かたつむりは電子図書館の夢をみるか このページをアンテナに追加

2014-10-11

[] さあお祭りだ! 10/21は「オープン世代」の研究とコミュニケーションの話で盛り上がろう!(第3回 SPARC Japan セミナー2014「オープン世代」のScience のご紹介)


最近、ブログ更新といえばなんらかの宣伝となりつつありますが(苦笑)

今回は自分も参加しているイベントの紹介です!


【概要】

セミナーでは,米SPARCによる今年のオープンアクセスウィークのテーマ「Generation Open(オープン世代)」に合わせ,日本国内における「オープン世代」の様々な取り組みを紹介する。 「オープン世代」は現在研究者になったばかりの,あるいはこれから研究者になろうという若手の世代であり,オープンを旨とするウェブ文化の中で育ってきた。一方で伝統的な学術コミュニケーションを担う立場に立ってきた学術機関とその図書館学会は,従来オープンアクセス発信について取り組み,アウトリーチ活動を行ってきた。両者を結び付けることで,世界中で様々なアプローチで展開するオープンアクセスの潮流をさらに推し進め,学術機関やその図書館等が行っている発信の活動,リソースの共有・再利用等のサービスについて検討する契機としたい。

【参加対象者】

研究者図書館員,学術出版職にある方々


SPARC Japanセミナーは最近、図書館員・研究者ら3人の企画員が毎回選ばれて、企画を立てたり講演者を決めるようになっているのですが。

実は今回、その3人の企画員の中に自分が入っていたのです。

その他のお2人は、大阪大学附属図書館の土手郁子さん*1と、近畿大学医学部の榎木英介先生*2

土出さんは大学図書館オープンアクセス界隈では有名な方なのでご存知の方も多いかと。

榎木先生はその土出さんのご紹介で、今回企画員に入っていただきました。

で、実際に打ち合わせのためご本人にお会いするまで、まーったく気付いていなかったのですが。

この榎木先生って、あの『博士漂流時代』を書かれた榎木先生ではないですか!!!


博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)


DISCOVERサイエンスで長神さんや内田さんの本が出た時、一緒に買って読ませていただいていたのですが、全く自分がお会いしようという榎木先生と頭の中でつながっておらず。

しかしつながった瞬間からいっきに打ち合わせはハイテンションになり、以降そのテンションのままで突っ走っていった結果が今回のSPARC Japanセミナーなのです*3


そも、今回のSPARC Japanセミナーは、最近毎年10月終盤の週に世界的に開催されている「Open Access Week」(OA Week)の、日本での企画のうちの一つです。

アメリカSPARCという団体が全体の音頭をとっていて、今年は"Generation Open"(「オープン世代」)が全体テーマ。

であれば、若手研究者の話をしようか、という話は最初から決まっていたのですが・・・で、SPARC Japanセミナーの定番としては海外から先端的なことやっている方をお招きしてなにかお話うかがって、という感じが多いのですが・・・


だがしかし、あえて今回のセミナーは「講演者は全員、日本人でいこう!」というのは、打ち合わせのごく最初に決まりました。

それも、みんなでお勉強しようとか、若手の研究者・院生にどうオープンアクセスを広めていこうかとか、そんな話じゃなしによう!そういう真面目でおとなしい話はぶっちゃけ年中やってるわけだし、OA Weekでしかも若手世代がテーマってんだから、そんなのもうお祭をやるしかないじゃないか!

OAを肴に日本のおもしろ楽しくパワフルな若手研究者を集めてこよう!

おもいっきり刺激的な話をした上で、「で、図書館関係でOAがどうこうって言ってる人々は、この世界についてこられるの? でもOAってこういう世界だよね?」って思いきり煽ろう!*4


そんな感じで一人盛り上がり、最初に考えて自分が書きなぐった企画案が以下のとおり。


SPARCによる今年のオープンアクセスウィークのテーマは「Generation Open(オープン世代)」である。

現在研究者になったばかりの、あるいはこれから研究者になろうという若者たちは、オープンを旨とするウェブ文化の中で育ってきた世代である。

以下のような営みが彼らにとってはある種、当然のこととして受け入れられている。

これらの習慣は音楽やサブカルチャーの世界にとどまらず、研究・学術の世界でも様々な試みが若手の中から生まれている。

そのような試みの例として、以下のようなものを挙げることができるだろう。

  • 個人によるOA誌の創刊
  • DIYバイオ 個人宅によるバイオ研究の実施
  • クラウドファンディングにより、個人の研究に対し複数の個人が出資する仕組みの構築
  • 動画サービス等を介した新たな研究の集いの場の実現
  • 従来の組織にとらわれない「野生の研究者」の台頭

これらは組織に所属し、大規模な予算の下ではじめて研究を行うことができる、ビッグ・サイエンスにとらわれない世代が台頭してきていることを示している。

もちろん、全ての若手研究者がこのような習慣を共有しているわけではなく、むしろ多くは従来型の枠組みの中でなんとか足場を確保しようともがいていると考えられる。

研究の世界は若者からは変えられない、組織の中で生きていくために若手研究者こそ既存のモデルに積極的に馴染もうとしなければならない、というのは多くの調査が示すところでもある。

しかしそのような若者たちですら、既存の研究コミュニティ学術コミュニケーションのあり方に疑問を感じ、「若手の会」を組織し領域横断的なつながりの中で改革を実現していこうとしている。


いずれの若者たちも既存の学術コミュニケーションに限界を感じ、新たな試みを始めようとしている点でオープンアクセスの強力な支持者、推進者となりうる人々である。

しかし、彼ら「オープン世代」の人々に、SPARC Japanに代表される日本の大学図書館学術出版コミュニティはこれまで十分にリーチしてこれたといえるだろうか?


オープンアクセスウィークにあわせて開催される本セミナーは、国内における様々な「オープン世代」の試みを紹介し、ディスカッションを通じて彼ら同士の更なる交流を図るとともに、日本のオープンアクセスコミュニティと「オープン世代」をつなぐ、架け橋の場を構築する機会ともしたい。


それを土出さんがマイルドに直してくれたのが公式ページに載っている案内なのですが、まあ自分のブログなので煽った方を乗せておいて良いかと。

上記の案には、自分の勘違い(個人ではなく企業が出しているOA誌だったとか)や講演者の変更等もあったりしたのですが、とはいえ当初「お願いしちゃってみます?」と半ば「通らばリーチ」みたいな考えていた講演者の皆さんに、快くもお引き受けいただいたことで、思いがけず豪華なメンバーが当日はいらっしゃいます。

そもそも司会が榎木先生ってだけでも相当豪華なのですが・・・


生命科学は「生命とは何か」を問う学問領域であるが,この問いは古来芸術の主題でもあった。オープンソース化の流れ,構成的なアプローチ,社会的課題・文化的含意への隣接,これらを通じ,生命科学は一部でバイオメディアアートなどと呼ばれる現代芸術における生命探究の試みと共振するようになっている。DIYバイオ,FabLab,バイオアートといったオープンソースの精神を重視する活動の交錯が模索されている現状と,その課題について議論してみたい。

metaPhorest(生命美学プラットフォーム)世話人早稲田大学理工学術院教授。微生物体内時計や形づくりに関する実験生物学研究を行う傍ら,現代美術家として抽象的な切り絵や生物を用いた芸術表現(バイオメディアアート)を精力的に発表してきた。生命に興味を持つアーティストを生命科学の研究室に招聘する生命美学プラットフォーム,metaPhorestを主宰し,国際的な評価を得ている。日本初の合成生物学・構成的生物学に関する「細胞を創る」研究会創立メンバー・社会文化ユニット世話人

初っ端からバイオメディアアート!!

そしてDIYバイオ!! バイオなのにDo It Yourselfですよ。SF半端ない、けれど現実。

岩崎先生が主催されているmetaPhorestのサイト(http://metaphorest.net/)を見ても凄い・・・。

そこで盛り上げて、からの、


  • 講演2:"コンテンツとしてオープンに発表される研究活動について - ニコニコ学会βなどを通じて"

WebやSNS,投稿サイトなどが日常になる中で,研究活動の発表のかたちも大きく変わってきました。大学図書館に勤務する中で,学術論文に一般に伝わるような面白さや有用性が高いことを感じ,時事性に合わせてTwitter上で論文を紹介する「論文ったー」(@ronbuntter)を作りました。「論文ったー」は現在6000人以上からフォローされており,論文の面白さが広く受け入れられるものであることを感じました。知己の若い研究者たちの中には,自分の研究をブログSNS動画投稿サイトUstreamなどでオープンに発表し,コメントなどをやりとりすることも日常となってきています。そうした活動は大学の研究者に限らず,学生や企業のエンジニアプログラマー芸術家小説家サラリーマン,主婦などさまざまな立場の人が参加しています。それらの記事や動画を見ている人々はどこにでもいる普通の人々です。現在のWebでは,研究はアニメや音楽と同じような,一つのコンテンツとして自然に受け入れられています。こうした研究活動を発表している人々をもっと広く知ってもらい,また増やしていくために,2011年よりニコニコ学会βというイベントの実行委員をしています。今回は大学図書館員の立場から動画投稿サイトなどでの研究活動のオープン化を見てきた一人として,ニコニコ学会βのこれまでの活動や自分の経験などをご紹介したいと思います。

011年まで国立大学法人山形大学図書館に勤務。2011年11月より現職。マンガや同人誌などの資料の管理を担当。ニコニコ学会β実行委員。myrmecoleonの名義でネット上で活動。2005年4月にブログ「Myrmecoleon in Paradoxical Library」開設,図書館同人誌ニコニコ動画Twitterなどについて研究し,発表している。大学図書館での仕事の傍ら,マッシュアップサービスとして「所蔵図書館マップ」「論文ったー」などを開発運用し,第2回CiNii ウェブAPIコンテストで優秀賞受賞。またコミックマーケットにて,同人誌図書館の分類法について検討した「ジャンルコードと分類法」シリーズ,ニコニコ動画上の動画や投稿者を統計的に分析した「ニコニコ動画統計データハンドブック」シリーズなどの同人誌頒布。ASCII.jpにて「myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」」を連載中。2014年1月から6月まで「次元の壁をこえて‐初音ミク実体化への情熱 展‐」を企画・実施した。

id:myrmecoleonさんですよ!!

図書館と若手研究世界の架け橋になってくれそうな人って誰だろう、という話に真っ先に思いついたのがありらいおんことmyrmecoさんでしたが、ご本人も最先端なのさらに加速させた感は否めない。

ところで僕、このテンションで最後まで煽り文書いていくんですかね?


  • 講演3:"国内発の国際的総合科学学術誌Science Postprint, SPARCから始まりSPARCに至り…"

国際的総合科学学術誌Science Postprint(SPP)は,国内では珍しい学会以外の商用出版社が運営する査読付きのオープンアクセス学術誌である。「学会ができないことをやろう」をモットーとし,医学生命科学環境学を中心に総合科学全般の研究分野の論文発表の場として2013年10月より論文出版を行なっている。査読編集委員は2013年5月から公募を開始し,現在は約600人が登録されている。論文投稿数は2014年9月時点で110報を超え,アクセプト率は26%となっている。SPPの企画は,2012年のSPARCセミナーを聴講したときに感銘を受け,プロジェクトとしてスタートした。2013年に出版を開始,そして2014年には1周年を迎え,SPARCで発表する機会をいただき,心より御礼を申し上げる。


  • 講演者:竹澤 慎一郎さん(ゼネラルヘルスケア株式会社

2003年東京大学大学院博士号取得(農学)。JSTポスドクを経て,経営コンサルティング会社勤務。2006年に生命科学分野の研究者向け情報メディア会社を設立し,代表取締役副社長に就任。辞任後,2007年より現職(代表取締役)。

ここ、大事なところなので2回書きます。

SPPの企画は,2012年のSPARCセミナーを聴講したときに感銘を受け,プロジェクトとしてスタートした。2013年に出版を開始,そして2014年には1周年を迎え

SPARC Japanセミナーがきっかけだったなんて!!

日本発の非学会OA誌って数が実に少ないんですが、SPJセミナーを契機に立ち上がり、論文出版に至っている、投稿もコンスタントにある発表の場ができているというのは、これは凄い話ですよ。

2012年のセミナーってちなみにどの回でしょうね・・・Binfieldさんが来日した"オープンアクセスメガジャーナルの興隆"*5回ですかね・・・当日ぜひ聞きたいところです。



グローバル化し複雑になった現代社会において情報は氾濫し,その多様性は歴史的にも類を見ない状況になってきている。ガジェットは多様化してどこにいてもオンラインとなり,まさにユビキタスな時代となってきている。しかし一方でコミュニケーションの形態は断片化し,思考が深まらないという声も散見される。時代の流れは後戻りできない。まもなくネットネイティブ世代学術の中心的役割を果たすようになる。来る次世代を踏まえてこれからの学術ネットワークやプラットフォームについて考えてみたい。

2008より奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科准教授1993年上智大学卒業(心理学) ,1997年奈良先端科学技術大学院大学修士課程修了,2000年同バイオサイエンス科博士課程修了。その間,京都大学大阪大学大阪バイオサイエンス研究所に勤務。神戸大学医学部,マックスプランク医学研究所にてPDフェロー。1年半の準備期間を経て,2011年より日本学術会議若手アカデミー委員会委員長に就任。

「なんか若手研究者の中でも特殊な経歴の人ばかりすぎまいか?」

「では、若手として積極的な活動はしつつ、キャリアパスとしてはいわゆるサイエンスの中で奮闘されている方というと?」というようなやり取りの中から、ぜひお願いしましょう、ということになった駒井先生。

でもブレーキになっていただく感じではないかも・・・? 若手たちがあつまる場のプラットフォーム/ネットワークとは?


近年,急速にオープンアクセスの概念がアカデミアの中で広まりつつある。そしてアカデミアの外に目を向けると,生物学のジャンルではいわゆる「バイオハッカー」もその存在感を増しつつある。バイオハッカーたちの世界では,情報をオープンにし,知を共有するのが当たり前という風潮が強い。本発表では,このようなアカデミアのオルタナティブとなるような知的活動が,生物学や科学の前進にどのように寄与するのかを考察する。

2007北海道大学大学院地球環境科学科にて博士号取得。2008年から2010年まで,NASAエイムズ研究センターおよびNASA宇宙生物学研究所にてヨコヅナクマムシを用いた宇宙生物学研究を実施。2011年から2014年まで博士研究員としてパリ第5大学およびフランス国立衛生医学研究所に所属。2014年から訪問研究員として慶応大学SFC研究所にて研究活動に従事

クマムシ博士([twitter:@horikawad])、SPARC Japanセミナーにご登壇。

講演内容だけ見てもわかりにくいかも知れませんが、あのクマムシ博士ですよ!

  • 最近のご著書

クマムシさん」[twitter:@kumamushisan]の可愛さにやられてクマムシ研究の世界を思わず応援したという方も多いはず。

どうしよう、当日までにクマムシさん買っちゃいそうな勢い・・・!(←あてられている


これ以上書くと偏りがひどいことになるのでこのあたりにしておきますが、いや、このセミナーは絶対に「行き」ですよ。

この豪華メンバーが、学術コミュニケーションに関しそれぞれの活動や考えを報告いただき、しかもそのあとなんとディスカッションまでしていただける!

図書館学術関係者はもちろんのこと、今回の登壇者の皆さんは学術とそれ以外の世界の垣根も乗り越えていくことに意識的だったり、意識するまでもなく乗り越えている方々ばかりで、ふだん全然SPARC Japanセミナーとか興味のない方にもぜひお越しいただきたい!

研究の世界ってこんなに面白いことになってるんだよ、というのは、それこそニコニコ学会とか色々な場で知る機会はあるわけですが、それをもっと広げていって、もっともっと垣根が下がれば、きっと世界はもっと面白くなる。

そんな研究と社会の明るい姿を描ける場に、今年のOpen Access Week特別セミナーはなります!

ふだん思いつめた感じで雑誌価格の高騰とか投稿料誰が支払うんだとかの話しているみなさんも、この日は楽しそうな未来の話をしましょうぜ!

*1土出 郁子 - 研究者 - researchmap

*2榎木英介 - 研究者 - researchmap

*3:あ、最新の著書、 

嘘と絶望の生命科学 (文春新書 986)

嘘と絶望の生命科学 (文春新書 986)

 も素晴らしいですよ!

*4:煽ろう、と思っているのは自分だけで他の企画員の皆さんはたぶんそんなことは考えていないはずです(汗)

*5国際学術情報流通基盤整備事業 │ イベント情報 │ H23 │ 2011年度第5回「OAメガジャーナルの興隆」

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