしていきたいなと思っています。