かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

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『Googleとの闘い-文化の多様性を守るために-』・・・Googleと、誰の闘い?


Googleとの闘い―文化の多様性を守るために

Googleとの闘い―文化の多様性を守るために



こちらも参照:


卒研中だと言うのに読みたくなったので買ってきてしまった『Googleとの闘い』を読了。
内容紹介については上記2エントリによくまとめられているのでそちらを参照してください。
もとが2005年にフランスで出された本(の2006年の改訂版からの翻訳)ということで、Google Book Searchに関する記述では最新動向とはちょっとずれたところもあるけれど、まとめ本(かつ問題点を指摘する本)としてはけっこう使えるかも、とか思ったり(Google Book Searchに関して書くときとか。著者の意図と明らかにずれた使い方な気もするが)。
これまであまり聞くことのなかったフランス及びヨーロッパ圏での書籍デジタル化に関して知れたのも有益だったかな。


しかし読んでいてずっと感じたのは、これはつまりGoogleGoogle以外の闘い、と言うことではなくて、「Googleとヨーロッパ」の闘いのことを書いているんだな、ということ。
あるいはGoogleが代表する商業主義/アングロサクソン(英語)中心主義に対するヨーロッパ圏(非英語圏/反利潤追求主義)の闘い、と捉えることもできるし、そう捉えるのが妥当なのか・・・と思って読んではいたんだけれども・・・前者はともかく、後者についてはやっぱヨーロッパ、というかEU、あるいは著者の母国であるフランスが、闘いの主体なんだろうな、とかなんとか。
つまるところアメリカ(英語)中心主義VSフランス及びヨーロッパ。
Googleがフランスで生まれて、フランス語サイトを優先して表示する仕様だったらこの本出なかっただろ、とか(まあこの仮定はいくらなんでも無理があるが)。


それだけに読み終わったあとには「で、日本は?」と言う方向に関心が向くわけだが・・・
国産検索エンジンとかもいまいちピンと来ないしなあ。
と言うか、日本の場合必ずしも闘うべき相手がアメリカなのか、と言うところから考えないといけないわけで・・・非アルファベット圏であるがゆえにある程度英語の一極支配からは逃れられている身としては、むしろ某隣国の急速な発展が気になるわけだが、さてその場合俺らはどこと組んで何と闘えば良いのかと・・・。
3000万冊の蔵書のデジタル化を発表したNDLとか*1はそこら辺はどんな風に考えているんだろう??
記事だけ見ている限りは国外へのインパクト、って点はあんまり考えていないようだが・・・守るのか、むしろ攻め入るのかくらいは考えてもいいような。
まあ、Google資本であるところのYouTubeのクリスマストップ動画を日本のM−1が占めちゃって大ブーイング食らっているような状況*2を見ていると、放っておいても勝手に日本人が攻め入ってるんじゃないか、って気もするけど。
あ、でもこれもM-1がランキング対象外にされたりしたって続報があるな・・・やっぱ一極支配だとそうやすやすとは攻め入らせて貰えないか・・・